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Posted: 28 Dec, 2019 @ 5:48pm

良い点
✔ 全体的に高品質なグラフィック
✔ 場面に緩急をつけるサウンド
✔ ビデオカメラを使ったユニークなギミック
✔ 迫真のボイスアクト
✔ Bloober Teamお得意の演出
✔ グッボーイ

悪い点
✗ 分かりにくい導線
✗ 直感的じゃないUI
✗ 終盤のゲームプレイ

概要
Layers of FearObserverで知られるBloober Teamによる新作。
同名の映画をベースに作られているが、ストーリーは完全に独立しているため映画を見ていなくても問題なし。
プレイ時間は初回プレイでおよそ5~6時間程度。

全体に漂う雰囲気や所々の演出はホラーとして秀逸だが、終始導線が分かりにくいのがゲームとしてのテンポを大きく削いでいると感じた。
また、終盤はとある理由 (詳しくは後ほど) からプレイしていて若干ストレスがたまった。

基本的に満遍なくパズルや収集要素、そして敵との遭遇パートが散りばめられているため、Bloober Teamの過去作の中でも、『Layers of Fear』より『Observer』の方に寄った作りとなっている。
結構視点の動きが多く視野も狭いため、3D酔いが激しい人にはあまりオススメできないかもしれない。

総合的な評価は点数で表せば6.8/10といったところ。ギリおすすめ側。
ビジュアルや演出面で非常に優れているものの、ゲームとしてはプレイしていてやや不満が残る出来だった。
でも相棒の犬は可愛い。

以下詳細なレビュー。

グラフィックやサウンドは文句なし
この辺りは流石Bloober Team。
鬱蒼とした森や朽ちた建造物、グロテスクな死体等々、グラフィックに関しては他のインディーゲームと比較しても頭一つ抜けている。
サウンドも緩急がしっかりとしていて、危険が迫るような場面ではうまく緊張感を高めてくれる。
また、主人公エリスのボイスも情緒に富んでおり、不安や怒りといった感情がよく伝わってくるいい演技だった。
視点移動による場面の転換やループといったおなじみの演出も健在で、特に終盤ではこれらの要素が色濃く現れる。
一部の閉塞的な場面ではちょっと演出 (と視覚効果) が過剰気味で画面が見づらくなったりもしたが、全体的には非常によくできていると感じた。

ビデオを使ったユニークなパズル でも・・・
本作では要所要所でビデオテープの再生/停止を活用したパズルを駆使して道を切り開くことになる。
このアイディアは中々斬新だとプレイしていて感心した。
パズルとしては適度な難易度で、不気味な世界観を演出する役割も同時に果たしていて面白かった。

で、パズルについては何ら不満はないのだが、プレイしていて不満というか拍子抜けだったのが、ビデオカメラの使い道のなさである。
発売前、『ブレアウィッチ』の名やトレーラーから、てっきり暗視機能を使って視界を確保するのかなと思っていた。
さながらOutlastのように。
しかし実際にプレイしてみると視界確保の役割は懐中電灯が担っており、暗視機能は最後まで使い所のないおまけみたいなものだった。
そしてゲーム終盤ではなんだかレーダーじみた機能を発揮し、最終的にはライトと合体した。
なんか思ってたのと違う・・・。

必要な操作回数が多いUI
本作をプレイしていてテンポの悪さを感じる点の1つがUIの操作だ。
コントローラーでの操作に最適化しているためか、はたまた没入感のためか、とにかく目的の機能に到達するまでにかかる操作回数が多い。
プレイ中、主人公の携帯端末にそこそこの頻度でメールが届くのだが、
サークルメニュー → 携帯を選択 → メール機能を選択 → 目的のメールを開く
という工程を毎回行わなければならない。
また、後ろ2つについては目的の位置まで1個1個スクロールする必要があるため一段と面倒くさい。
もっとショートカットキーやマウス操作でサクサクと選択させてほしかった。

終盤のゲームプレイに関する不満点
ゲームの終盤、手元のビデオカメラに映る敵の姿を確認しつつ、それにライトを当てないようにして進む必要があるのだが、このパートはストレスが溜まった。
カメラが画面右下にあり、ライトが当たらないよう視界も若干下向きで、とにかく意識も視点も下に集中セざるを得ないのが原因である。
ビデオカメラを構えてほぼ画面いっぱいに表示することもできるのだが、その状態だと移動速度が極端に落ちるため、結局そのパートは最後までほとんど画面右下しか見ていなかった。
おまけにこのパートでは敵に触れると即死である。
とはいってもゲームの難易度自体は全く高いわけではないので、視点の不自由ささえ我慢すれば問題ないとも言える。

最後に
自分はBloober Teamのホラーゲームが好きだったので発売後すぐに飛びついたが、正直フルプライスで買うのはあまりオススメしない。
それと1周が短いかわりに収集要素やら分岐やらがあって、実績を埋めようとすると結構疲れると思う。
ゲームのビジュアルに強く惹かれるタイプの人にオススメ。
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