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55.4 hrs on record (47.3 hrs at review time)
メトロイド、悪魔城ドラキュラが好きだった人は絶対にやるべき。Metrovaniaが今はどこまで進化しているかを見ることができる。一見ネタゲ(コンセプト先行で中身に乏しい)に見えるが、中身は本格的なアクションゲーム。Metrovaniaの最高傑作。ゲームの魅力が伝わらないTrailerでほんと損をしている。

まずアクションの爽快感が素晴らしい。打撃コンボで敵をスタン(つかみ可能状態)させ、4種類の投げを状況に応じて決めていく。投げられた敵に当たった敵もダウンするため(投げによっては周辺の敵全部がダウンする)、大群に囲まれても投げ一つで(うまくやれば)無双できる。それがめちゃめちゃ気持ちいい。ポイントはうまくやらないと無双できないところで、近年の誰でも簡単操作で大活躍できるというゲームと異なり、プレイヤーはうまくなっていけばいくほど爽快感溢れるプレイができるようになっていく。そのことが爽快感をさらに大きなものにしている。

またMetrovaniaには欠かせないアンロックされていく追加の動き(2段ジャンプなど)、このゲームではSpecial Moveと呼ばれるが、そのSpecial Moveが全て戦闘において役立つものになっている。Metrovaniaでは行動範囲を徐々に広げていかせるためだけに使われることもある仕様だが(それでは擬似的なplatformerでしかない)、unlockされる度に戦闘での選択肢が増えていくことは、思った以上にゲームに熱中させる効果があった。

そして何より素晴らしいのが、レベルデザイン。ゲームが進むにつれて、プレイヤーは少しずつ難しいアクション操作(戦闘も含む)に挑戦させられる。時には「こんなのできるか!」と思ってしまうかもしれない。だが何度かやってるうちに必ず突破できる。というのも、このゲームではそこまでシビアなタイミング操作が要求されることはないからだ。難しいと言われるアクションゲームではフレーム単位での操作が要求されることがある。そうしたことはGuacameleeでは一切ない。要求されるアクションは全て入力にちょっと余裕がある。なのである程度の精度で操作ができればNormal、Hardともに100%クリア、やり込み要素のinferno challengeで全て金メダルを取ることができる。そういうよく練られたレベルデザインになっている。このため、自分には無理と思えたことがちょっと練習しているうちにすいすいクリアできるようになっていく。それはゲームの根源的な楽しさだろう。

またネットの攻略情報などのSpoiler全盛のこの時代に、大勢のプレイヤーが隠し要素を自力で発見できるように作っているところも素晴らしいところだ。前時代のゲームのようにメモなんてしなくても、マップに未到達なエリアがわかるように表示されるため、Special Moveが充実してからその場所を改めて探索しなおすということが簡単にできる。そしてちゃんと探索すれば、どういう行動が必要なのかわかる形になっている。作り手の立場としてそうした箇所はやろうと思えばパズル的にいくらでも難しくすることはできる。ただそれだとひらめかなかったり、プレイヤーの盲点になったりして解かれないケースが頻出する。Guacameleeではそうしたことがほとんど起こらないように、これまでやってきた延長で全ての疑問箇所が解ける形に仕上げている。そのためプレイヤーは純粋にゲームをプレイすることだけに集中できるようになっている(とはいうものの、100%クリアをするためには、1つか2つは見つからない宝箱がでてくるかもしれない。だがクリアとAltEndを見ることは十分にできる)。

ストーリーもよくできている。ただし現状、日本語ではプレイできない。しかもスペイン語がところどころで混じっており、全部を完璧に理解するのは困難だ。だが、クリア後のスタッフロールのイラスト集の2つのエンディングの違いはじっくり見るようにして欲しい。そうすれば、難しいAltEndをクリアしたときの充実感は一層大きなものになる。

とこんにもよく出来た、そして何より面白いゲームなのに、フレの人たちでやってる人が少ないのが残念だ。みなさんも2Dアクション音痴でなければ、ぜひやってみて欲しい。
Posted 5 March, 2014.
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32.3 hrs on record (31.0 hrs at review time)
過去三作の中で、アクション、ストーリーともに最高の出来。特にストーリーを評価したい。バットマンはDCコミックを10冊ちょっと持っているくらいのファンだが、ゲームのArkhamシリーズでストーリーが面白いと思ったのは初めてだった。ちなみにいかにもハリウッド映画している映画版についてはお察し。

これはBruce Wayneの成長物語だ。

そしてBruceと出会ったことで運命が変わった(生きることの意味が生じた)男の話でもある。――Arkhamシリーズはずっとその2人の話だ。

ゴードンをはじめとする警察との協力関係が築けていない(築こうともしていない)、デビュー間もない頃のバットマンがこの作品の主人公だ。執事のアルフレッド以外の助力を信じず、そのことをアルフレッドにもいつもたしなめられている。アルフレッドに対しても協力を求めようと積極的に働きかけたりなどはしておらず、アルフレッド個人のウェイン家への忠誠心に甘えているだけのブルース。

Arkham Originsではそのブルースが、さまざまな事件に立ち向かう中で、他の人に頼り、頼られるという信頼関係を築いていくようになる姿が描かれている。またその過程で、とある人物の運命を変えてしまうほどの影響を与えてしまい、そのせいでその人物はより大量の人間を殺すようになる。後者は原作でもよく描かれるテーマ(バットマンがいるからヴィランはより残虐になり、より多くの人を殺すという理論)ではあるけれど、Originsではムービー主体のゲームということを活かして見事に表現している。

Originsはメインのストーリーにこそ価値があるゲームで、それ以上のことはメインストーリーをクリアした後で、余韻に浸るためにやるものだ。だからGOTY版などを待ったりする必要はない。あなたが良質なアクションゲームをしたい(別にバットマンでなくてもいい)という理由でOriginsをプレイするなら別だが、バットマンが好きだからという理由ならメインストーリーだけやれば十分だ。それだけで十分に満足できる。あとはメインストーリーが終わったことの余韻に浸りながら、残ったサイドミッションをクリアしたり、ダークナイトチャレンジやエニグマのアイテム収集をやればいい。

ちなみにメインストーリーだけ追えばクリアまで15時間くらい。エニグマ以外のクリアまでは20~25時間くらい。エニグマは今30時間ほどプレイしてるが、まだ終わりが見えない。

純粋なアクションゲームとしては、ACよりずっとよく出来ている。基本、同じことの繰り返しになって中終盤ダレるのがアクションゲームが陥りがちな欠点で、AOにもその傾向は確かにある。だが、発生する戦闘に毎回バリエーションを持たせることで、そのときそのときに要求される動きがまるで違ったものになっている。そうやってダレの発生を最小限にとどめようと工夫している。

問題解決アクションとしては、開発者が求める解法がほぼ1つに制限されており、それ以外のこと(仕様内で可能な別解法。求められることはクリアできている)をやっても対象物がうまく反応しなかったりするなどの自由度のなさにイライラさせられる。それはゲームそのものにしてもそうで、自由度が高いように見えるだけで、実際はほぼ一本道だ。むしろ変に自由度の高さを出すのではなく、一本道にしてその分クオリティを高めたほうが良かったとは思う。これだけストーリーが優れたゲームだけにね。

他にも、初期のバットマンを描くなら登場して当然の人物が出てきていなかったり(彼はゴードン並に重要だと思うが)、街にいるのがほぼ犯罪者だけで、一般市民がまるで登場しなかったり(正義の味方というイメージが浸透する前なので、一般市民にとっては犯罪者と変わらないだろう。そのやり取りが見たかった)などと、Originsを謳うには物足りない部分もある。でも、ブルースのバットマンとしての成長、そしてバットマンによって運命を変えられる人物との出会い、その2つを描ききっているだけでも、このArkham Originsを勧めるには十分な理由になる。

特にバットマンに興味があって、ストーリーを知りたい人にこそオススメ。一つ一つのイベントはバットマンの事実とは異なるものも多いが、DCコミックスでバットマンに起こったことのエッセンスをうまく抽出し、ゲーム内で表現している。
Posted 18 February, 2014.
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30.6 hrs on record (27.6 hrs at review time)
これがほんとのRole Playing Game。作り込まれた1940年代のアメリカの架空の都市、Empire Bayを舞台にプレイヤーはVitoとなってマフィア(Mafia2)の世界に入っていく。プレイヤーにRoleを強く体感させるためのオープンワールドの利用の仕方、そしてストーリー、ともに秀逸。以下に理由を記す。

これまでオープンワールドと呼ばれるゲームに熱中できたことはなかった。スクリプトに沿って動くNPCを相手に対していろいろアクションできると言っても、面白いのはせいぜい最初の数時間だけですぐに飽きてしまう。だがこのゲームは違った。

オープンワールドの体裁は、ただプレイヤーにEmpire Bayを感じてもらうために存在している。そのため、架空の世界で好き勝手やって遊びたい人にはこのゲームは合わない。プレイヤーがやることを切り出せば、JRPGでよくある「クエスト(ミッション)クリア→次のクエストへ切り替わる」と同じだ。JRPGでは場合によってはクエスト完了時、次のクエストのために新マップに切り替わるということが起こることからもわかるように、プレイヤーは世界に対して連続性を感じることができない。マップが切り替わらないゲームでも本質的には同じことで、マップやNPCはプレイヤーにとってクエスト処理やストーリーを感じさせるための舞台装置でしかない。しかしMafia2は違う。

JRPGには帰還アイテムが存在する。クエスト目的を達成した後に使うことでプレイヤーに無駄な手間を掛けさせないようにする工夫だ。それがなく歩いて帰るような場合でも、エンカウントする敵のためにリソースが残っているかどうかという緊張感がゲーム性になっている。しかしMafia2の場合は、ミッション目的を達成した後で、報告に帰る場合、その帰りの道中で死ぬことは(安全運転している限り)まずない。だがプレイヤーはその報告に帰るために街の中を制限速度や信号を守りながら車で走って帰らなければならない。もちろん人を轢いたりしないように気を付けて。プレイヤーはそこでVitoとしてその世界で生きていることを強烈に意識する。ゲーム的に不利になるからとその世界の規則を破らないのではなくて(Ultimaなどで衛兵を殺さないのは殺すとゲーム的に不利になるからという理由がほとんどだろう)、その世界に住む住人としてマフィアとしての仕事以外の部分でもめ事を起こすのは、その世界に住む住人として不利だからだ。その状態になった瞬間、Empire Bayはあなたが生活している都市になる。

ストーリーでは、序盤に次のようなことが起こる。家族が期日の迫った多額の借金を抱えていて、それを返さないといけない。港湾労働者として働こうとするも、とてもその賃金では借金は返済できないということをプレイヤーは体験する。そこでVitoは否応なくマフィアの世界に入っていくことになる。そしてファミリーのために(背後の事情はよくわからないまま)仕事をし、人を殺していく。以前に従軍していたときは、国のために(背後の事情はよくわからないまま)仕事をし、人を殺していた。全ては求められたからやっていたことで、そこにはVito個人の意志はなかった。しかし物語の終盤、同じく求められるから人を殺すことになるが、そこでVitoははじめて自らの意志を見せる。これまで自分の知らない枠組みの中でずっと人を殺してきたが、その枠組みを打開するために人を殺す。枠組みを打開するために人を殺す、しかしその後でVitoが直面することになったのはさらに大きな…………というところで物語は終わる。

これは悲劇だ。そしてその悲劇は誰の上にも起こる可能性があるものだ。それを描ききったMafia2の制作者に拍手を送りたい。
Posted 23 January, 2014.
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3.9 hrs on record
The 雰囲気ゲー。制作者が作り込んだ世界を楽しむゲーム。

アクション要素はあまり大きくない。スタイリッシュアクションとは対極に位置する。だが、それでこのゲームが面白くないということにはならない。なぜならイベントごとに要求されるアクションに以前と同じことを要求されるというケースがあまりなく、イベントごとに新しいミニアクションゲームを要求されるという形で進行するからだ。同じく雰囲気ゲーであるAlice Madness Returnsは進行に応じてアイテムが増えることでできることは増えていくものの、突き詰めて言えばタイミングを図ってボタンを押すことだけにゲーム性があり、それをずっと繰り返すことが要求される。私は途中で嫌になり投げてしまった。そうした世界は作り込んでいるものの、アクションが単調な繰り返し(難易度はリニアにあがっていくのが制作者のいうゲーム性なのだろう)な雰囲気ゲーが多い中、Brothersではアクション性は低いものの、毎回新しい試み(しかもそれはゲームの世界観によく合っている)が要求されるという形になっており、最後まで楽しめた。特に中盤以降から展開されるイベントごとのミニアクションゲームは、やらされている感じもなく、ゲームの世界に引き込まれて楽しくプレイできた。

パズル要素は若干あるものの、その場で自力で考えて答えがわかるものばかり。旧来のポイント&クリックゲームのようにイベントが発生する場所にキャラクターを動かさなければイベントが発動しないという形になっているのだが、どこにいけばわからなくなった(ポイント&クリックゲームでは、特定の場所をクリックしないと進行しないのに、そこをクリックすることがプレイヤーの盲点になって気が付かない、ということがたまに起こる)ということは一度もなかった。一つだけちょっと詰まったところは、グライダーに乗るシーンで途中に見える浮き小島が着地点だと思い込んでしまい、そこに何度着地してもゲームオーバーになってしまうところだ。もし、あなたが私と同じくここで詰まったのであれば、グライダーの目標地点はその浮き小島のさらに先にあるということを話しておく。このように1箇所、プレイヤーの思い込みで盲点となった場面はあったが、イベント発生ポイントを光らせたりすることで誘導するのではなく、かといって全部の移動可能ポイントに移動して総当たりでイベント発生確認するのでもなく、プレイヤーにそこにいけばイベントが発生するんじゃないか?という勘を上手く働かせるようにオブジェクトをよく考えて配置していることに感心した。これこそが優れたゲーム性というものだ。

ストーリーは正直陳腐だ。人里の外れに住んでいるおどおどしたせむしの巨人など、いい題材になるキャラクターは大勢いるものの、ストーリーテリングは巷で量産されている感動させるストーリーから一歩も外に出るものではない。Braidのようなストーリー、The Pathのような内省体験を期待してプレイすると失望する。だが、それがどうしたというのだ。この作り込まれた世界観で、あなたが何かを感じればいい。ラストの陳腐さにたどりつくまでに、あなたはすでに何かを手にしているはずだ。
Posted 30 December, 2013.
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2.0 hrs on record (0.6 hrs at review time)
メタスコアに騙された。ローグライクってリソース管理とリスクをどう取っていくかの踏み込み具合の2つが楽しいゲームだけれど、2Dアクションのローグライクはリソース管理要素には乏しくなる。リスク管理を楽しむのであれば、アクション性が高いものでなければ強敵や難所にいどんでハイリターンを目指すことの快感は小さくなる。Spelunkyは元ネタのゲームほどシビアなバランス調整がされているわけでもなく(その方向性のローグライクならそれはそれで面白かっただろう)、Rogue Legacyほどのアクション性があるわけでもない。2Dアクションだからこそ一瞬で判断して危機を切り抜けるような状況が発生して欲しかった。ところでオレ自身のゲームの好みを言うと、ローグライクは好きだけど2Dアクションローグライクにはあまり熱中できない。ランダム生成されるマップで腕を磨き自身の行動を最適化していくならPath of ExileのDescentレースの方がよっぽど面白く感じる。あれこそランダム生成される状況の中、一瞬の判断で自分にとって何がベストか見つけなければいけないゲームだからだ。2Dアクションローグライクが好きな人にしか見つけることができない面白さがSpelunkyにあるのかもしれない。でもオレが友人に2Dアクションローグライクを勧めるなら、SpelunkyじゃなくてRogue Legacyを勧める。それくらい両者の面白さに差を感じた。
Posted 27 December, 2013.
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15.2 hrs on record (7.7 hrs at review time)
アスファルトの道路を車で進み、道が土の小道に切り替わるところで、女の子は車から降ろされる。「おばあちゃんに届け物をしなさい。小道から離れてはいけませんよ」。振り返れば舗装された道路の先には高層ビル群が立ち並ぶ都市が見える。やってきた場所だ。向き直ると未舗装の土の小道はずっとまっすぐに続いている。左右には森がどこまでも広がっている。The Pathの物語はここから始まる。

このゲームを初めてするときは、言いつけ通り寄り道せず、まっすぐおばあちゃんの家に向かってて欲しい。おばあちゃんの家の中真っ暗で先に何がいるかわからなくて怖い。やっとの思いで寝室にたどり着くとベットで横になっているおばあちゃんがいる。おばあちゃんの隣に潜り込んだとき、唐突にゲームは終わる。そして「失敗」だったと結果が表示される。

その後のプレイでは小道を離れて存分に森の中を探索するといい。森の中ではさまざまなモノを見つけるだろう。そのモノは姉妹達に何かを考えさせ、思い出させるかもしれない。飽きたら引き返して(引き返せるのなら)おばあちゃんの家に向かってもいいし、ひょっとすると狼に出会うかもしれない。

あなたは姉妹が感じたこと、考えたことをそのまま体験する。寓意による寓話という体験を。全てのものに寓意が込められており、それらの寓意のみで構築された寓話、それがThe Pathだ。込められた寓意をあなた自身が読み解いていくこと、そうすることで姉妹達の体験はあなたの本当の体験になっていくだろう。
Posted 8 January, 2013.
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33.5 hrs on record (15.8 hrs at review time)
留守電にメッセージが吹き込まれている。ベビーシッターの依頼やカウンセリングの予約確認など、それ単体ではなんてことのないメッセージだ。メッセージに指定された場所に行くと、ロシアンマフィアを全員殺すことになる(そうしないとゲームが進行しないから)。そして建物の奥まで行って全員殺した後は、自分が殺した死体の山を眺めながら帰途に就く(そうしないとゲームが進行しないから)。主人公も敵も簡単に死ぬ。だからその建物がクリアできるまで何度も試行錯誤しながら自分なりのパターンを作っていく間に、膨大な数のロシアンマフィアを殺していることになる(そうしないとゲームが進行しないから)。

主人公はゲーム中、とある人物にこんなことを聞かれる。「お前(You)は何故そんなに人を傷つけたがるのか?」

他にも「お前はこの瞬間どこにいるのか?」「どうしてわれわれはこの会話をしているんだ?」など。

主人公は麻薬中毒で、現実(リアル)と妄想(フィクション)の境界が溶けてきている。そして境界が溶けてきているのは主人公だけではない。登場人物が「You」と語りかけてきているとき、その「You」は主人公のことなのか、それとも……? あなたはゲームを進めるうちにわからなくなってくるだろう。
Posted 7 January, 2013.
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33.0 hrs on record
大人のためのゲーム。このゲームにはそんな形容詞がよく似合う。

物語は曲線的で、登場人物もさまざまな背景と動機を抱えている。それらの背景と動機が織りなす綾が物語を一層曲線的にしている。複雑にしているということじゃない。また難解さをほめているのでもない。一人一人の登場人物の持つ渇望、そしてその裏返しにある空虚さ――それらはある程度歳を重ねた人であればどこかで感じ、あるいは持ち、そして失っているかもしれない――をどうしても自分に引きつけて考えてしまう。Max Payne3はそんな登場人物たちの物語だ。ゲームのレベルでは考えられないくらいによくできた脚本と、立ち位置からカメラの構図や流れまで磨きぬかれた演出と、アクター(といっていい、彼らは)の表情と演技がそれを可能にしている。

だからまっすぐでわかりやすい物語を求めている人にはまるで向かない。またゲームのことを与えられた状況に対して適切な入力を行っていくものだと思っている人にも正直このゲームは勧めたくない。勿体なくて。

そうでなくて、物語を自分の物語として感じることができる人、そんな人にこそこのゲームをやって欲しい。そのためにブラジルで銃撃戦をした経験があるかどうかなんてもちろん関係ない。
Posted 5 January, 2013.
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74.1 hrs on record (72.3 hrs at review time)
なんて面白いゲームなんだろう。攻略する喜びでこのゲームは満ちあふれている。攻略サイトどころかプレイ動画まで簡単に手に入る現代という時代、この時代でもゲームの精神は生きていた。いや、これまでもこれほどのゲームはなかっただろう。

――ゲームになれてきて見つけた勝てる・強いやり方、そのやり方があっさりくつがえされ、また新たなやり方を見つけ出さなければならない。しかもその新しいやり方が必要になる瞬間までは、古いやり方でやってこないと到底そこまでたどり着けない。ああ、こんなことを書いてる時間さえ惜しい。
Posted 7 December, 2012.
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38.9 hrs on record
最高のゲーム。一切の前情報をなしにプレイして欲しい。特にストーリーについて。そしてマリオのような横スクロールアクションをしながら、言葉でなく横スクロールアクションで展開されるストーリーに気付いて欲しい。このゲームではストーリーを一から十までわかるようには説明してはない。ひょっとすると、あなたはそのストーリーが目の前で展開されていることに気が付きもしないかもしれない。でも実績のクリアを目指して何度かプレイするうちに、あなたはきっとBraid(三つ編み)に編み込まれたストーリーを突然悟るはずだ。

――物語というものは、人から聞かされるものではない。自分で感じとり、つかみ取るものだ。
Posted 24 January, 2012.
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