oh interesting
Kyoto, Kyoto, Japan
 
 
歸りにし 人を思ふと 烏玉の
其夜は我も 寐も寢かねてき
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前に「CLANNAD」に対して、一言レビュー書いたことあるんやけど(よく見る「あんたCLANNADを評価できる立場なん?」ってやつやな)、今考えたら、ある意味で自分が一番好きなギャルゲーに、もうちょっと真剣なレビュー書かなあかん気がするわ。

せやけど、実際のところ、ネタバレせんと「CLANNAD」を評価するんは、めっちゃ難しいんよなぁ。まぁ、しゃあないわな。CLANNADの一番の魅力って、やっぱり繊細で感動的なストーリーそのものやし。せやから、どう言うたらええんやろって悩んでまうし、このレビュー書くんもなかなか大変やねん。

あれこれ考えて、何回も書き直してんけど、この物語のまとめとして、うちはこう書くと思うわ。これは、今あんたの周りにいる、40歳近くなった大人たちが、本来持ってるはずやった愛と人生の物語。

「あんたの周りにいる年近40の大人たち」っていうのは、ほんまに適当に言うたわけやないんよ。この物語の出来事って、だいたい2003年から2004年頃の設定やし、そこから計算したら、10月30日生まれで当時18歳やった主人公も、今年で38か39歳くらいになってるんよなぁ。そんで、彼より10ヶ月くらい年上のヒロインの一人、古河渚も、もう40歳超えとるかもしれんわ。渚のママ、古河早苗さんも今や優しいおばあちゃんになっとるはずやし、古河汐も今年はもう成人しとるんよ。せやなぁ、「CLANNAD」って、ほぼ前の世代の愛の物語なんやねん。

「本来持ってるはずの愛と人生の物語」っていうのも、ほんまに適当に言うたわけやないんよ。愛と、幸せな人生っていうんは、勇気と幸運、そして誠実さが必要なんや。でも残念なことに、大半の人は、幸運に恵まれてる時に勇気を出せへんし、勇気がある時に誠実さを保たれへん、もしくは、誠実であっても十分な幸運には出会えへんのよなぁ。

「CLANNAD」の主人公の物語が、日本でも中国でも「人生の物語」って呼ばれてるんは、よく聞く話やけど、うちは正直そうは思わんのよね。岡崎朋也の物語って、むしろ「幸運な人の物語」やと思うんよ。この幸運な人は、冷たくて不器用な父親から逃げるように離れたけど、そばにはずっと優しくて親しい友達の春原陽平がおって、怪我でスポーツの夢を絶たれた失意から立ち直ろうとする中で、自分の目標に向かって努力し続ける坂上智代がおったんや。

不幸な過去と子ども時代の苦しみから立ち直ろうとした時、そこには過去の思い出に寄り添いながら待ってくれた一ノ瀬ことみがいて、将来への不安と空虚さを感じた時には、まるでおとぎ話の精霊みたいに走り回る伊吹風子の存在がおったんや。藤林椋の淡い恋心、藤林杏のまっすぐな想い、相楽美佐枝の優しさ、春原芽衣の純真、そして宮沢有紀寧の穏やかで包み込むような風景――どれもほんまに珍しくて、宝石みたいな大切な出会いやったんよ。

でも、その宝石みたいな出会いの裏には、ひとりひとりが、強くて優しくて、勇敢で誠実な心を持っていたんやと思うんよなぁ。

その中でも、たぶん一番幸運やったんは、古河渚から「本当の家族」を手に入れたことやと思うんよなぁ。朋也は渚との関係と経験を通して、人との繋がりを取り戻して、他人の心を理解し、誰かを支えながら、自分自身の強さも取り戻していったんや。幸村俊夫先生の静かで深い見守りを知って、父親の自分と家族への深い愛情を理解して、そして、自分が守りたいと思える、かけがえのない存在を手に入れたんよなぁ。

こんな経験や、この旅の終わりに手にした宝物って、ほんまに誰もが手にできるもんちゃうんよ。せやからこそ、前に言うた「その世代の人たちが本来持ってるはずの愛と人生」って言葉に繋がるんや。もし、彼らが十分に勇気があって、十分に幸運で、そして十分に誠実であったなら、きっと彼らも、あんたたちも、本来ならこんな温かくて、真っ直ぐで、心から大切にできる人生を歩めたはず。

せやけど、こう考えたら、逆に「CLANNADは人生の物語」って言われるんも、なんや納得できる気がしてきたわ。だってな、人と繋がって、信頼し合って、助け合って、大切な家族や愛する人のために頑張って働いて、わだかまりのあった親ともう一度分かり合って、愛する人と一緒に四季を重ねていく――これが人生やなかったら、いったい何が人生なんやろうね?

せやからなぁ……せやからやねん……

「これから先、何が待っていようとも私と出会えたこと後悔しないで下さい。」
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