作品の舞台がお台場、そして有明ということもあり、
見覚えのある風景がいくつか出てきて、懐かしい気持ちになりました。

数年ほど前、２カ月間ではありましたが台場で仕事をする機会があり、
毎日、新橋の駅からゆりかもめに乗ってはオフィスまで通勤していたことを思い出します。

早朝のゆりかもめに揺られ見た、ビルの隙間から射す朝日が、
すっかり陽が沈んだ後、人気の少ない車内で同僚たちとこぼした愚痴を、
今となっては思い出の一部になっている。

当時は早く帰りたいと思いながら、ぼんやりと視界に映り、
くだらない話だとすぐに忘れる程度のものだったのに……
今思えば、人生に同じ時間は訪れないな、と。

この作品は現実そのものであり、何か不思議なことが起きるわけでもない。
ただ、プレイをしていく中で、自分自身忘れていた、
ココロの居場所（拠り所）の存在について考えさせてくれるものでした。

プレイ時間は1～2時間程度ですが、BGMが非常に落ち着くものなので、
個人的にはゆっくりと声に出して読んでいくことをお勧めします。