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1,142.7 hrs on record (630.2 hrs at review time)
みごとドライブラッシュをヒットさせたポッターに100万ドル! ドライブラッシュを見てから止めるなどという姑息な真似を試みたマルフォイからは命を没収じゃ!
Posted 29 December, 2023.
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11.2 hrs on record
滅多に人が来ない所なんで、近いランクの相手を対象にマッチングしていたのにいきなりSSSランクの上級者に当てられたんや。ゲームスピードの遅さもあって、ガン待ちを崩せず処理されてもう気が狂う。
700人いる時間帯にプレイしても初心者は二人ぐらいしかいないという有様である。
身内対戦が目的でないなら、素直にGUILTY GEAR -STRIVE-™を買ったほうがよろしい。あちらはPC版でも人が大量にいる(ほぼガチャプレイしているだけのランクでも部屋が埋まっている)し、PS版とのクロスプレイ導入も決定している。

一人用モードはストーリーがすさまじくつまらないうえに特に対戦の練習にもならない、かなりビミョーな出来のベルトスクロールとなっている。
あの○○が悪行を!?→洗脳されていただけでした!の繰り返しを楽しめる人間がこの世にいるだろうか(いやいない)。
戦闘も、ほぼ棒立ちの敵にひたすら竜巻旋風脚™を叩き込み続けるだけで終わってしまう(ガードもしてこないのでヒット確認の練習にすらならない)。

コンボ・トライアルのリズム・ゲームとしての面白さはそこそこだが、大して難しくないしボリュームもあまりない。
これに関してはUNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]™の右に出るものはいないだろうが、それどころかStreet Fighter V™にも負けている。

対戦に関しては初心者同士の身内対戦をする分には面白そうだし、駆け引きの本質に辿り着くのが早そうな、コンパクトに纏まった内容になっているように感じる。
ただしシステムが単純すぎ、展開も遅いがゆえにごまかしが効かないので、「トップ・プレイヤーに事故勝ちできるようになる」のをゴールだとすれば、現行の格闘ゲームで最も難しそうな気はする。(10戦ぐらいしかやってないから知らんけど)。ちなみにその基準ではGGSTが一番簡単だと思われる。全キャラの火力が高く、共通システムによる崩ししかないキャラですら択が多くて全てをケアすることが困難だからだ。(別に格ゲー博士じゃないしGGSTもやり始めたばかりだから知らんけど)。

「原作ファン同士で身内対戦する」のが目的であれば文句なしにおすすめだが、そうでなければGGSTを買おう。かもしくはGBVSのPS版を買うか、どっちかです。いやPS版でも人おらんかもしれへんわ。紹介すんのやめとくわ。確信がないわ。
Posted 15 June, 2022.
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30.9 hrs on record
本作は通報内容を読んで限られた人員を派遣してその結果を見るというループを基本としつつ、おおむね常に一種類だけある追加要素もマネージしていくというミニゲームである。

内容としては完全にミニゲームとしか言いようがないもので、約20時間もプレイさせられる必然性はまったくない。
というのも、ほぼ思考の余地がないからだ。(当然ながら)その日のうちにどういう事件が起きるか分かっているわけではないので、どれぐらいの人員をキープしておくべきかを考える余地などは特にない。常に数名キープしておくだけのことである。同時に複数の通報があった際に、虚偽の通報らしきものに人員を派遣しないという程度の判断しか要求されない。
また、事件にも意味・発展性・連続性がなく、単なる出オチ事件を延々と見せられるだけとなっている。実は虚偽の通報でした! とか、勘違いでした! とか……。だからどうしたんだ? と言いたい。
Choose Your Own Adventure風に現場の警察官視点で選択肢を選ぶミニゲームが挟まる場合もあるのだが、何を選んでもイベント内で起こる出来事に影響があるわけではなく、結果画面でどうなるかの確率が上下するだけのようだ。例えば「入り口に見張りが立っている。どうする?(警棒で殴る・静かに拘束する・裏口から入る)」→「中に入ったら銃を持った男が発砲してきた。どうする?(射殺する・テーザーで撃つ・隠れて弾切れを待つ)」のような感じである。どれを選ぼうが何も変わらない。しかも射殺を選択しても確実に犯人が死亡するわけですらなく、死亡の確率が上がるだけというお粗末ぶりである。

刑事事件の推理要素(のつもりで作っているのかどうかすら不明だが……)もお粗末な出来である。事件に刑事をアサインして放置しておくと「フレーム」と呼ばれる犯行現場の予想図を収集してくるので、ある程度集まったら証言を元にそれを正しい順番に並べていくという、まあコンセプトとしては面白そうなものとなっている。
問題なのはその内容で、明らかに時間軸のないフレームが多いのにも拘わらず正答の順番が固定されているため総当たりが必要である。また、そもそも証言からは絶対に予想できないデタラメな事件内容だったりする。
これらの問題は、放置しておくだけで刑事たちが勝手に正解に近づいていき、プレイヤーが介入する「こともできる」という仕様にするだけで解消されると思うのだが(そもそもなんで警察署長の主人公がフレームを組まないといけないのか)、外部のテストプレイヤーを雇うカネをケチったと思われる。そのツケを払わされるプレイヤーはどうしようもないので、総当たりか攻略Wikiのコピペで解決するしかない。

単純につまらないこと以上にゲーム部分で最も大きな問題は、人員派遣パートはリアルタイム進行であることだ。事件が起きていないときは何もすることがなく街のミニチュアを眺めるだけしかないのだが、早送り機能などない。
ではいわゆる放置ゲーなのかというと、そういう遊び方をするにはいささか忙しすぎる。Youtubeでも観ながらやるしかないだろう。

ゲーム部分だけでなく、ストーリー部分もつまらない。主人公がDuke NukemでおなじみのJon St. Johnのイケボでちょっとオシャレにイキッたり愚痴ったりするので雰囲気があって騙されそうになるが、結局のところ中身がないのである。
作中の人物(私はこいつが作者のメアリー・スーではないかと疑っている)が「これはアニメじゃない本当のことだから、君はヒーローにはなれないのさ」というようなことを言っているのだが、これが正に本作の態度を示している。本作のストーリーは「ネタを振る→何も起こらずに終わる」というパターンの繰り返しなのだが、「リアリズム」「ダーク」「ハードボイルド」を「連続性がなく支離滅裂」「つまらない」「主人公いじめ」だと勘違いしているような、わりとよくある話である。
そのメアリー・スーが全てを裏で操っていて主人公も操り人形の一人にされるのだが、実にそいつにとって都合がいいのである。何をしても誰も抵抗せずにやりたい放題である。
「超人の主人公に自己投影すると叩かれるから、悪役を超人にしてそっちに自己投影すればいいんじゃないか?」というのはクソ作家がよく陥る勘違いだが、それは本質的には全く同じことであると気付くべきだ。
本作のようなヴィデオゲームだと、主人公はプレイヤーが操作しているわけだから、それをサンドバッグにする超人になりきるのはさぞ気分がいいことだろう。プレイヤーからすれば「主人公はなぜ抵抗しないのか? 作者はクソなのか?」としか思えないわけだが……。
Posted 17 May, 2022. Last edited 17 May, 2022.
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4.9 hrs on record
ゲーム内タイマーによると64分で終了。「ウォーリーを探せ」ならぬ「他よりちょっと大きい白点を探せ」を延々とやらされつつ、クソガキの癇癪を見せられるだけのゲーム。しかもやおいなので特に成長もしない。

要約すると「人が死んで悲しい」というだけの「ストーリー」である(今までに物語を一つでも読んだことがあれば導入部で分かることなので、これはネタバレではない)。これは断じてストーリーなどではなく、アイデアと呼ぶべきものだろう。
ストーリーというものはアクションとリアクションの連鎖である。ただ時間が経過して人が死ぬだけで、誰も何もアクションを起こさないこの作品を、誰がストーリーと呼べるだろうか(いや呼べない)。
時間が経過して、それに伴って当たり前のことが起こる様を描くだけでゲージュツになるのであれば、ペンキを塗った壁の前にカメラを置いておくだけで映画ができてしまう。
これは感動ポルノとしてすら成立しているとは言いがたい代物である。もしかしたらプレイヤーに子供(クソガキであればなおよい)がいれば泣けるかもしれないが、それはストーリーに没入して共感しているわけではなく、単に自分の経験を見出して投影しているにすぎない。

というか1時間も要求するほどの内容ではない。21世紀初頭のPixar Animation Studiosによる壁画Up (邦題:カールじいさんの空飛ぶ家)を見れば、人が死んで悲しいというアイデアを説明するのに要する時間が10分未満だということは明らかである!!

そもそもの設定が意味不明で、なぜか惑星をスキャンする度に次の惑星の地球っぽい度が高まっていくということになっている(演出上の都合だけでなく、はっきりと科白でも言及されているし、登場人物はそれを前提に行動している)。説明もなく受け容れるにはかなり無理がある設定だが、なぜか何の屁理屈もなくそういうものとして進行する。
そもそも地球は神話上の存在なのに、なぜ地球っぽい度を判定できるのか? 人類が地球を発ったときから一億年だか百億年だか経っているのに、なぜ本当の地球の地球っぽい度は90%以上だと言えるのか? なぜ地球に行けば人間の遺伝子情報が拾えると思っているのか? 全てに理屈がない。
作者すらテキトーに考えているのに、読者が真面目に読む必要があるだろうか(いやない)。

本作をストーリーとして認めることは、芸術という概念そのものを冒涜するに等しいことである。
時間かえして!
Posted 8 October, 2021. Last edited 15 June, 2022.
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2.5 hrs on record
本作は2000年代によくあったクソFPSのVR版である。
まず本作にはレベル・デザインという概念がなく、テキトーに作られた建物の中をテキトーに敵が歩いているだけである。よって本作に於けるステルスとは即ち、敵がこちらを認識するまでの間に(MGSをパクった)手動サイクルの麻酔拳銃でヘッドショットするという意味でしかない。(ロード直後の位置にお決まりのように目の前に置かれている敵は必ずこちらを見ていないが、それ以外の敵がこちらを見ている確率は実に50%である。レベル・デザインという概念がないからだ)。
敵と鉢合わせないようにするには全てのオブジェクトを壁越しに表示するチート・ヴィジョンを使うしかないが、こちらは無駄にクールダウンがあるため、いちいち待っていられないし、待つメリットも設定されていない。むしろ、さっさと走ってテキトーにヘッドショットして回るほうがクソゲーに使う時間が少なくてすむ。

よくできたステルス・ゲームではレベル・デザインというものがある。基本的には、ある種Doomのようなアリーナ・シューターにおけるアリーナのようなエリアが連続している。まずそれぞれのエリアの入り口で、どこにどれぐらい敵がいるかを概ね把握できるようになっているわけだ(この偵察フェーズには何らかの安全地帯が用意されている場合が多い)。次にそのエリアを無事に通り抜けるための計画を練る(敵のパトロール・パターンを把握し、その穴を見つけたり、穴を作る方法を考えたりする)。そして計画を実行し、しかし途中で予期せぬ事態が起こり(偵察時には見えなかった位置に敵や、価値の高いアイテムや、近道があったり等)、それに合わせて臨機応変に対応しつつゴールへと辿り着き、また新たなエリアへと進むわけである。
本作にそのようなゲームプレイ・ループはない。ただテキトーに歩いて出くわした敵をヘッドショットするだけである。

また、本作にはストーリーやキャラクターという概念もない。MGSのうわべをパクったハンドラー的な存在が、頭の中の声として5種類ほど出てくるだけである。そいつらがどうでもいいゲーム的なナレーションで「ダメージを受けたぞ! 安全な場所に隠れて修理するんだ!」「敵は捜索を中止したが、警戒レベルは上がったままだ。注意しろ」等々ひたすら喋り続けたり、ストーリーごっこで同じ内容「なんて上等な装備を使っているんだ! 奴ら、ただのテロリストじゃないぞ!」を延々と繰り返すだけである。

レベル・デザインもストーリーもないので、当然プレイヤーはどこに行ったらいいのか分からない。開くドアと全く同じ外見の開かないドアも、レベル・デザインという概念がないから当然のように出てくる。視線誘導という概念もない。
ではどうしたらプレイヤーを導くことができるのか? 開発者は無い知恵を絞った。そうだ、マーカーで示せばいいのだ! しかしVRでマーカーを常時表示してしまうと没入感が削がれる(もともと没入もクソもない2000年代のクソFPSにありがちなオフィスしか無いのだが……)。だったら、マーカーを手動で表示させるようにすればいいではないか! こうしてマーカー表示装置を地面に叩きつけ続けるゲームが生まれた。

以下はネタバレというほどのことでもないが、具体的なクソマップの話。やおいなのにネタバレも何もないだろう。

第5マップの話である(ちなみに全6マップらしいが詳しくは知らない)。
このマップでは最初にエレベーターに乗っているところから始まって、頭の中の声がベラベラ喋るのを数分聞かされる。これを飛ばすことはできない。
それが終わって操作可能になると、レーザー地雷だらけのエレベーター・シャフトを数分登らされる。ちなみに自分の身体(ということになっているもの)がヘッドセットの下に2メートル程度ぶら下がっているわけだが、これがレーザーに触れただけでもダメージを受ける。といっても、地雷の配置にもレベル・デザインという概念がないので、がら空きな部分を登ればいいだけのことではある。
その後、ダクトに入って、敵が無線相手にイキッているのを1分ほど聞かされる。これも飛ばせない。
それが終わるとようやくボス戦のようなものが始まるのだが、なんとボスに撃たれると即死してしまうのである。

ところで本作ではプレイヤーはロボットをVRで操作しているという設定になっており、死ぬ度にスペアのロボットに乗り換えることになっている。要するにチェックポイント兼残機である(アーケード・ゲームかな?)。しかし問題のシーンではスペアのロボットが無いので、死ぬと一からやり直しとなる。当然、ボス直前ではなく、エレベーターからである(昭和かな?)。

ボス戦自体の出来も悪い。
まず、倒すべき敵なのかどうかが分からない。ボスの弱点と思しき赤点を撃つと黄色くなって動きが一秒ほど止まるのだが、これが何を意味しているのかが分からない。そのまま撃ち続ければいいのか、そうでもないのか。そもそもこのショボいロボットはボスなのか新種の雑魚なのか。二回ほど死んでみてやっと、どうやら倒さずに通り抜けるタイプのボス戦らしいと分かる。
しかし、どこに行っていいかが分からない。マーカー表示装置は、開発者がシネマティックだと判断したシーンでは無効化されているからだ。普通に目に付いたほうに進むと、何の意味もない下の階に行ってしまうようになっている。これは私だけでなく、適当にググって見つけた糞つまらないYouTuberも同じであった。ストーリー(笑)上では屋上を目指している途中の出来事なので上に行くのが当たり前だと開発者は思っていそうだが、それまでにも上がったり下がったりしつつ屋上を目指し続けていたので、全くそう思える根拠にはなっていないのである。
普段どうでもいいお喋りを繰り返している頭の中の声が5種類もいるのだから、そいつらが解説してくれればいいのだが、何故かこのシーンでは最初に「ファック!」とか何とか言ったきりだんまりである。

こんなファミコン並みのクソゲーに今更時間を盗まれる必要があるだろうか(いやない)。
あ~!!超腹立ったしっ♪♪ 私はアンインストールした。ブイヤール(笑)。
Posted 20 July, 2021. Last edited 22 July, 2021.
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5.4 hrs on record (2.9 hrs at review time)
Gris is Journey that looks worse, controls worse, and with weirdly precise Mega Man-style platforming.

The story is pretty pitiful not because it’s about depression but because it just doesn’t have any point.
Like Journey where the whole point of its story is “Buddhism exists!”, Gris screams “Depression exists!”.
Buddhism existing might be an exotic cool fact to those ♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥ baka gaijins, but even those pathetic mortals are aware that depression exists. When there are so many Le Art about it (especially in the western world), who isn’t?

The game doesn’t even look good, either.
Just… look at it. There are so many ugly video game-y boxes everywhere.
Overused high-contrast scenes will try to trick you into thinking the game is beautiful or something, but you’ll quickly see past the gimmick and notice that those scenes are as bland and featureless as the normal scenes.

It’s not even a good video game, as well.
You move sooooo slowly. If you fail a jump (which requires weirdly precise timing for a High Art), have fun getting back up slooooowly to the actual jump that matters!
Also, some key elements (notably the red birds trapped in jars) don’t stand out from backgrounds as much as they should, leading to unnecessary confusion.
Half the puzzles are about as logical as old point-and-click games, so have fun second-guessing what the designer was smoking that day!

In Journey, you could try to move more efficiently than just running straight by reading the environment and jumping over parts of terrain. That makes navigation less boring, and sometimes even actually fun (wow, having fun in a video game!?).
In Gris, there’s none of that, so ♥♥♥♥ off and keep pressing the right key (or the left key when the game suddenly feels like it).

Over all, it’s one of those Oscar-bait movies but in a video game form.
It has everything award-giving entities -I won’t call them critics because IGN and alike really aren’t- love.
Strong Female Character, Emotions, Beautiful Images, Deep Story, and such. The game doesn’t actually have any of these, but the facade of them is enough for the soulless corporate machines.
It’s also a riff on Journey which is universally accepted as High Art, so they can safely call Gris that, too.
This cynical game is kinda depressing, huh?
Posted 4 May, 2020. Last edited 8 May, 2020.
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29.0 hrs on record (16.2 hrs at review time)
本作は、今までヴィデオゲームをやったことのない赤ちゃんでもプレイできるようHalf-Life 2をVR向けにサヴァイヴァル・ホラーとして再構築したものである。その試みは概ね成功していると言えるが、そもそもそのゴールが妥当かという点には疑問が残る。

というのも、ストーリーがよろしくない。ドラマ的に重要なことは次回予告じみたラストにしか起きず、それ以外は空騒ぎに等しいのである。
主人公が耳の中の人物と冗談を言い合いながらどうでもいい仕事をしていき、プレイ後に思い返してみると特にテーマも何もない無意味な話だったという感想になるところまで、全てがFirewatchそのままである。
しかも、ただのFirewatchならまだしも、HLシリーズは長期化してしまっているため貧弱なストーリーに比べて設定ばかりが無駄に膨らんでしまっている。
これを新参向けに出してくるのは愚の骨頂である。ストーリーだけでなくゲームプレイ的にも、登場するモチーフやその順番が過去作(主にHL2)のリフレインばかりなので、いきなり見て面白いものとは思えない。「あの××がVRで!」とか「あの敵をVR向けにアレンジするとこうなるのか!」というような反応を狙っているわけである。
これは如何なものか。スターウォーズのJJ三部作を子供がいきなり観ても「なんか年寄りが騒いでるゴミみたいな映画」としか思えないだろうが、それと同じことである。

と言いつつ……ゲームプレイ的には「安全な場所で新要素を紹介し、段階的に危険な状況でそれへの対処を必要にしていく(複数の要素への対応を同時に求めていく)」という丁寧なデザインが最後まで一貫している。(具体例としては、弱点を撃たないと死なない敵が初登場時は柵の向こうにいたり、最初はただパズルを解くだけでいいのが終盤ではパズルを解きながら戦闘したりする)。

HL2を再構築したものだと書いたが、赤ちゃんに対応するため要素の数は大幅に減っている。
まず(各種アップグレードで使用感が大幅に変わるとはいえ)銃が三種類しかないし、赤ちゃんはすぐに吐くので乗り物もない。重力グローブを戦闘に使うこともできない(手榴弾投げ返しは可能)。敵の種類も少ない。
現状の技術では洗練性の足りない近接武器や両手武器を出さないという選択には納得できるものの、12時間前後という尺のわりに些か要素が少なすぎるだろう。やたらと種類と頻度の多いハッキング・ミニゲームだけは充実しているのだが、ノベルティーに飽きればそもそも全く面白くないので不要である。

大きな問題として、プレイ時間の半分以上は家捜しシミュレーターに費やされるわけだが、アイテムの配置にほぼ意味がないことが挙げられる。アイテム以外はある程度場所に合ったものが置かれているのだが(特に環境的ストーリーテリングが面白いという場面はなかったが)、アイテムは本当に何の意味もない場所に置かれている。ほぼHidden Objectゲームの有様である。
Gone Home並みに物品に意味を持たせろとは言わないが、あまりにも無意味なので、プレイヤーの手が物理的に再現されているというノベルティーだけでここまで家捜しさせるべきかは些か疑問である(確かにそのノベルティーだけでも楽しいのだが)。

ところで銃のアップグレードで使用感が変わると書いたが、これは基本的に良い意味ではない。というのも、強化したはずが使いづらくなるものが多いからだ。
最悪なのはピストルのリフレックス・サイトで、薄いオレンジのサイトに濃いオレンジのドットが投影されているというものだ。それだけでも見辛いのに、アップグレードするとアイアン・サイトのゼロが狂うというおまけ付きである。極めつけに「常に実際に弾が当たるところに点が動く」というオーバーテクノロジーお節介機能もある。これのせいで、遮蔽物に隠れつつサイト・ピクチャーを得てから飛び出して撃とうとすると狙いが狂うわけである。
またピストルのアイアン・サイトは青く発光しているのだが、バレット・レザボアというアップグレードでは青い点の山がリアサイト付近に着くので、どこが照準なのか分からなくなってしまう。
良い意味で使用感が変わるのは、トレイラーにも登場していたショットガンのオートローダー以外ではSMGの電池ケースぐらいである(元はステンガンのようにリロードするのだが、手元の電池ケースをボタンで開けてからマガジンを挿入していって手首フリックでケースを閉じるという操作に変わる)。
折角戦闘が面白くても、銃に興味のないアート・デザイナーが妄想した「最高に格好良い銃」を使わされるせいで台無しである。コンソール・コマンド無しでは外せないので、アップグレード前にセーブしておくことをお勧めする。

少し銃の話とも関係あるのだが、意外にもテレポート(Shift)移動のほうがスティック(Continuous)移動よりも没入感がある。というのも、スティック移動では戦闘中に銃のサイト・ピクチャーを得たままスティックで位置を微調整してしまいがちで、身体を動かさないからだ。
テレポート移動では、微調整は実際に身体を動かしてやらないといけないし、大幅な移動をするときはサイト・ピクチャーを失う。これが臨場感を高めるのに機能している。
また、スティック移動ではひたすら後ろに下がりながら完璧な照準で撃ちまくることができるので戦闘のバランスが崩壊してしまっている(元々大味なバランスではあるが)。
要するにスティック移動は後から取って付けたものだと思われる。

戦闘バランスと言えば、本作はHLお馴染みの「プレイヤーの持ち物に合わせて次のエリアに置いてあるアイテムが変わる」という仕様なのだが、このアルゴリズムがあまり直感的ではない。というのも、ショットガンの装弾数が6+1発であるにも関わらず、ショットシェルは10発程度持っていると全然湧かなくなるのだ。このせいで初回プレイは全然ショットガンを使わずに終わってしまった。

色々と問題は多いものの、VR環境があるのならこれをやらない手はない。少なくともその程度には群を抜く出来である(基本インディーの世界なので当たり前だが)。わざわざこれだけのためにVR環境を構築することは、よほどのHLファンでなければ期待を裏切られるのでやめておこう。(凡百のVRクソゲーと違って)VRならではの体験を提供することには成功しているので、VR環境を構築する理由の一つとしては充分にありえる。
Posted 11 April, 2020. Last edited 11 April, 2020.
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2.9 hrs on record
バグまみれなうえに、もしバグがなくても何の変哲もない糞ウェーブ・シューターである。
よくある、アリーナでメリハリもなく湧いてくる敵を数分間処理していると敵が湧かなくなって、それからNPCがつまらない話をくっちゃべり終わってドアを開けてくれるまで待って、そのドアの先に行くと次のアリーナがあって……というのを繰り返す、そういうクソゲーである。
唯一本作でしか得られないものとしては、NPCがKFの世界設定らしきものを喋るのでファンにとっては嬉しいかもしれないが、わりとどうでもいい内容だし特にストーリーに関係もなく口で説明しているだけなので、興味があるならWikiでも見れば充分である。

私が遭遇したバグについて書いていく。
まず本作はなぜかSteamVRにSittingモードとして自身を報告しているため、位置設定がおかしなことになっている。それを修正するためにキャリブレーション――一体何をキャリブレートしているのか明記されていないので意味は分からない――を行うのだが、どうやっても床の高さが合わない。単にStandingモードだと報告してSteamVR自体の保持している位置情報を使えばいいだけの話なのだが……。
で、チュートリアルが糞つまらないのに長すぎる……というのはバグではないとして、途中で進行不能になったのでスキップした。これが原因で、一番重要なフラッシュライトの「スキャン・モード」(重要オブジェクトをハイライトする、ブラックライトのようなもの)を聞きそびれてしまった。そのせいで最初の山小屋でVRピクセル・ハントをするはめになった。(VRなのにボタン一つでリロードする)銃の扱いなどという分かりきったことを長々と説明する暇があったら、独自の仕様を先に説明せよ。
……あっ、スキャン・モードがあっても結局VRピクセル・ハントはやるんだった。「仮想空間だから」という糞のような言い訳で、何の意味もないオブジェクトを探さなければならないのだ。これはもうデザイナーの脳がバグっているとしか言えない。
で、クソゲーなので当然プレイヤーがスタックして出られなくなったり進行不能になったりすることぐらいはある。それはいいとして敵すらも全体の半分程度のアリーナで、通行不能を示す壁――「仮想空間だから」当然のように出現する――の向こうでスタックしたり、通常の壁をすり抜けてきたりする。何もない場所なのにプレイヤーの目の前から湧いてくるのが「仮想空間だから」なのかバグなのかは分からない。ちなみに通行不能な壁の向こうの敵を倒すには銃を壁の向こうに突き出して撃つ必要があるのだが、それも「仮想空間だから」だろうか。

で、一番腹立たしいバグについて。バグというより単なる虚言に狂った仕様が合わさっているだけなのだが、本作では起動時に「利き手」を設定する。が、これは嘘で、実際は「利き目」である。
そもそもこの設定は何なのかというと、スコープ付きライフルを構えたときにスコープが吸着する目をどちらにするかという設定なのである。それ以外には何も変わらない(はず)。
なぜ私がこの仕様に気付いたのかというと、私の利き目は左なのだが、「利き手」という設定名を真に受けて右手と答えていたためである。このせいでライフルを左手で構えた際、顔の真ん中あたりにスコープが吸着してたいそう見づらいことになった(だが一応はプレイできた。なぜなら本作がクソゲーで、スコープには単純に高倍率の映像がテクスチャーとして貼り付けてあるだけの仕様だからだ)。
銃を構えるとスコープが目に吸着するなど、そもそもが無用なお節介である。しかも利き目と利き手が異なるクロスアイ・ドミナントな人間のことを全く考慮していない。それどころか、「利き手」とだけ書いてそれが何を変更する設定なのかをプレイヤーに示さない。この傲慢で虚言癖を持ち、人の知性をこけにする、無知蒙昧な輩を赦すわけにはいかぬ。

結論としてはこんなクソゲーをやるぐらいなら、全く同じものを目指していてちゃんと成功しているArizona Sunshine――本作をやるまで私は駄作だと思っていたが、少し考えを改めた――か、本家KFをやったほうがいい。
Posted 24 November, 2019. Last edited 24 November, 2019.
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7.6 hrs on record
本作は約一時間の間(一度タイムスキップがあり、それ以外でも章の終わりで数秒飛ぶものの)ほぼノーカットで七人の登場人物が動き続けるというギミックが特徴となっている。各人物が限られた情報で最善と思われる行動を取ることで自体が悪化していく様子を描く悲喜劇である。
複数の人物が同じ場所に集まることが多いので、よほどゆっくりプレイしても8時間はかからないだろうが、4時間を切ることもないだろう(私は一通りプレイしてから、自力で解けない部分はネタバレを見ながら回収して約6時間かかった)。
プレイヤーの世界への干渉は極めて限定的で、基本的に「ゲームらしい」要素は誰がいつ何処で何をしたかを記憶して出来事の相関関係を立体的に把握するという脳内パズルに限られる。

といってもこれが映像作品として公開できるかというと、それは(可能ではあるが)ゲームのほうが自然なのにあえてやる意味がない。やるとすれば各話で各人物を追っていって全7話のドラマにするしかないだろうが、同じシーンをカットしてしまうと折角の長回しが台無しになるし、そもそも複数人が集まるシーンでは撮影班が一堂に会することになってCGで消す羽目になる。
そもそも演出や演技が映画でなく演劇的である(「的」どころか劇中にサラ・ベルナールがロミジュリを演じるシーンさえある)。それもそのはずで、現在のHMDの解像度では遠くの人物の表情は読み取れないうえに、そもそもキャラの表情が硬いので必然と言える。(というかシネマトグラフィーという概念が存在しえない以上、たとえ予算や技術の制約がなくともVRの芝居を演劇の亜種として扱うのは正しいだろう)。

「ゲームである意義があるか」という最早あまり意味のない質問はいいとして、「VRである意義があるか」という比較的有意義な質問について。結論から言うとこれも、別にVRでなくてもいいがVRのほうが自然である。というのも、核とも言える屋敷の位置関係を把握する際にVRのほうが都合がいいのである。
また、モノや人の存在感が平面とはダンチである。平面では気にも留まらないような小道具も、部屋に入った途端に気付くことができる。大抵の場合、重要な小道具は話の焦点になるのでそうなってから存在に気付いても問題はないのだが、そうなる前に気付けなければフリ無しでオチが来てしまうようなシーンもある。
そうでなくとも演劇を直接観るのと録画した映像を観るのとでは、前者のほうが自然であることは自明だろう。

一番肝心なストーリーに関して。
複数のナラティブ・スレッドが立体的に交差しているが、あらゆる行動に動機がきちんと描かれている。全人物が事件を通して変化する様も概ねちゃんと描かれている。
それはいいのだが……一応ミステリーの体をしているにも関わらず、発端の殺人の真相は明かされるまでほぼ絶対に分からないようになっている。これは些かまずいだろう。ミステリーでなく誤解が誤解を生む悲喜劇としては文句なしに良いので、枠付けを何とかすべきである。
またある種のメタ・レイヤーがあってそれが全てを締めるブックエンドにもなっているのだが、これも弱い。屋敷の主人であるテスラが客人たちを招待した動機が明かされるまではいいのだが、(時系列的に)そこから後の部分は蛇足としか言いようがない。ゲームである意味を無理矢理後付けしたかのような印象だが、それに関しては先述したように立派な意義があるので不要だろう。

結論としては、VRシアターの目指すべき方向を示すことでエポックを画す作品である。
もし平面として作られていたとしてもウォーキング・シミュレーター最高クラスであろう出来なので、VRヘッドセットを持っているのであれば、今までこのジャンルに興味がなかったとしても試してみる価値はあるだろう。
(ちなみに平面プレイにも発売後のパッチで対応したようだが、操作性がメチャ悪い上に全然直感的でない。その上ただでさえVRと比べて世界がちゃちに見えるのに、FOVが妙に広いので没入感が削がれる。独特な作品なので出来の悪い平面版でも充分プレイする価値はあるが、少しでもヘッドセットを買う心算があるなら買ってからにすべきだ)。
Posted 29 July, 2019.
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2.2 hrs on record
VRという媒体はプレイヤーをゲームの世界に没入させるものである。それはクソゲーの世界であっても例外ではない。

どういうことかというと、本作は古き悪しき時代のアドベンチャー・ゲームをそのままVRにしたような内容なのだ。
最初のエリアの「パズル」をネタバレにならない程度に書いていくと、まず「ストーリー」的に説明が付かない上に何の思考も要求されないVR版ピクセル・ハントから始まる。本当にピクセルを探すわけではないが、VRではまずやらない行動を要求される(平面ゲームでもあまりやらない人が多いことで有名な行動である)。
その次の「パズル」も、何の理由もなく特定のオブジェクトを撃つというもの。当然「ストーリー」的にも無意味。

この時点で相当なクソゲーだが、VRの神髄を味わえるのはこの後だ。パラノイア(ということになっていて「私はパラノイアです」と口で言うだけで、実質的な個性は皆無)のおじさんがサイドキックとなり、「パズル」を解いていくのだが……。このGMPCがなんとも不快で、一々「まだ解けないんか? オラもう待ちくたびれたぞ~」「もしかしておめえゲェジなんか?」「ひゃーっ、おめえこんな球も捕れないんか! こんくらい悟天でも取れっぞ!」などと罵ってくる始末である。
しかも最後のキャッチボールに関しては、飛び始めはElder Scrolls顔負けのフワフワ物理演算なのに落下し始めると急加速するという、消える魔球を放ってきておいてそんなことを言うのだからもうどうしようもない。俺にクソゲーをけしかけたのは貴様だ、そんなこと言えるのかよ!
この浮浪者のおっさんは常にどうでもいいことや煽りをペラペラ喋り続けるのだが、その間にもオーディオログは登場する。なんとかおじさんの科白の隙間を縫って再生するしかない(尤もオーディオログの内容も等しくどうでもいいのだが)。
それとこのおじさん、一挙一投足がめちゃくちゃ遅い。CoDやなんかでNPCのドア開け待ちを強いられることがあるが、VRであれをやられると本当に時間の無駄であることがよく分かる。平面ならば鼻や爪をほじったり、埃を捨てたりする程度のことはできるからだ。

しかしこのおじさんもまだ序の口で、エンディング(というか第二章という名の本編の宣伝)にて登場する新たなおじさんは更にのろまで、科白の内容も更に作者の自己満足丸出しで中身が皆無になっている。このおじさんと同じ部屋に閉じ込められるシーンが何分あるのか分からないが、体感では40分以上に感じた。

操作性に関しても、テレポート+ルームスケール移動という形式である以上必然と言えるが、とても悪い。この形式では(特に床に落ちたものを拾うとき等に)ゲームに没入するというより現実の部屋と格闘して、現実に開けているスペースとゲーム内で腕を伸ばしたいスペースの方向を合わせることに苦心する羽目になるわけだ(ケーブルに絡まるという問題もある)。それを軽減するために、スティック(トラックパッド)左右の入力で視界を回転させることができたり、テレキネシスが使えたりする……というのが没入感を削がないためのデザインである。
特に後者は見た目的にはリアルじゃないが、VRという媒体においてはあるほうが没入感がある。たとえ物理的にスペースがあっても、手にコントローラーを持ったまま床にあるオブジェクトを拾うという時点で極めて違和感のある行動だからだ。だが本作には、そういうVRならではの工夫などは一切見られない。

それどころか、積極的に没入感を削ごうとしている節すらある。というのも、私は下水道――なぜクソゲーは下水道に拘るのだ?――のシーンで片手に地図、もう片手に懐中電灯を持とうとしたのだが、(一時的には可能だが)それは不可能だった。
何故ならインベントリーはリュックサックの形になっており、それをしまうには掴んで背中に持っていく必要があるため、両手が塞がっていてはできないからだ。インベントリーから取りだしたアイテムを地面に置くことはできないので、両手にアイテムを持つにはリュックサックを捨てていかなければならないわけである。(ちなみに地図は大して意味がないので見る必要はないのだが、問題はそこではない)。

ところでbuilt-for-VRなどと謳っている本作だが、だとすれば浅はかとしか言いようのないグラシック演出がある。それはレンズフレアだ。平面ゲームでさえ莫迦げている演出だが、Virtual Realityと呼ばれる媒体では論外である。顔を振るとそれに合わせてレンズフレアが目の前でぐるぐるしている様には失笑もできない。
主人公は顔にディスプレイを括り付けて、カメラの映像をそこに映して見ているのだろうか? そんな滑稽な人間がいたら見てみたいものである。

……このようにVRという媒体は、クソゲーの世界にプレイヤーを閉じ込めることで通常のクソゲーの不快感を倍々に増幅して与えることが可能だと分かる。水責めに代わる強化尋問技術として某国情報局がVRゲームの利用を検討しているとの噂だが、それも頷ける話である。
Posted 6 July, 2019. Last edited 6 July, 2019.
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