極力ネタバレ無しのレビューです。

○同社のドラゴンスレイヤー(ザナドゥ)や軌跡シリーズを知らない人
×上記シリーズの続編を求めている人

○中二病がいける人
×中二病が苦手な人

○小さくまとまった世界できっちりと完結するストーリーを読みたい人
×重厚な世界設定で壮大なストーリーを求めている人

レビューはサムズアップなのですが最大の不満点から書きます。
本作のタイトルおよびキービジュアルは同社の既存シリーズであるドラゴンスレイヤー(ザナドゥ)、軌跡の続編と誤認されるものです。

両シリーズとの繋がりは申し訳程度しかなく、東京ザナドゥ世界では本やゲームとして扱われているくらいです。それらが劇中から見てフィクションなのか否かは明言されていません。
ザナドゥという名前も限られた者だけが認識できる世界の裏側『異界』を便宜上そう呼んでいるだけです。また、ゲームシステムもどちらとも異なります。

関係ないものに続編の名前を付けて売る行為は、元作品が好きな人ほど深い傷を追う不義理な行為だと思います。当然のしっぺ返しとしてインターネット上では低評価レビューが散見されます。

ではなぜおすすめレビューを書く気になったのか。
私がプレイしたのは発売から4年後、ザナドゥと関係が無いことはプレイ前から知っており内容にはまったく期待していませんでした。
どんな話なのかを一応自分の手で確かめたいので始めたのですがまったく予想外の方向で好みだったのです。それはもうプレイ開始前からマイナス点だった総合評価をひっくり返すくらいに。
ただし続編詐欺を許した訳ではないことは大事なことなのでここにもう一度書いておきます。

公式ホームページを見る限り、他社の作品ですが同じく学園が舞台のペルソナ3、4と同じ設定が多数見られるのでそれ以上のものは出てこないと思っていました。

しかしそれは氷山の一角に過ぎません。蓋を開けてみると古今東西、色とりどりの中二病が次々と登場します。キャラクターが自分の口から「厨二病」「ラノベ」とメタ発言をしちゃうのもそういう中二病。やりすぎ。混ぜすぎ。お前もかよ！の連続。中二病全部のせ丼です。最高に尖っています。
全部のせと表現しましたが硬派なラノベというべきか、零の軌跡や風の伝説ザナドゥのような下品な性的描写はありません。衣装を好き勝手に変更することは出来ます。

ストーリーは一本道ですがプレイヤーの行動に対して会話が細かく変化するので、自分の手で進める感触が得られます。全体的に青く熱く、意外な方向に転がり、終盤は加速し盛り上がってからきっちりと終わります。

キャラクターも魅力的で不快な人物は居ませんでした。
主人公・コウは好感が持てる人物。短所は敬語がメタメタなこと(根は礼儀正しい)くらい。お人好しで考え方が分かりやすい子です。他のキャラクターも性格付けが分かりやすく、何を目的としていて物語を通してどう成長するのかが目に見えるので気持ちよくプレイできました。

見栄えに惜しい点があります。

戦闘モーション。武器を使った動きはそこそこ格好良いものの、素手での攻撃はかなり見劣りします。特にソラは空手の達人なのに蹴り技に胴が入っておらず手足を糸で吊られた人形みたいに見えて残念です。中二病に振り切るならここにも拘って格好良さに直結させてほしかった。

街のディテールが粗い。モブキャラが良い味を出していて街全体の雰囲気は居心地の良いものになっているのですが、景色は全体的にのっぺりとしています。

会話スキップに未読メッセージで止める機能が無い。細かな変化が沢山あるのに気づきにくいのは勿体ないです。

単体で十分勝負できるが好みが分かれる作品にターゲットと真逆のラベルを貼り付けてしまった本作。冒頭の繰り返しになりますがキャラクターと実年齢が近い人におすすめです。
私は根が子供っぽいので楽しめました。

アクションの難易度はかなりヌルいです。苦手な人でも回復アイテムをまとめ買いすれば詰まることはないでしょう。

[h1]本来楽しめる客を遠ざけ、口に合わない人をメインターゲットとして売り出してしまった不遇の良作[/h1] 極力ネタバレ無しのレビューです。 [h2]こんな人におすすめです[/h2] ○同社のドラゴンスレイヤー(ザナドゥ)や軌跡シリーズを知らない人 ×上記シリーズの続編を求めている人 ○中二病がいける人 ×中二病が苦手な人 ○小さくまとまった世界できっちりと完結するストーリーを読みたい人 ×重厚な世界設定で壮大なストーリーを求めている人 [h2]外箱は続編詐欺[/h2] レビューはサムズアップなのですが最大の不満点から書きます。 本作のタイトルおよびキービジュアルは同社の既存シリーズであるドラゴンスレイヤー(ザナドゥ)、軌跡の続編と誤認されるものです。 両シリーズとの繋がりは申し訳程度しかなく、東京ザナドゥ世界では本やゲームとして扱われているくらいです。それらが劇中から見てフィクションなのか否かは明言されていません。 ザナドゥという名前も限られた者だけが認識できる世界の裏側『異界』を便宜上そう呼んでいるだけです。また、ゲームシステムもどちらとも異なります。 関係ないものに続編の名前を付けて売る行為は、元作品が好きな人ほど深い傷を追う不義理な行為だと思います。当然のしっぺ返しとしてインターネット上では低評価レビューが散見されます。 [h2]中身は痛快で愛すべき食べきりサイズの中二病全部のせ丼[/h2] ではなぜおすすめレビューを書く気になったのか。 私がプレイしたのは発売から4年後、ザナドゥと関係が無いことはプレイ前から知っており内容にはまったく期待していませんでした。 どんな話なのかを一応自分の手で確かめたいので始めたのですがまったく予想外の方向で好みだったのです。それはもうプレイ開始前からマイナス点だった総合評価をひっくり返すくらいに。 ただし続編詐欺を許した訳ではないことは大事なことなのでここにもう一度書いておきます。 公式ホームページを見る限り、他社の作品ですが同じく学園が舞台のペルソナ3、4と同じ設定が多数見られるのでそれ以上のものは出てこないと思っていました。 しかしそれは氷山の一角に過ぎません。蓋を開けてみると古今東西、色とりどりの中二病が次々と登場します。キャラクターが自分の口から「厨二病」「ラノベ」とメタ発言をしちゃうのもそういう中二病。やりすぎ。混ぜすぎ。お前もかよ！の連続。中二病全部のせ丼です。最高に尖っています。 全部のせと表現しましたが硬派なラノベというべきか、零の軌跡や風の伝説ザナドゥのような下品な性的描写はありません。衣装を好き勝手に変更することは出来ます。 ストーリーは一本道ですがプレイヤーの行動に対して会話が細かく変化するので、自分の手で進める感触が得られます。全体的に青く熱く、意外な方向に転がり、終盤は加速し盛り上がってからきっちりと終わります。 キャラクターも魅力的で不快な人物は居ませんでした。 主人公・コウは好感が持てる人物。短所は敬語がメタメタなこと(根は礼儀正しい)くらい。お人好しで考え方が分かりやすい子です。他のキャラクターも性格付けが分かりやすく、何を目的としていて物語を通してどう成長するのかが目に見えるので気持ちよくプレイできました。 [h2]中身で良くなかったところ[/h2] 見栄えに惜しい点があります。 戦闘モーション。武器を使った動きはそこそこ格好良いものの、素手での攻撃はかなり見劣りします。特にソラは空手の達人なのに蹴り技に胴が入っておらず手足を糸で吊られた人形みたいに見えて残念です。中二病に振り切るならここにも拘って格好良さに直結させてほしかった。 街のディテールが粗い。モブキャラが良い味を出していて街全体の雰囲気は居心地の良いものになっているのですが、景色は全体的にのっぺりとしています。 会話スキップに未読メッセージで止める機能が無い。細かな変化が沢山あるのに気づきにくいのは勿体ないです。 [h2]おわりに／若い人におすすめです[/h2] 単体で十分勝負できるが好みが分かれる作品にターゲットと真逆のラベルを貼り付けてしまった本作。冒頭の繰り返しになりますがキャラクターと実年齢が近い人におすすめです。 私は根が子供っぽいので楽しめました。 アクションの難易度はかなりヌルいです。苦手な人でも回復アイテムをまとめ買いすれば詰まることはないでしょう。