敢えて語る必要もないくらいには有名になったデッキ構築＋ローグライクなカードゲーム。
元々デッキ構築系のボードゲームとして知られるドミニオン、ネットランナーに強く影響を受けて開発されたらしい。（英語wikipedia参照）戦闘毎に得られるカードでデッキを強化しながら塔の最上階を目指す。カード以外にも使い捨てのポーション、恒常的な効果を得るレリックなどの要素がある。開始時に選べるキャラクターが4種類いて、それぞれ下記のような特徴がある。

• アイアンクラッド：筋力を高めて殴るのが得意なシンプルかつ初心者向けキャラクター。「廃棄」でのデッキ圧縮も得意。
  
• サイレント：毒による継続ダメージ、0コストのナイフを大量に生成して戦うのを得意とするテクニカルなキャラクター。手札操作も得意。
  
• ディフェクト：雷（攻撃）、氷（防御）などの属性を持つ「オーブ」を保持、開放して戦うトリッキーなキャラクター。パワーカードでの自己強化が得意。
  
• ウォッチャー：攻撃的な「憤怒」、防御的な「平静」などの「スタンス」を切り替えて戦う、緩急が重要なキャラクター。

本タイトルで特筆すべきなのはゲームバランスの良さ。
各キャラクターのコンセプト、プレイ感が差別化されていて、それぞれに幅広いデッキ構築、コンボが用意されており、カード・レリック選択の戦略性と手札・イベント・出現ボス、出現レリックなどの運要素が極めて高いレベルで調整されている。ただしそれらはゲームに慣れるのが前提となっているので、カジュアルに遊びたい人にとっては難しすぎるかもしれない。

また操作性とテンポの良さも挙げておきたい。
無駄な演出や冗長なイベントは皆無で、主なプレイ時間＝思考時間と言えるくらい。慣れれば一周20分を切ることもでき、その実績も用意されている。若干のっぺりとした印象のグラフィックだが、慣れてしまえば愛着が沸くので敬遠している人は騙されたと思って一度プレイしてみて欲しい。子気味良いSE、派手さはないが重厚でクラシカルなBGMは、長時間のプレイを邪魔せず最終的には容易に脳内で再生されるようになる。

強いて欠点を挙げるとすれば、

• 中毒性が高すぎて時間があっという間に溶ける
  
• 真ボスが極端に強く、撃破可能なデッキ構築が大分限られる
  
• アセンション20到達、その他実績の一部は相当な苦行でドMにしかおススメできない

くらい。

ゲームの性質上、早々にwikiを見ることはこのゲームの面白さをspoilしてしまうのでおススメしない。せめて1周クリアしてから、あるいは必要な範囲だけ参照することをお勧めする。下記は自分がお世話になったサイト。

Slay the Spire攻略 Wiki
https://wikiwiki.jp/slaythespire

Spirelogs.com: Slay The Spire Statistics（Slay the spireの詳細な統計サイト）
https://dev.spirelogs.com

カードゲームにハマった経験がある人、特にああでもないこうでもないとデッキを組んだことのある人なら一度遊んでみて損はないタイトルだと思う。ちなみにPS4, Xbox One, Switch, iOS, Androidなどに移植されている。

• 運と戦略のバランスが非常によく練られていてアンロック要素のタイミングも良い
  
• 4種類のキャラクターとそれぞれの専用カードも差別化できていて新鮮な体験ができる
  
• レリックとカードがかみ合ってコンボが完成したときのカタルシスが半端ない

• 類似タイトルと比べるとカードアート、敵のデザインに派手さはない
  
• 周回＆学習前提なので難易度は高く、適当に遊んでも先に進めず飽きてしまう可能性はある
  
• ストーリー要素はフレーバー程度でほぼ皆無

• TCG,DCG,デッキ構築ゲーにハマったことがある人
  
• 戦略要素もギャンブル要素もどちらも好きで難しいゲームほど燃える人
  
• 手軽に遊べて中断しやすく、かつ長く遊べるタイトルがやりたい人

実績埋めてから更新してなかったので更新。(2/21/07/04)
実績コンプ時のプレイ時間：412時間
レビュー最終更新時：562時間（アセンション到達LV: 20:10:2:3）