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Posted: 6 Mar, 2020 @ 3:26am
Updated: 14 Apr, 2020 @ 5:13am

「バグスラ」アクションRPG

と揶揄されるぐらいバグが多く、多少のバグには大抵は寛容な自分でも多過ぎて閉口せざるを得ない状況ですが、なんとか遊べるには遊べるのでこの評価です。
現状、オススメするかどうか非常に迷った挙句の評価だと考えてください。

自分はEA期間中にセールで購入しています。(1600円ぐらい)
現在、レベル54でエンドコンテンツプレイ中です。

【序章】
まず最初に、よく比較で引っ張り出されるPoEやらDia3は個人的に性に合わなかったけど、GDは4桁時間プレイヤーです。

他のハクスラと大きく異なるのは物理・魔法が両立できる点です。
大抵は何かに寄せないと中途半端ビルドになり使い物にならないのですが、このゲームではシステム的に「魔法剣士」や「赤魔導士」が成立します。
(まぁ「赤魔導士」は微妙かもですが・・・)

ではどういうシステムかというと、一般的なMPがなくWillpowerとRageというゲージがあります。
最初何もしていない時はWillpowerが満タンになっており、Rageが0の状態です。
そして、魔法スキルを使うとWillpowerが消費されていき、Rage溜まります。
次に物理スキルを使うとRageが消費されていき、Willpowerが溜まる仕組みになっています。
どっちも満タン、どっちも0という状態はありえない、シーソーの関係にあると思ってください。

なので、普通MPがなくなったら終わりですが、このゲームではそこから別方向のスキルを連打できる、ということなんです。
このシステムにより、今までのハクスラでは不可能だった組み合わせでプレイできる、というのが最大の違いです。

もう1つ大きな違いと言えば、他のゲームで言うところの職業(クラス、マスタリなど)がこのゲームにはありません。
そのシガラミがないため、前述のシステムからしてスキリセを駆使すると、1キャラで何回でも近接、キャスター、物理遠距離などリビルドすることができます。

【第1章】
ハクスラの魅力と言えば迷子になるようなビルド構成が1つにあるのですが、ここでも一風変わっています。

・お約束の4つの属性パラメータ(Ferocity、Toughness、Agility、Wisdom)
 1レベルアップ毎に10ポイント貰えるので、自由に割り振れます。
 但し、他のゲームと異なり、どのパラメータも物理、魔法どちらにも影響します。
 (Ferocityは戦士、Wisdomは魔法使い、Agilityは忍者などという区分けではありません)

・Dia3のようなアクティブスキル
 スキルをアンロックするアイテム(Enneract)を使用すると使えるようになります。(全40種類)
 レベル制でスロットに設定しておき戦闘するとキャラクターと同じくスキルにも経験値が入り、スキルがレベルアップしていきます。
 レベルアップするとスキルに様々な効果が付与されるようになり、更にスキルポイントもあるので、どの効果を付与するかを自由に配分できます。
 ポイントの振り直しも無料で好きなだけ可能です。
 また、このゲームでならではのシステムなんですが、エンドコンテンツで解放できる複製ということを行うと最大2つ複製を作れるのですが、元の分と複製した分の計3つを3スロットに設定すると別々のスキルとして発動できるようになります。
 例えばタレットスキルだと通常タレットは1つなんですが、2つ複製を作ってスロット3つに設定すると、3つまでタレットを出すことができます。
 (但し、当然WillpowerやRageは個数分消費されますし、複製分は別途レベル上げが必要ですが、逆に別々の性能にすることもできます。)

・PoEのようなパッシブスキル
 PoEほど広大ではありませんが、そこそこ大きいパッシブ盤があり、キャラクターがレベルアップするごとに1ポイント貰え、好きに割り振っていきます。
 更に円盤はTier3まであり、それぞれのTierが赤緑紫で3、6、12のブロックに分かれており、円盤を回転することにより様々な接続方法が可能です。
 「このゲームに職業はない」と上述しましたが、システム上ないだけで、パッシブのそれぞれのブロックには一応はSOLDIERやらWARLOCKやらという名前は付いています。
 パッシブスキルポイントは既にアンロックしたスキルのスキルアイテムを使うことにより取得できるポイント=PA(Primordial Affinity)でリセットすることができます。

・装備(武器左右(または2H)、頭、胴、脚、肩左右、手左右、足、ネックレス、ベルト、指輪左右)
 レアリティはCommon(白)、Magic(青)、Rare(金)、Legendary(赤)、Unique(紫)とあり、Legendaryまではそのまま順調に強くなるだけですが、Uniqueだけは特殊でめちゃ強いけども弱点もある感じになっており、現状ではやや使いづらい装備なっています。
 また、それぞれの装備にソケットが3つまであるものがあり、ジェムをはめ込むことで強化できます。
 ソケットは「Offensive」「Defensive」「Support」の3種類が1~3までの合計9種類あり、ジェムは全てのソケットでどういった効果があるか、というのが記載されているので、欲しい効果のジェムをソケットに嵌め込むことになります。
 ゲーム内通貨を払うことにより装備とジェムを外すことも可能です。

・現状ではレベル90カンスト

【第2章】
このゲームの独自性はこれだけではありません。
回数制限(時間で回復)付きのローリング回避があり、アクション性が高いです。
回数は装備やパッシブスキルで増やすことも可能です。
また、近接武器で離れた場所から通常攻撃すると飛びつき攻撃をします。(CDはあるようですが・・・)

かなりスタイリッシュに立ち回れるため、アクションが楽しいですし眠くはならないと思います。

【第3章】
まだ独自性があります。
「Aspect of Apocalypse」という、4種類あるゴッドっぽい形態に変身できます。
戦闘、または、それ用のトーテムでポイントが溜まり、変身後そのポイントが消費され、0になるか再度変身することにより解除されます。
変身後は桁違いの破壊力もさることながら、無敵判定なので敵に囲まれて死にそうになった時に一時的に変身して回避、ということも可能です。
(どちらかというと回避目的のほうがでかいかも)

【第4章】
他のシステムでは、ヘルス(HP)の他に攻撃を食らわなかったら急速回復するForce Shieldというものがあります。(GDで言うところの活力)
属性の種類は9個(Physical、Rend、Toxic、Fire、Frost、Lightning、Sacred、Shadow、Aether)。
それぞれの属性には効果の違う状態異常が設定されています。
インベントリは狭いし、スタッシュも最初1枠、2枠目はゲーム内通貨、3枠目以降はエンドコンテンツで解放になっています。
回復POTはPoEのシステムと同じで、使うと消費、戦闘すると残量増えます。
ヘルス、Willpower、Rageの3種類、レベルが上がるにつれそれぞれ回復幅大きくなるものが増え、2つまでセットできます。
あとハクスラとしては珍しく、簡易ながらもキャラクリがあります。
男女の選択と髪型、髪の色、目の色、肌の色、髭のデザイン程度ですが・・・。

【第5章】
エンドコンテンツはまだ全部解放できていないですが、ストーリーモードをクリアすると「Champion of Stormfal」というモードが解放されます。
これはミッションをこなし、リソース(ゴールド、PA、ミッションクリアポイント)を消費して、街の復興を行っていき様々な要素、効果をアンロックする、というモードです。
例えば、アイテムを変換できたり、スキル複製ができたり、スタッシュ枠を広げたり、「Aspect of Apocalypse」を解放できたり、です。

【第6章】
ゲーム性にはあまり関与しませんが、グラフィックがこの手のゲームの中ではトップクラスに素晴らしいです。
演出や音楽も含め、ストーリーモードでは映画を見ている感覚に陥るほどです。
あまりゲームにグラを求めない自分でも、これは凄いと思いました。(語彙力)
ちなみに、ゲームエンジンはCrysisと同じCryENGINEを使っています。

【第7章】
上記のように面白いことは面白いのですが、下記の通り様々な問題があります。

・正式直後のサーバ問題
 4年間EA期間を経ていざ正式リリースすると開発・パブリッシャーが想定したよりも遥かに超える人数がアクセスして(EA時はせいぜい同接1600だったのが12万まで膨れ上がった)、サーバに接続できなかった。
 現状ではマシにはなっているものの、オンラインでプレイするとやや重い。
 (オフラインだと軽いが、オンラインとのキャラが共存できないため、別扱いになる)

・幾多のバグ
 例えば地形にハマリ込んで動けない=ミッションクリアできない(ボスがドレインしてきた結果ハマることもあるので回避できない)、パッシブスキルが効力発揮していないものがある、攻撃が当たらない敵がいる(コウモリにピストルの通常攻撃が当たらないことが多々ある)などなど。
 そもそもEA期間中のストーリーはAct1の途中まで、エンドコンテンツなし、レベル20カンスト、パッシブスキル2段目まで、などスカスカな実装状況の中、いきなり全部を実装して正式を開始したものだからそりゃこうなるよね、と。
 なんでこの仕様で1~2年EAしなかったのが理解不能。
 スキルのナーフとか訳の分からん修正はどうでもいいから、地形ハマりバグだけは早急に修正してくれ。
 まずはその修正「だけ」に全力投球して欲しい。
 クリア直前でボスに吸われてハマるパターンが多く、かなり腹が立つし、ストレス光速。

・一撃死する敵の攻撃
 まぁこれもお約束と言えばお約束だが、いい加減どうにかならんのか。
 一撃死したら難易度高いでしょ?とか思ってそうで頭悪い。

・囲まれると身動き取れなくなる糞
 せっかく回避があるのに脱出手段ないとか・・・。
 なぜ敵をすり抜けられるようにしないのか、これもストレス光速。

・ドロップアイテムのアイテム名がすぐに消える
 消えたらALTキーを押せば表示されるが、なぜ消すのか理解不能。
 もし消したいのであればオプションで設定させるべき。

・中途半端なアイテム比較
 例えば胴や脚など1箇所の装備であれば比較できるが、手や肩などの2か所あるものは片側しか比較されない。
 また、ドロップアイテムとの比較はできない(拾ってからインベントリの中で見るしかない)し、項目毎に数値がいくら上がる・下がるも表示されない。
 21世紀ですよ??

・ルート(アイテム)フィルタがない
 フィルタがないため、ドロップアイテムがコモンだろうとなんだろうと全て表示されてしまう。
 序盤はともかく、中盤以降はコモンとか本当に不要なので拾いもしないため、少なくともレアリティフィルタぐらいは実装して欲しい。

・スタッシュ、インベントリ共に小さ過ぎる
 ハクスラというジャンルのゲーム開発者は親兄弟を倉庫やらカバンに殺されたのか?と思わずにはいられない。

・キャラクターがオンライン、オフラインそれぞれで6キャラずつしか作成できない
 先述している職業の概念がなく、スキルやポイント振り直しも可能なので、これはこんなもんでもいいかもだが、レベルアップする程にリセットする費用が高騰するので、エンドコンテンツまでいくと暫くやってる余裕はないと思う。

・日本語ローカライズなし
 公式でもMODでもありません。
 (MODは対応してない?)
 元々、EA初期には有志の方が翻訳されていたそうですが、リリースするごとに差分がエグかったので諦めたそうです。
 今後、翻訳されるという情報もあります。

【最終章】
ということで、長文をダラダラ書いた訳ですが、最初にも書いた通り現状だと正直非常に微妙なのですが、遊んでまぁ楽しいかなということでオススメします。
もしバグ耐性がない、上記の問題点が我慢できない、という方は見送るかセールで安くなった時にでもどうぞ。
ちょっと思ったのは、ハクスラ好きなら内容がどうであれ買うだろうし、ハクスラ未経験な人なら無料のPoEからやればいいし、他にもGD、Dia3、トーチラ、毛色の違うとこではボダラン、The Division、Destiny 2など優秀なハクスラは山のようにあるので、これから始める方にはオススメし難いのがつらいところ。
少なくともPoE、GDに比べるとビルド構築要素が少ないので単純にビルド幅は狭いかと思います。
(装備の種類が少ないのはドロップ率の関係上、悪いことばかりじゃないですが・・・)
あと、フィルタがないとかアイテム比較が中途半端とか、後発のクセしてUIも全然イケてません。

だけど独自性はあるしグラも最上位でスタイリッシュに立ち回れるので、「値段は少し高いけど、もしよかったらどうぞ」ぐらいにはオススメです。
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2020/04/14追記
有志日本語翻訳者のMatougiさんが公式フォーラムにて日本語化ファイルを公開されています。訳に不具合がないかチェックをお願いされていますので、よかったらご協力お願いします。
現在、エンドコンテンツやストーリーの会話などが未実装部分みたいで、装備やスキルなどゲームを遊ぶために必要なものは完了してそうです。
https://wolcengame.com/forum/bugs-issues/localization/ja-japanese-translation-in-progress/
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