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Posted: 27 Jul, 2020 @ 1:55pm
Updated: 27 Jul, 2020 @ 2:26pm

配信直後の時点で全実績(21種類)解除までプレイ。

概要
実験施設から逃げ出したクリーチャーを操作して人間を捕食しながら進むアクションパズルゲームです。
最大の特徴は、触手系パニックホラーそのもののシチュエーションを作り出せる点。
ダクトから触手を伸ばして人間を引き込む、掴んだ人間を天井や壁へめちゃくちゃに叩きつけてバラす、乗り物の装甲を一枚ずつ剥がしていくなど、「その手」の映像作品やゲームで見かけるシーンを自らの手で再現できます。

ゲーム進行
ゲームの基本的な流れは、マップ上に存在する敵(人間もしくはドローン)を倒しながら進行ルートを確保し、マップの各所に配置された強化アイテムを回収して自己強化を行うというもの。移動は壁などへ縦横無尽に触手を伸ばして進むため、ジャンプなどの操作が必要なく、非常に快適です。

主人公は第3段階まで進化し、それぞれの進化段階で使える能力も変化していきますが、段階によって能力の特性が異なるため、あえて進化の段階を落とさないとギミックが解除できない箇所も存在します。

また、マップ上に点在するひび割れた壁がセーブポイントになっており、壁にインタラクトすることでセーブポイントが生成されるほか、地形が崩壊して新たなルートが開通することもあります。

戦闘
主人公が敵に発見されると戦闘状態になります。全編通して主人公の体力は低く、ステータスを攻撃力に全振りしたような性能なので、はじめのうちは敵の死角から触手を伸ばして、一人ずつ捕食していくのが堅実です。もちろん、高い攻撃力を活かしてひとまとめに鎧袖一触するのもアリでしょう。

敵の武装はハンドガンのほか触手を防ぐシールドや火炎放射器、ドローンなどいくつかの種類がありますが、いずれも強力なので、基本的に複数の敵と正面から戦うことはおすすめできません。

なお、視線の通らない場所に一定時間隠れることで戦闘状態は解除されます。

ストーリー
主人公の目的やストーリーにあたるものは言葉で語られることがほとんどありません。起きた事象を目の当たりにしたプレイヤーの解釈に委ねるスタイルです。

留意点
広大な2Dマップを移動して進行するゲームではありますが、殺人触手クリーチャーが主人公ということもあってか、マップの記録・参照機能がありません。ゲーム進行の過程で複数のマップを行き来することになりますが、マップの構造を全く憶えていないと普通に迷子になりますのでご注意ください。

ゴア表現については、人間の上半身と下半身が泣き別れする、内側から破裂するなどあるにはありますが、別にその都度ズームされて克明に描写されるわけでもないので、人が死ぬタイプの2Dゲームとしてはマイルドな方でしょう。このゲームに興味を持つ趣味の方にはまったく問題にならないかと思います。

総評
多くの場合、人間目線で対峙することの多い触手型モンスターですが、そのモンスター自身になりきれる切り口は目新しく、また映像作品やゲームで見た「あのシーン」をプレイングの基本行動に落とし込んだ設計は見事です。例を挙げれば「ドア一枚隔てた先にクリーチャーがみっちり敷き詰まってる」なんて場面も自然に発生します。

成長し、巨大な力を得ていく一方で、無茶をすれば思った以上にあっけなくやられてしまう点でゲームとしてのバランスもよく、全体のボリュームに対する価格もまあ発売直後のインディーゲーとしては適正に感じられました。

コンセプトに惹かれた方には自信をもっておすすめできるタイトルです。
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