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Posted: 22 Sep, 2023 @ 9:09pm
Updated: 22 Sep, 2023 @ 9:59pm

ドラゴンズドグマ(以下DD)は、ドラゴンと因縁を持った覚者(プレイヤー)が剣と魔法の中世ファンタジー風な世界でポーンと呼ばれる仲間とともに冒険するお話です。ジャンルはトレハンハクスラ育成要素ありのアクションRPGで一応オープンワールド。

 アクション面ではまず剣や弓を使ったアクション・各スキルが軽快かつ直感的で操作していて楽しい。魔法についても通常の魔法戦闘のほか、敵の群れに気づかれる前に遠くから長い詠唱の大魔法を撃ちこんで一掃するような戦術的な運用もできて爽快感があります。ヴォルテクスレイジ大好き。
 また並のアクションゲーでは省略されがちなリアルな細部動作(例えば矢を弓につがえる動作や呪文詠唱モーションなど)がしっかりありながらも、それが邪魔に感じないくらい自然でストレスがない。アクションゲーとして非常に高い水準に感じました。

 そして本作の最大の特徴はなんといってもポーンシステムだと思います。
 ポーンという自律して動く仲間NPCの見た目をプレイヤーがクリエイトするだけでなく、一緒に冒険して様々なことを学習させると性格や戦闘スタイルも変化し個性を持っていく。そしてその成長した自分のポーンを他のプレイヤーと貸し借りすると、ポーンが知識やリム(強化等に使うポイントのようなもの)を持ち帰りさらなる育成ができるというシステムです。
 私は個人的にNPC育成ゲーが大好きなのでとても楽しめました。旅をする中で、ちょっとポンコツだけど時に頼りになるポーンにはきっと愛着が湧いてくるはず。そういうのが好きな人には特におすすめです。



【よかったところ】
・ポーンシステム全般
・プレイヤー間のポーン貸し借りによるゆるいマルチ
・爽快な戦闘アクション
・しがみつきなどの多彩なアクション
・肉質や部位破壊等モンハンみたいな戦闘システム
・ワープするポイントを自分で設定できる


【好みが分かれそうなところ】
・最序盤にややめんどうな護衛クエストがある
・序盤はスタミナ切れしやすい
・「不安だらけの毎日さ」
・職によって成長するステータスが異なる
・キャラの体型によってステータスが変わる
・エンドコンテンツ部分が陰鬱でちょっとグロい。あと虫
・結末


【残念なところ】
・所持重量がかなりきつい
・戦闘中一部のアイテム使用や装備変更の際に没入感がそがれる
・発売後時間が経っているのであまりポーンが借りられない
・ポーンロストと評価システム



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以下では上記各項目の詳細を補足します。

【よかったところ詳細】
●ポーンシステム全般
●プレイヤー間のポーン貸し借りによるゆるいマルチ
 ポーンについては冒頭に書いたとおりで、一緒に旅をする中でここまでNPCに愛着が湧いてくるポーンシステムは他にない唯一無二のすばらしいものだと感じました。またプレイヤー同士のガチガチなマルチプレイではなく、異世界(他プレイヤー)へポーンを貸し出すだけというゆるいマルチシステムも気軽で良い。


●爽快な戦闘アクション
●しがみつきなどの多彩なアクション
●肉質や部位破壊等モンハンみたいな戦闘システム
 アクション面ではさすがカプコンといった感じの爽快さです。使っていて気持ちいいスキルが多いだけでなく、巨人の体をよじ登って高い位置にある弱点を攻撃したり、尻尾にしがみついて切断といったこともできます。
 そう、DDにはモンハンのように肉質や部位破壊のような概念があるのです。ついでに大剣の溜め3や震怒竜怨斬があったり太刀の見切り斬りみたいなモーションがあったり(見切りは実装時期的にDDのほうが先)もします。ドラゴンと戦いながら部位破壊しているとこれモンハンやんけと感じることもしばしば。いうなればDDはトレハンと成長要素のあるモンハンみたいなものなので、モンハンシリーズ好きならきっと楽しめるはず。


●ワープするポイントを自分で設定できる
 ストーリー中でいくつか手に入る特定のアイテムをマップの任意の場所に設置すると、そこへノーコストで自由にワープできるようになります。設置場所はプレイヤーが決められる&あとから変更も可能なので、プレイヤーの知識と工夫次第で移動が楽になるという仕組みがなかなか面白かったです。




【好みが分かれそうなところ】
●最序盤にややめんどうな護衛クエストがある
 今時の飽きっぽい人はたぶんここで投げるんじゃないでしょうか。個人的にはこういうのも悪くないと思いますが、好みが分かれそうなところです。移動が遅くてだるいと感じたら牛を蹴ろう。


●序盤はスタミナ切れしやすい
 走ったりスキルを使うのにスタミナを消費します。レベルが低いうちはスタミナ上限が低いのですぐ息切れしがち。一応レベルが上がっていくと最終的にはほぼほぼずっと走り続けられるようになるのですが、はじめたばかりの人ほどスタミナのきつさを感じると思います。


●「不安だらけの毎日さ」
 「不安だらけの毎日さ」というのは多くのNPCが口にするセリフです。NPCは大量にいるものの、半分くらいは「不安だらけの毎日さ」「厳しいご時世だよな」のようなテンプレ台詞しか言いません。個人的にはここまで突き抜けるならミームになって面白いので逆にアリだと思いましたが、気になる人も多いとも思います。厳しいご時世だよな。


●職によって成長するステータスが異なる
●キャラの体型によってステータスが変わる
 レベルアップ時のクラス(職)によって覚者・ポーンのステータス成長量が変わります。物理特化魔法特化などステータス構成にこだわりたい完璧主義者は不便を感じるはず。あとキャラの体型によって所持重量やリーチなどが変動します。


●エンドコンテンツ部分が陰鬱でちょっとグロい。あと虫
 黒呪島というエンドコンテンツエリアでは本編とは異なるゲーム性になります。トレハンハクスラ要素が強化されなかなか楽しい場所ではあるものの、暗い血まみれのダンジョンを探索し、おそろしい強敵たちに襲われるというホラーゲーっぽい文脈になるのでそういうのが苦手な人は注意です。
 そして不快生物の存在。本編ではクモヘビネズミくらいしか出ませんが、黒呪島では気持ち悪い巨大人食いウジ虫が出ます。これが物陰から飛び出してきたり天井から降ってきたり宝箱明けようとしたら裏から飛び出してきたり・・・。私はこういうの大の苦手なので曲がり角の先に大魔法を撃ちながら半泣きで進まざるをえませんでした。慣れるまでつらいので苦手な人は覚悟しておこう。なおGは出ません。




【残念なところ】
●所持重量がかなりきつい
 相当きついです。
 小柄で非力なロリ覚者なんて作ろうものならかなり苦労します。
 たとえば子ども体型の覚者の場合、所持可能重量40kgに対し装備の重量が10~20kg+消耗品等10kg程度でまず半分以上鞄が埋まってしまう。そしてモンスターからのドロップアイテムも終盤になると1つ2kgとかざらにあるのでちょっと拾ったらすぐに所持上限になります。これらのドロップをちまちまポーンに渡して持ってもらう作業が非常に手間でした。
 さらに所持上限になる前にも重量でかなり動きが遅くなるので、重量上げのようなアビリティをつけないとやってられません。重量まわりはもうちょっと緩和してもいいのではと思いました。きつかったらモッdごにょごにょ。


●戦闘中一部のアイテム使用や装備変更の際に没入感がそがれる
 回復アイテムのようなよく使うものはショートカット登録で即座に使用できますが、バフアイテムなどショートカット登録できないアイテム使用時はいちいちウインドウを開かねばならず、没入感そがれるのがちょっと気になりました。状況に合わせて武器を持ち変える際も同様。


●発売後時間が経っているのでポーンがあまり借りられない
 10年以上前のゲームなので仕方ないですが、DDの肝ともいえるポーン貸し借りがあまり活発ではありません。私の場合プレイ開始後最初の2週間でポーンを借りてもらえたのは2回だけでした。装備を整えポーンランキングに載るくらいまで色々やったら週に10回近く借りられるようになりましたが、普通にプレイしてるとあまり借りられないはず。そのため後発プレイヤーはリム不足に陥りがちです。
 幸いSteamにはファミリーアカウントのシステムがあるので、DDをプレイしてくれる『家族』を用意できればゲームを2つ買わなくても1つを共有してプレイし、お互いにポーンを貸し借りしてリムを工面できます。リム不足で困ったらそういう『家族』に借りてもらうのも手。借りてくれるフレンドでもいればそれが一番なんですけどね・・・・・・。


●ポーンロストと評価システム
 ポーンのHPが0になって一定時間経つ、または奈落や水の中に落ちる・特定モンスターのロスト技をくらう等すると一時的にポーンがロストします(耐性による回避不可能)。ロストするだけならまあいいのですが、そのまま情報更新してしまうとなんとそのポーンに意図せず低評価がついたまま貸主の元へ返却されてしまうのです。なんでこんな仕様にした・・・・・・。
 評価を気にしなければどうということはないし、一応情報更新前に高評価で送り直せば回避できるのですが、個人的には大変気になりました。ていうか自分のポーンも8割くらいがこの状態で帰ってきます。次回作では絶対に改善しておいてほしいところです。
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