Dolls Nest

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ホドにおける私的考察記録
By Sleeping Mole
「Dolls Nest」において作中で明確に説明される事のなかった事実に対し、考察を行っています。考察材料は日本語版で入手した物に限定しています。
   
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[2025/08/11]
シャラというニンフその2:アーヴド根絶の定義、シャラの救援要請に他層のコロニーが応じた背景について補足
<これまでのまとめその2>:言葉選びがおかしかった部分の修正
下層コロニー・ギプロベルデ滅亡に際し...:下層封鎖の理由の補足
初めに
ホドにまつわるトリビアを読んで下さった方はお久しぶりです。そうでない方は初めましてと申し上げます。地の底で惰眠を貪る変人です。

ホドにまつわるトリビアとして3つ程ガイドを出し、考察についてはそれで打ち切るつもりでした。他のガイドでも既に申し上げた通り、謎に迫るのが一つの楽しみであるゲームで、その謎をネタバレされたらたまったものではありません。少なくとも私なら怒るでしょう。

それ単体では毒にも薬にもならないネタを提供することで、少しでも謎解きに興味を持って頂ければガイドの役割としては十分と考えていました。利用者の数が圧倒的に違うこともありますが、考察スレッドも英語が大半です。スレッドの流れを追う以前に、個々の内容をきちんと理解するにも骨が折れます。私も英語は不得手ですので、自動翻訳にお世話になっています。こういった労力を軽減しつつ、興味を持ってもらえるようなガイドが存在すれば、それは有用なものとなるのではないか?こういった観点から、ガイドを作成した次第です。

幸いなことに、あの駄文の数々を読んで頂いた方や、気に入りに登録して頂いた方までいらしたようで、有り難い限りです。心よりお礼申し上げます。

さて、前置きはこのくらいにして本題に入ろうかと思いますが、その前に注意書きをさせて頂きます。
いくつかの注意
  • 本ガイドは、個人的主観と個人調査の成果から作成されたものです。内容の正確性については一切の保証をしかねます。
  • 本文中で扱う宗教はあくまで架空のモノとして扱っています。実在のモノに対して言及しているわけではないので予めご了承下さい。
  • 主張を展開する際には、根拠となる記述や推測を示す様に心がけています。
  • なるべく示した結果、1セクション辺りの文字数をオーバーして複数セクションに分割する箇所が生じました。ホドと同様に、内容・構成はそれなりにゴチャゴチャしているかもしれません。
  • あくまで根拠は記述された内容であり、実際の性能に拠る物ではありません。記述と実性能が一致しなくても、そういうものなのだと思って頂けると幸いです。
  • 考察に用いた材料の範囲は日本語版で取得した、鎧殻・武装・消耗品・強化資源・重要資源の説明文と取得位置、NPCとの会話内容、エリアテキスト、それと俗に言うNG+ Roomでの取得物や内部の構造物の観察結果です。本編を3周すれば大体網羅できるかと思います。
  • 言い換えると、主張を理解するのに3周程度は必要となります。中々手間だと思います。
  • 本文の表現は極めて主観的です。具体的に言うと、本文中で扱う一部のニンフに対し、しばしば口が悪くなります。Steamガイドラインからの逸脱は避けますが、読まれる方の気分を害する可能性が有りますのでご注意下さい。
  • コメント欄は切ってあります。スレッドと異なり、ガイド中でのコメントは字数が著しく制限されており、こちらでやり取りするのは非効率の極みと判断した結果です。一つの話題について取り扱うのに、コメントを3分割して投稿するような手間は避けるべきだと考えています。
  • 他言語でガイドを書く予定は有りません。
  • 転載はご遠慮下さい。これはトリビアではありません。以下の内容は作品の核心に踏み込む物であり、私が嫌っている謎のネタバレに該当します。理由は後述しますが、これを必要とする方のみにご覧頂ければ十分な代物です。
  • これらの条件を呑んで頂ける方に、お付き合い願います。
同鎧殻における、言語と内容の差異
実は私、以前から考察スレッドをちょくちょく覗いては、大抵突飛な持論を展開して相手をドン引きさせていそうな真似をしていました。相手の方には実に申し訳ないと思っております。そのやり取りの中で、2度びっくりする事がありました。内容は英語版と日本語版の鎧殻における説明文の差異です。

一つは、アーヴド産の鎧殻、SCF19v3 Takemikazuchiの拡張頭環(HS)の一文です。まず、日本語版から示します。

主として、アーヴドに逆心を抱く者を、迅速に根絶するために用いられた。

続いて、英語版での一文を示します。

The Progenitor believed in the swift eradication of any and all who harbored ill will against Arvud.

これを機械翻訳すると次の様になります。

祖は、アルヴドに対して悪意を抱いている者すべてを速やかに根絶すべきだと信じていた。

私は、日本語版の文をSCF19v3 Takemikazuchi-HSの主な使用目的だと解釈していました。使用者は鎧殻を纏った鎧化兵、すなわちアーヴドのニンフとなります。目的は反抗者の排除です。

ところが、英語版ではThe Progenitor、祖という言葉が明記されています。加えてこちらでは主な使用目的ではなく、この鎧殻の使用者よりも立場が上のモノが持っている構想について示されています。

当初私はこれを誤訳かと思いました。「主として」という部分を「祖として」と解釈し、翻訳を行ったのではないかと考え、主張しました。

それからしばらくして、もう一度日本語版の文章を見直していた時に「根絶」という表現について再考しました。

根絶というのは鎧殻や武装の説明文にしばしば出てくる表現ですが、これは女王が伐採されることを指します。女王はニンフの生産を行う際、樹の形態を取ります。これは、不完全な女王シャラや、新たな女王エンディングでPCである種子が樹に変じたことからも明らかです。樹を倒すので伐採という表現は妥当でしょう。実際、武装にも伐採という表現が使われています。

ギプロベルデ根拠地に単騎潜入し、その女王を伐採せしめたニンフも本器を装備していたという。
(SSC T08A3 GAR 説明文より抜粋)

根拠地とは女王が存在する場所のことになります。さて、コロニーは窟(す)とも呼ばれますが、これは女王と女王から産まれたニンフで構成されています。

母たる女王を中心に窟を造り
その意思に服従するのがニンフ
(ネマにアルカンドについて尋ねた時の会話より抜粋)

ニンフの生態に、巣を捨てるという選択肢はない。そこに女王が根を下ろしているからだ。
(FC101 Bostm-HN説明文より抜粋)巣は私の誤記ではありません。窟とするのが適切ではないかとは思わなくもないのですが

これより、根絶という行為は女王とそれに従うニンフを全て滅ぼす事を意味すると解釈できます。戦国時代における根切りと解釈しても良いでしょう。

日本語版では、SCF19v3 Takemikazuchiは主(な目的)として、アーヴドに逆心を抱く者を迅速に根絶するために用いられたとあります。ただし、根絶という対象範囲の大きさから、この決定を下すのは、単なる実行部隊の一ニンフでは不可能です。もっと立場が上で、戦略構想を持った軍事的な指導者ではないかと思います。この指揮者をThe Progenitorという形で明記したのが英語版の翻訳ではないか、という結論に至りました。誤訳ではなく、言外の意味を加味した正しい翻訳であったという事になります。

この一件を通して、私は翻訳という作業の繊細さを痛感しました。原文の内容を損なうことなく、文化や知識の異なる方にも分かるような表現を行うのは、大変なことです。作品の設定もきちんと把握しないとなりません。私は誤訳呼ばわりしたことを反省しました。

そこからしばらくして、この一件を思い出すやり取りがありました。その中で取り扱われたのが、LCF05v2 Tropaionの加速翅(TH)です。まず、日本語版での説明を示します。

当時の鎧殻の開発経緯は謎に包まれている。何らかの高度な知性体の介入によるとする説もある。

続いて、英語版での翻訳を示します。

To this day, the methods which colonies first used to create this technology are shrouded in mystery. Some believe that extraterrestrial intelligent lifeforms intervened to make production possible.

これを機械翻訳するとこうなります。

今日に至るまで、植民地がこの技術を最初に生み出した方法は謎に包まれています。地球外知的生命体が介入してこの技術の生産を可能にしたと考える人もいます。

数秒間思考が硬直した後、私は頭を抱えました。今度は高度な知性体が地球外知的生命体にクラスチェンジしています。

そういえば地球外知的生命体で真っ先に頭に浮かんだのは、昔良く取り扱われたグレイと、ドラマ版MMRでナワヤ枠を連れて行ってしまったバシャールでした。あの手の番組だと他に特命リサーチ200Xとかも有ったなぁ。

閑話休題。現実逃避おしまい。今度は高度な知性体に地球外という属性がプラスされました。

ホドと外部からホドを見た場合の解釈については、ネマやトーキングヘッドとの会話で窺い知ることが出来ます。詳細やそれに対する考察は本文中で取り扱うのでここでは割愛しますが、少なくとも地球という単語は一度も目にしていません。地球に似た存在はいくつか考えられますが、断定は出来ません。

英語版では他にも地球と断定出来るような文言が追加されているのか、それともただの比喩的表現に過ぎないのか。

この時点で一つの疑問が浮かびました。こういった内容の差異が他にも存在し、それらが積み重なっていった時、日本語版のプレイヤーと英語版のプレイヤーは同じ認識を共有できるのか?これを確認するには英語版で私が行ってきた試みを最初からもう一度、機械翻訳による翻訳の誤差も加味した上で行う必要が出てきます。手間が5割増になっていそうな気もします。正直私のキャパシティを越えていますし、出来たとしても内容をまとめるだけで数ヶ月は吹き飛びそうです。
代案
そこで、私の日本語版における考察を一つの視点として公開し、後から考察を初めた方がご自身の考察に何らかの形で利用できるようにする事を、代わりに行おうと考えました。注意書きでも触れましたが、同等の考察材料を集めるのに最低3周はゲームをプレイする必要が有ります。言い換えると、本来想定している読者は、最低でも実績をコンプリートしているユーザとなります。これは誇張でも何でもなく、その程度は達成していないと考察に必要な情報を取得できないからです。実績コンプリートなど、考察を行う上でのスタートラインに過ぎません。

材料を集めた後もこれらを体系的に整理し、考察に用いるのに適した形にしないとなりません。前提として中々の負担を要求されるのは間違い有りません。その上で私の考察と照合し、矛盾を見つけ、自分の推論に利用するとなると更に手間が掛かります。内容的には、少なく見積もってもA4レポート用紙20ページ分には相当するはずです。

その労力を厭わない物好きが何人居るかは分かりませんが、一応出来るだけのことはしておきます。

それ以外の方にとっては、本作における謎解きという一大要素を奪いかねないこの本ガイドは、むしろ有害かと思います。速やかに閲覧を中断する事を薦めます。他人の楽しみを奪うのは、私の望む所ではありません。
本文で扱う主題について
本文で扱う主題については大きく分けると次の6つとなります。

  1. ネマの出自と目的、ホドの成立
  2. ニンフの誕生とネマのテコ入れ
  3. ネマの粛清とシャラの反乱
  4. 下層滅亡の経緯
  5. イーデンの計画
  6. PCが産まれてからの話

実際には、この主題を説明するに当たり補足する事項が数多く出るため、構成はもっと細かくなります。では、次節から本題に入っていきましょう。長くなりますが、どうかよろしくお願い致します。
ネマの目的
まず、ネマという存在について考察してみます。彼女はホドそのものや全土に広がるニンフ達の勢力についての情報も把握しており、かつ種子と呼ばれる特殊なニンフに関係している事が明らかとなっています。彼女について知ることは、謎に迫る上で重要な手がかりとなると考えます。

ネマの話から種子についての情報を2つ提示します。まず、ガーディナや下層の異形との闘争の末滅んでしまったギプロベルデについて。

古くからある窟だったけど
ガーディナに滅ぼされたみたい

大方下層の異形を相手にしてたら
ガーディナに後ろから刺されたんでしょう

ガーディナ女王はギプロベルデ産まれだから
自分の子供に滅ぼされたことになるね

ホドじゃよくあること
新陳代謝は必要だもの
(ネマにギプロベルデについて尋ねた際の会話より)

ギプロベルデは、かつてギプロベルデのニンフであったガーディナの女王とそのニンフ達によって滅ぼされた事が分かります。この事実についてネマは新陳代謝であり、必要な事であると述べています。

これに関連する項目として、同じくネマとの会話をもう一つ。

ニンフであってニンフじゃない
女王から産まれなかったニンフが種子

守るべき女王も窟もなく
あちこち彷徨ってはニンフを惑わす

惑わされたニンフは、
女王になって母に背いたりもする

放っておいたら停滞するでしょ
だから、時々かき混ぜないと

あなたも、頑張ってね
(ネマに種子について尋ねた際の会話より)

これは種子の定義とその働きについて触れたものです。この中で着目すべきなのが、「惑わされたニンフは、女王になって母に背いたりもする」という部分です。これは、ギプロベルデのニンフがガーディナ女王となり、ギプロベルデに反逆したという事実と符合します。更に、「放っておいたら停滞するでしょ。だから、時々かき混ぜないと」と続きますが、これはネマが言及した所の新陳代謝に符合します。最後に「あなたも、頑張ってね」で締めくくられますが、これは過去に実際にギプロベルデに種子が派遣され、ガーディナの成立に一役買っていたこと、そしてPCにも前任者と同様の働きを期待している事を示していると考えられます。

これを裏付ける材料として、ガーディナのニンフである敗残者ヴォーグからも種子に関する話を聞く事が出来ます。

何のつもりだ・・・

いや・・・聞いても無意味か

ニンフを惑わし嗤う・・・
・・・それが種子だったな

だが お前の悪戯
実を結ぶにはもう遅い

霧の足はお前が思うより早い

こんな鉄屑は捨てて
次の玩具を探せ
(敗残者ヴォーグに生体部品8を渡した際の会話より)

ニンフを惑わし嗤う存在が種子である。これは、ネマの会話で言及された種子の働きと一致します。ギプロベルデに種子が派遣され、ニンフの一人を惑わしてガーディナ女王として反逆させたという可能性は高いと思います。

では、何故その様な事を行ったのでしょうか。成立したガーディナに対し、ネマは以下のような評を下しています。

今の中層で一番大きな勢力だね
どうってことはない普通の窟

自分たち以外は皆殺し、必要なモノは殺して奪う
戦士が一番偉くて他は奴隷

そういう普通のニンフの窟
(ネマにガーディナについて尋ねた際の会話より)

ガーディナの目的?
他の窟を滅ぼして回ってる理由ってこと?

下層の異形に上層のアルカンド
上下の脅威への対応とか理由は付けてるんじゃないかな?

・・・でもそんなの嘘

ニンフは戦うために産まれた
だからそうしただけ
(ネマにガーディナの目的について尋ねた際の会話より)

ネマはガーディナのニンフを普通のニンフと表現しています。その方針は「自分たち以外は皆殺し、必要なモノは殺して奪う。戦士が一番偉くて他は奴隷」。一般には略奪者と呼ばれる性質の存在です。またニンフは戦うために産まれたとも述べています。ニンフは闘争本能のみに従って生きている、とでも言いたい様に思えます。

ネマは普通のニンフが存在する窟を、わざわざ種子を派遣して成立させました。すなわち、彼女はガーディナという窟を、標準的なニンフの窟として確立したかった、という事になります。彼女はニンフを略奪と闘争に生きる兵器として、デザインしたかったのではないでしょうか。

しかし、何故ネマがそれを目的としたのかは分かりません。これを推測するため、別の視点からアプローチしてみます。
ホドの成立
途方もなく巨大な竪穴の中で
主を失った機械たちが彷徨い続けてるの

今となってはどこまで広がっているかもわからない
(ネマにホドについて尋ねた際の会話より)

大昔の炭素生物が発見した素材

工程次第でありとあらゆる性質に変化し、
自己増殖までする

ホドのものは全てセルでできてるよ
ホド自体も含めてすべて
(ネマにセルについて尋ねた際の会話より)

ホドはドールズネストの舞台となる世界であり、その構成物の全てがセルから構成されています。中々スケールの大きな話です。セルは工程次第でありとあらゆる性質に変化し、自己増殖までする。浄水層に存在していた水と思しき液体資源や、彼方に輝く人工太陽もセルであるのは驚嘆に値します。ホドが今となってはどこまで広がっているかもわからないというのは、自己増殖の結果、ホドが時間の経過と共にその規模を拡大してしまった事を示唆しているのだと思います。



人工太陽に対する記述は武装にも見られます。

高出力のコロニー連邦・アルカンド産。
BG112 A6が大型・高出力化されたもの。
アルカンドの前身となったコロニーは、上層を根拠地とした当初から、熱塵兵器の研究に資源を注いできた。
遮蔽物が少なく、何より人工太陽の照らす「空」という広大な空間を有する上層では、高精度・長射程の火器が求められ、これに熱塵兵器の特性が合致したのである。
(Sys302-D G03 Clew説明文より)

さて、このセルは大昔の炭素生物が発見した素材との事でした。ならば、今度はこの炭素生物とセルについて調べてみましょう。

炭素生物と思しき存在、ヒトに関する記述は前時代の、メタメトリア社が開発した武器の説明文に見られます。

標準的な性能の突撃銃。

前時代の巨大企業メタメトリア社設計。
突出した性能はないが、高い汎用性のため、多くの国で制式装備に採用され、極めて広範に普及した。
ヒトと呼ばれた彼らが滅びた後も、ホドに残された自律工廠で生産が続いている。
(AR102 A2 Gladius説明文より)

ヒトの装備はニンフも問題なく取り扱えます。当然ながら銃器は本来の使用者が扱いやすいようデザインされているので、ニンフとヒトの体格は概ね一致していると見て良いでしょう。もう一つ、事例を提示します。

標準的な性能の自動狙撃銃。

前時代の巨大企業メタメトリア社設計。
威力と精度に優れた大型の小銃で、自動狙撃銃に分類される。
前時代においては、重要と反動の点で調達は少数に留まっていたと見られ、ホド内部で発見されることは稀。
だが、鎧化兵という新たな使い手を得たことで、本機はついに真価を発揮する機会を得た。
(SR308 A6 AwlPike説明文より)

鎧殻を纏ったニンフが十分にヒトの装備を扱いこなしていた事が、ここから伺えます。また、次のような話もネマから聞けます。

あなたと同じ二本足の子たち
炭素生物にも似てるわね

炭素生物の道具を使うことを
おぼえた機械が次第にあいつらに似た

そんなところじゃないかな
(ネマにニンフについて尋ねた際の会話より)

ニンフも炭素生物と似ており、炭素生物の道具を使う事を示唆されています。やはり、炭素生物はヒトと同一存在であると見て良さそうです。

ヒトは多くの国家を形成しており、銃器の自律工廠を保有するなど高度な軍事設備も保有していた事が伺えます。その一部はホドにも残されています。

標準的な性能の熱塵銃。

前時代の巨大企業メタメトリア社設計。
携帯型熱塵兵器としてはもっとも初期の物。
熱塵と呼ばれる微粒子状態のセルを荷電、加速して射出する。
いわゆる荷電粒子兵器の研究においては、弾体加速に必要な電力の確保が長年の課題となっていたが、セルの発見による超大容量超小型蓄電池の実用化が、瞬く間にこれを解決した。
視点を変えるのならば、前時代において、エネルギー問題の解決は闘争の根絶に一切繋がらなかったのである。
(BG112 A6 Scimitar説明文より)

また、ヒトは発見したセルをエネルギー源として利用しましたが、同時に兵器への転用も行っていました。ヒトもまた、闘争に明け暮れていたようですね。

上層は・・・アルカンドの勢力圏だよ

単一のコロニーじゃなくて
たくさんの小型コロニーの寄せ集め

邦だ神だと・・・
炭素生物共の真似が好きみたい

小賢しい真似をしてくるだろうからそれだけ注意してね
(ネマに上層について尋ねた際の会話より)

炭素生物には信仰・宗教の概念もあったようです。

着弾時に裂傷を引き起こす特殊弾を発射する拳銃。
漏血を誘発する。

前時代の巨大企業メタメトリア社が、専用弾頭と共に開発した。
先端が王冠状に加工された弾頭は、着弾すると、目標を貫通せずに運動量を内部に伝達し、著しい損害を与える。
同時に発見された文書には、本弾頭のヒトに対する使用を禁じている。しかしながら、ニンフはヒトの定義に合致せず、したがって特に考慮する必要はないと考えられる。
(HG002 A3 Keris説明文より)

人道的見地から兵器の適用対象に制限を施す例もあったようです。

また2周目以降に侵入可能な部屋(通称NG+ Room)では更に以下の要素を確認できます。

  • QWERTY配列のキーボードを入力端末とするPC
  • 手術台と手術器具
  • 英語表記の瓶
  • サーバのような直方体の形状をした電子機械

以上より、炭素生物は技術面こそ大幅に異なりますが、それ以外の文化や宗教といった概念に関しては現実の人類とあまり変わらない印象を受けます。

炭素生物とセルとの関連についてはある程度分かりました。ここで、再び話をホドに戻します。ただし、今度は外部から見たホドの話です。

これより貴機に対し 気体振動通信による
敵味方識別信号を送信します。応答してください

こんにちは

敵味方識別信号の受信を確認しました
貴機を友軍機と認定します

現在、当機は環太平洋条約機構最高司令部の
命令に基づき作戦を実行中です

当機の任務は当自己増殖型戦略兵器
通称、ドールズネストの内部調査です

この命令は当機の自己保存に優先されます
起源は当機の擱座まで無期限です
(躯体提供後、下層にて調査任務に復帰したトーキングヘッドとの会話より)

環太平洋条約機構という耳慣れない言葉が飛び出し、面食らった方も多かったのではないでしょうか。現実にも似たような字面の組織は存在しますね。トーキングヘッドの従来の躯体は「環太平洋条約機構自律兵器工廠標準規格改定4989Da」に基づいて製造されていました。ホド内部で提供した躯体も、接続時にエラーこそ多発しましたが稼働に成功しています。ホド内部の躯体も、同規格にある程度適合していた事を示しています。

これらの事実より、環太平洋条約機構は炭素生物が組織したものである可能性が出てきます。太平洋などという文言が含まれているのですから、地球同様に海の存在する惑星で組織されたのかも知れません。

ホド内部に炭素生物が用いた銃器の自律工廠が残されている事は、ホドと炭素生物の間での接触事例の存在を示唆しています。セルが自己増殖機能を有し、ホドもまたセルから構成されている事実を踏まえれば、自己増殖型戦略兵器ドールズネストはホドそのものではないかと思います。

炭素生物からはホドは自己増殖型戦略兵器と認識されている。かつ、炭素生物はセルを兵器に転用し、闘争に明け暮れていた。ホドにも炭素生物の痕跡が多々遺されていた。ここから推測できるのは、炭素生物が闘争手段の一つとして、ドールズネストを造った可能性です。

しかし、炭素生物の制御下に有るならわざわざ内部調査のためにトーキングヘッドが送り込まれてくるとは思えません。ホド内部に存在したと思われる炭素生物も滅んではいないでしょう。開発中、あるいは完成後に不測の事態が発生し、炭素生物の制御を離れてしまったと考えるのが自然です。なぜ制御不能になってしまったのか。

その答えが、ネマです。作中でのネマはホドの一部区画の隔離権限や二層間での転送装置の操作権限を有し、不発に終わりましたが種子への強制命令権も行使しようとしていました。また、彼女自身も強大なセル制御能力を有しています。作中でリアルタイムでの武装や形態の変化をやってのけたのは彼女のみです。躰の構成要素もアーキタイプ・セルと呼ばれており、これはすべてのセルの原型となっています。ホドの管理者と呼ぶにふさわしい存在でしょう。

ドールズネストの中枢は彼女であり、彼女もまた炭素生物に造られた存在かもしれません。ただし、彼女は炭素生物を下位の存在として認識している節が有ります。彼女が炭素生物に反旗を翻したのが、ドールズネストが炭素生物の制御を離れた原因ではないかと思います。

ドールズネストは炭素生物の制御を離れた後も、セルの自己増殖能力により肥大化を続け、現在のホドとなったというのが私の推測となります。
ニンフの誕生
ネマが兵器として造られたのならば、より強大な力を求めるのは自然なことと言えます。極めて好戦的で強大な力を持つニンフを造ろうとしたのも頷けるのではないでしょうか。

しかし、意外なことにニンフは元々ネマが造り出した存在ではありません。

炭素生物共の手に拠らず
ホド内部で独自に産まれたモノの呼び名だよ

設計図があって産まれたわけじゃないから
文字通り異形の姿のものが多いね

異形だなんて呼んでる当のニンフたちも
立派な異形の一種なんだよ
(ネマに異形について尋ねた際の会話より)

炭素生物の手に拠らない、ホド内部で独自に産まれたモノであり、かつ設計図に基づいて産み出されていない。ネマも関与していないと見て良いはずです。

では、最初のニンフはどの様にして誕生したのか?その手がかりとして考えられるのが、またしてもトーキングヘッドです。彼女は躯体提供後に禁域へ移動しますが、動力炉の不調により躯体停止の危機に直面していました。事態打開のため、彼女は再度PCに救援を求めてきます。その際、汚染されたリアクターを提供すると停止こそ免れたものの、出力が不安定となり敵性体に遭遇した場合の対処が不可能となりました。彼女にとっては散々な結果のはずなのですが、ここから話は奇妙な展開を迎えます。

友軍機との再開と貴機の健在を喜ばしく思います
こんにちは

当機は現在、自己の希望により調査任務を中断し
胞子状変異種の保護と生育を行っています

これは貴機より提供された動力炉内部で
休眠状態に陥っていたものと推察されます

動力炉の再始動により活動を再開し
現在、当機の内部にて順調に増殖中です

これまでの観察の結果
胞子状変異種は一定間隔で分泌物を排出

この分泌物が有機自律兵器の
栄養源となることが判明しています

よろしければお召し上がりください
当機の中のモノも喜びます

反応炉を接続して以降
未知の感覚に襲われています

感覚・・・?
(禁域にて汚染されたリアクターを提供後、降積地帯へ移動したトーキングヘッドとの会話にて)

なんと、彼女はリアクター内部で休眠していた胞子状変異種の保護と生育に走っていました。ドールズネストの調査任務はどうした!油を売っていて良いのか!それでも命令を忠実に実行する自律機械か!まぁ、そもそもの発端はそんな不良品を与えたPCに有るのですが。
それと、ニンフが有機自律兵器である事がここから伺えます。構成要素が生体部品であることからもある程度予想は付いていたかと思いますが。

しかし、もう一度事態の打開を図るなら、再度PCに動力炉の調達を依頼しても良さそうなものです。調査任務は自己保全に優先し、擱座まで無期限で有効のはずです。それを中断して胞子状変異種の保護と生育を行うのは当初の彼女の目的からすれば合理的ではないと感じます。

更に奇妙なのが、彼女が未知の感覚を獲得している事です。自律機械であれば、躯体に搭載されているセンサー等で感覚を代替しているはずですが、これとは異なる感覚を訴えていることになります。

大変心苦しいのですが、この状態のトーキングヘッドを撃破すると、生体部品1をドロップする事を確認しています。恐らく一部の構成部品が有機化していた物と見られます。トーキングヘッドの有機体への変異が進んだら、ニンフになる未来も有り得たのではないでしょうか?

この可能性を補強する材料がもう一つ有ります。こんにちはと、おはようです。何のことだと思われるかも知れませんが、前者はトーキングヘッドが用いた敵味方識別信号、後者はPCによって左眼を嵌められたネマが最初にPCに向け発した言葉であり、PCへの初期化処理を行う命令でもあります。これはホドにまつわるトリビア第2弾で扱った内容ですが、再掲します。

--------------------おはよう

人形
私の名前を呼んで

(選択肢)

問題なし
そのまま義務を果たして

この哀れな残骸・・・

私の奪われた躰を取り戻すこと
それがあなたの産まれた理由

根が繋がったみたいだよ
綺麗な花・・・

どんな手段も許す
躰を取り戻して

行って、人形
(ネマに主の左眼をはめた直後の会話より)

自律警備車両から得た主の左眼を、朽ちた育房に放置されていたヒトガタにはめた直後の会話が上記の内容でした。

なお、選択肢は以下の通りです。

  • 「ネマ」
  • 「我が主 ネマ」

この会話の流れは次の様に解釈できます。

  • PCの初期化
  • 初期化処理の結果確認(正常終了)
  • 追加命令の定義
  • 実行命令

いやいや、ちょっと待て。まるで意味が分からんぞ。実行命令は「行って、人形」なのは分かる。それ以外は一体なんだ?ご安心下さい、ちゃんと説明しますから。

まず、最初にネマがPCに付けた「糸」について説明します。

・・・ご苦労様
これで取り戻せる、私の躰を・・・

そしたら
今を終わらせて、次にする

あなたも連れていきたいけど
その右眼が必要なの

だからもう最後
ありがとう

・・・右眼を捧げよ
私に命を捧げる喜びを抱いて死せ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・?

いつから糸が切れてたの?

・・・あぁ
そうね・・・もう・・・

躰があるなら・・・それで
・・・下で待ってる・・・
(主の一部を全て取り戻した際のネマとの会話より)

ネマはPCにガッチリくっついて離れなくなってしまった自分の右眼を回収するため、PCに自害するよう命令しました。しかし、命令に従わないPCを見て、「糸が切れた」と判断しました。糸が繋がっていたなら、PCは命令通り自害したのでしょう。

つまりネマは過去に、PCに「糸を付けている」事になります。付けたタイミングを推測するなら、最初に遭った時。「我が主 ネマ」と答える直前の、「おはよう」の第一声を放った時と考えるのが妥当でしょう。

その後、命令に絶対服従する状態かどうかを確認するために、「人形 私の名前を呼んで」と続けています。その後の返答に対して「問題なし」と、意図した状態になっている事を確認。そこから「そのまま義務を果たして」と義務については予め与えられた内容のまま続行を指示。「この哀れな残骸の躰を取り戻して」と追加で命令を定義。「行って、人形」で命令を実行させる、といった流れになっているのだと判断します。

なお、ここで義務と追加命令は同一内容ではないのか、と考える方も居るかと思います。この疑問に答えるため、以下の会話内容を提示します。

酷いにおい

義務を放棄して興じる殺戮は楽しかった?

いいよ・・・
・・・多少の寄り道くらい許す

持って産まれた性能を
生かすなとは言わない
(初めて野良ニンフを撃破した時のネマとの会話より)

野良ニンフを撃破、神経標本を取得して戻ったPCとの会話は、以上の様になっています。

神経標本はPCの強化要素、素体調整に必要なアイテムとなっています。PCが強化されれば、躰を奪還する確率も上がるでしょう。そもそもネマは最初に躰を取り戻すためなら「どんな手段も許す」と明言しているので、野良ニンフとの交戦および撃破をこの命令に関する行動と認めているなら、これに文句を言うことはないでしょう。つまり、義務とは「躰を取り戻す」という命令とは別であり、その内容はより優先順位の高い物である事を意味します。

以上より、ネマと最初に会話を行った際の内容が、当初提示した流れのものであった事を示せたかと思います。

すなわち、ネマはPCに対し、命令に絶対服従する状態を作り出す初期化処理を行ったということです。これが、「糸を付ける」という表現の正体でしょう。
(「ネマが人形に付けた操り糸」『そして、地の底でモグラが目覚めた。』)

以上、再掲となります。

「こんにちは」と「おはよう」はどちらも日本語での挨拶です。これが元々ニンフの基となった自律機械に登録されているコマンドであるなら、ニンフもまたこのコマンドを受け付けるのではないでしょうか。もしくは、ネマが初期化処理を書き換えて初期化後の服従対象をネマとするよう改変した可能性も有ります。

加えて、糸が切れたPCにもう一度糸を付けなかった理由についても推測します。単体ではトリビアでも、他の情報と組み合わせれば有用な情報となります。

虹色の光彩を持った右眼。
現在の所有者と融合してしまい、分離は不可能。

これを所持している限りにおいて、主の持つ権限の代理行使者と見なされ、禁止領域へのアクセスが許可される。
(主の右眼説明文より)

ネマがPCの糸が切れているのを認識した時、PCにはネマの右眼が融合して分離が不可能な状態でした。そして、PCはこの右眼によってネマの持つ権限の代理行使者と見なされています。この時点におけるPCの権限はどの程度のものでしょうか。

最後に利用した機械根へ記憶を瞬時に転送し、再成形を行う。
一度使うと消滅する。

かつて存在したコロニー・アーヴドにおいて高位のニンフたちに利用されていたが、現在では起動方法が失われてしまっている。
(基幹接続コード説明文より)

機械根への転送が解放されたのは、ネマに左眼を嵌めて以降の話となります。起動方法が失われたのは、ネマが躰をバラバラにされたからではないかと考えます。PCもこの機能を利用できているので、ネマに命令を受けた時点でアーヴドの高位ニンフに相当する権限を与えられていそうです。しかし、進入不可区域を踏破するには結局右眼の力が必要でした。よって、右眼が融合した時点でのPCの権限はアーヴドの高位ニンフより高く、かつネマと同等か、もしくは低い状態にあると考えられます。ネマと同等か低い状態としたのは、この時点でのネマが右眼を欠いた状態であり、管理者としては不完全だからです。

パソコンを例に挙げます。セキュリティリスクを回避するため、管理する為のコマンドにはコマンド自体を実行する為の権限や、実行対象となるファイルにアクセスする為の権限が必要となります。

ネマがPCに再度糸を付けるのを放棄したのは、右眼の融合によりPCに初期化処理を行う為に必要となる権限レベルが上がり、それが不可能となってしまったからだと推測します。

融合した右眼については他にも興味深い事実が有りますが、ここで扱うべき内容の範囲を超えるので一旦話を打ち切ります。

いずれにせよ、トーキングヘッドの存在は、自律機械とニンフの関係を見直す材料であることは確かだと思います。
ネマのテコ入れ
さて、ホドに産まれ落ちたニンフの話の続きです。彼女の、あるいは彼女達の置かれた状況は決して楽なものではありませんでした。

熱量耐性に優れる中量級拡張頭環。

原初のコロニー・アーヴドが産出した最初期の鎧殻。

鎧殻の開発は、下層に発生した弱小種族でしかなかったニンフが、ホド全域へと播種する「大繁殖」の原動力となった。
(LCF05v2 Tropaion-HS説明文より)

熱量耐性に優れる汎用脚型の中量級機動外肢。

原初のコロニー・アーヴドが産出した最初期の鎧殻。

拡張頭環、砲架副腕、特技背嚢、加速翅、機動外肢からなる鎧殻の基礎仕様が本機によって確立され、各部位の置換が可能となった。
(LCF05v2 Tropaion-MB説明文より)

四連装の誘導兵器。
汎用性に優れ非常に扱いやすい。

原初のコロニー・アーヴド産。
最初期の副腕兵装であり、設計は古いものの、バランスの取れた威力と装填数、自律誘導機能による打ち放し能力と、汎用性及び取り回しの良さでは現在に至るも並ぶものがなく、戦闘型ニンフの標準装備として、各コロニーで採用され続けている。

鎧殻、わけても砲架副腕の実用化による対装甲火力の飛躍的増大は、彷徨する自律機械から逃げ隠れするばかりだった妖精たちを、狩人たらしめた。
(LCF05v2 Gungnir説明文より)

当初のニンフは弱小種族であり、自律機械から逃げ隠れするばかりの存在でした。この状況で絶滅する事なく生存していたのは驚嘆に値することです。

その後、ニンフは鎧殻と武装を獲得したことで自律機械に対抗する力を獲得しました。しかし、鎧殻の開発に関しては不明な点が存在しています。

熱量耐性に優れる中量級加速翅。

原初のコロニー・アーヴドが産出した最初期の鎧殻。

当時の鎧殻の開発経緯は謎に包まれている。
何らかの高度な知性体の介入によるとする説も有る。
(LCF05v2 Tropaion-TH説明文より)

ニンフが鎧殻の開発や使用に際し、十分な知識を有していたとは思えません。

中量級の加速翅。
中量級鎧殻としては抜きんでた機動性を有する。

アーヴド産の軽装甲中量級鎧殻。
初の飛行脚型鎧殻であり、すべての航空鎧殻の原型。

航空力学の蓄積を欠いた状態で産出された鎧殻であるため、大推力によって気体を強引に飛行させている。そのため加速力と最高速度では、後発の飛行脚型を上回る。
(SCF05v2 Kuramitsuha-TH説明文より)

最初の鎧殻を産出した原初のコロニー・アーヴドですら、最初の飛行脚型の開発で知識の不足が露呈しています。

物理耐性が高い中量級の砲架副腕。

ガーディナが産出した初の獣脚型鎧殻。
高い生産性の代わりに性能自体は平凡なものに留まっている。

機体から生じる不思議な効果が、揚力と呼ばれる物理現象であるとガーディナが気付いたのは、本機が配備されてから随分後のことだった。
(MBF T02A5 DAMD-HN説明文より)

ギプロベルデから分裂したガーディナは、アーヴドよりも更に知識が不足しています。やはりニンフだけの手で、鎧殻を開発できたとは思えません。何らかの高度な知性体が関与していたと考えるべきでしょう。

航空力学や熱塵兵器の技術においては、炭素生物はニンフの先を行く存在でした。逆さ森で遭遇したファルナは、恐らく炭素生物が遺した航空機を流用したものではないかと思われます。

連射性能に優れる圧縮熱塵銃。

前時代の巨大企業メタメトリア社設計。
ニンフの熱塵兵器技術は、いまだ前時代の水準に及ばない部分が多い。
本器は、圧縮熱塵銃としての威力と精度を持ちながら、通常の熱塵獣とほぼ同様の大きさを保ち、加えて一定の連射性能までも有する。
本分類のニンフ産火器には、各性能において本器を上回るものはあれど、それらの両立という点ではいまだに比する物がない。
(CG153 A4 Javelin説明文より)

ホドに存在する自律兵器も、大本は炭素生物の造った道具です。鎧殻を設計・開発するのに十分な技術を有しているように思えます。しかし、ホド成立時、内部に残されていた炭素生物にそれだけの余裕が有ったかは怪しい所です。ニンフは異形である以上、誕生には相当の年月を要するでしょう。数十年か、それ以上か。激変する環境の中生存するのは至難の業です。ましてや、発生した弱小種族であるニンフに技術を与え、教育するメリットが有るとは思えません。

よって、炭素生物は候補から除外します。残るのはネマです。炭素生物やその作品についてはもちろん、鎧殻や果てはニンフの特性までも理解しています。

身体機能と、それを制御する神経系統を
発達させたニンフのこと

単体戦闘能力が高いだけじゃなく
指揮個体の役割も担えるようにできてる

戦闘から戦争まで、戦いに関する事なら
何でも得意ってこと
(ネマに戦闘型ニンフについて尋ねた際の会話より)

あなたも身につけてるそれのこと

戦闘型の性能を最大限に引き出すために造られた
戦闘型のためだけの装備、もう一つの躰

戦闘型の真価は鎧殻を纏ってこそ発揮される

そして、あなたもね
(ネマに鎧殻について尋ねた際の会話より)

鎧殻は戦闘型ニンフの為の装備であり、種子も戦闘型ニンフと同等の性能を有していることがこれらの会話で示されています。やはり、ネマがニンフに鎧殻やそれに関わる技術の一部を与えた存在と考えるのが妥当に思えます。

これを裏付ける手がかりを三つ提示します。

一つ目は不完全な女王、シャラです。彼女は母上、つまり自分の所属する窟の女王が窟帝なる存在に粛清されたのをきっかけに、三層より協力者を募り、窟帝の弑逆を主導した人物です。彼女の供述は総じて時系列が不明確であり、内容も断片的な物です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・
・・・・・・・・・・・・・眠っていたわ・・・

・・・・・・ええ・・・・・・大丈夫よ・・・
・・・・・・・・・・・・少し疲れただけ・・・・・・

・・・・・・・・・・・・その目・・・・・・・・・・・・
・・・・・・決意してくれたのね・・・・・・

・・・・・・窟帝の絶を 母上が受け入れても・・・
・・・・・・私たちには血を接ぐ義務がある・・・

・・・・・・・・・・・・女王シャラが命じます・・・・・・
・・・・・・ホド三層より烈士を集めなさい・・・・・・

・・・是非もなし・・・・・・
禁裏に推参し 乱心を鎮め奉・・・る・・・
(シャラに白珠を渡し続けた際の会話の一つより)

この窟帝が何者であるか。この手がかりが、二つ目のものです。

アーヴド?

あぁ・・・ここだよ
(ネマにアーヴドについて尋ねた際の会話より)

そもそも、ネマは何者かに躰を奪われたと主張していました。奪ったモノ達は彼女をアーヴドに遺棄した事になります。

私は見ての通り
全てを奪われた死に損ないの残骸

・・・哀れでしょ?
だから、躰を取り戻してきて
(ネマに彼女自身について尋ねた際の会話より)

そして、三つ目の手がかりが窟帝の弑逆について言及したもう一人のモノ。アルカンド連邦中央教会の長、イーデンです。

・・・これは想定外だ

やはり種子は愉快だ
服従しか知らぬニンフ共とは大違いだ

ならば持って行け
襤褸屑殿が待ちかねていよう

何故だと?
時間の無駄だ。うつけの振りはやめよ

貴様と干戈を交えるなぞ
あの産廃めを喜ばすだけであろう

行け
貴様の望み、存分に為せ

窟帝の弑逆者たるイーデンが許す
(近衛隊撃破後、イーデンとの最初の会話より)

この会話中で得られたのが主の一部です。これがネマの躰の一部であった事を踏まえると、窟帝がネマである事は明らかです。すなわち、アーヴドの支配者は女王ではなく、ネマであったということです。彼女が鎧殻や自身の保有する知識の一部をニンフに与え、躍進する機会を与えたのであれば、そのニンフ達を支配する立場となるのも十分考えられる事だと考えます。

ところで、ネマの言葉を信じるなら戦闘型ニンフは人間で言う所のランボーやコマンドーの様な猛者だと考えられます。しかし、その様な存在が初期のニンフに存在していたなら、自律機械から逃げ回るような状況に陥っていたでしょうか?女王も同様です。自衛も困難な状況で、移動の不可能な女王を中心とした窟を、ニンフは築けるでしょうか?どちらも考えにくい事です。

では、どうしてニンフは各層へ広がる「大繁殖」を迎える事が出来たのか。戦闘型ニンフや女王はどうやって産まれたのか。この答えとして、2つのモノを提示します。

妖精たちの原型となったモノの造形情報。
原始の造形が利用可能になる。

いくらヒトガタとはいえ、その愚かさまで真似る必要は有ったのか。
(F0010_LSC_FC説明文より)

妖精たちの原型となったモノの造形情報。
旧型汎用素体の造形が利用可能になる。

原型たるそれらに意志も個もなく、故に着飾る必要もなかった。
(旧型汎用素材説明文より)

妖精たちの原型となったモノ。これは現在のニンフにプロトタイプが存在することを意味します。そして、これは恐らく最初のニンフ達ではありません。炭素生物でもないでしょう。異形として産まれた最初のニンフを基に、ニンフを効率的に生産するよう調整された最初の世代。すなわち、最初の女王ではないかと考えます。戦闘型ニンフも、調整された女王から産まれたか、あるいは産まれた個体を別途調整した事で発生したと考えます。この仕組みを構築したのがネマです。

強力な兵士を育成するという方針に沿うよう、ニンフを改良したのでしょう。

なんの変哲のない凡庸な素体の造形情報。
汎用戦闘素体の造形が利用可能になる。

大繁殖の時代に、ニンフに配給された。
あまりに普及し過ぎたため、今では見向きもされない。
(汎用戦闘素体説明文より)

配給されたという事は、後から戦闘用素体がニンフに与えられた事を意味します。これは個体を後から調整したという事に該当するかと思います。戦闘のセンスや能力においては個体差が存在しそうですが、調整で女王が作れるなら、戦闘型ニンフも後天的に作れるかも知れませんね。

ただし、もう少し効率的に、より強力な戦闘型ニンフを生産しやすくする方法を、ネマは構築しました。それが、女王化の条件設定です。
女王化の条件
まず、女王化に関連する資料として、神経標本を挙げます。

シリンダーに封入された生体部品。

戦闘型ニンフの体内に
希に発生する器官を摘出し、培養したもの。

進化の過程で退化した臓器が帰先遺伝したものと考えられるが、ニンフの女王化となんらかの関係があるとされている。
(神経標本説明文より)

帰先遺伝というのは、要するに先祖返りの事です。では、ニンフの祖先とは何なのでしょうか?これについて考えるために、ニンフの持つ能力についてまず考えます。

BPを回復する。

ブロック状に整形されたセル。

戦闘型ニンフは体内の変換器官と鎧殻の接続により、セルから各種弾薬を生成することができる。

本剤を構成するセルは、この目的に特化して組成されており、体組織の再生には利用できない。
(補給剤説明より)

戦闘型ニンフは体内の変換器官と鎧殻の接続により、セルから各種弾薬を生成することができる。ゲームシステム的にBPを消費して弾薬を補充する処理は、この様に実現されている事が示されています。セルが工程次第でありとあらゆる性質に変化する事を利用した物と言えます。

体内の変換器官は戦闘型ニンフ以外にも備わっています。

ニンフの中でも製造、生産に特化したタイプね

数は少なくはないけれど表には出てこないから
あなたが目にすることは少ないかも

小さいうちは2対の腕で何でも整備して
大きくなると生産する側になる

・・・言葉通りの意味
ニンフ以外の機械なら何でも産む
(ネマに技師型ニンフについて尋ねた際の会話より)

侵食弾頭を発射する突撃銃。

中層の交易コロニー・へロス産。
浸食を誘発する専用弾頭の使用を前提に開発された、特殊な突撃銃。
特に重装甲目標に対し良好な性能を発揮したが、その浸食毒が母体たる技師型をも蝕んだため、ごく少数が産み出されたに留まる。
(Pshik説明文より)

技師型ニンフは文字通り体内から機械を産み出す事が、この二つの記述から読み取れます。これもセル転換器官の働きによるものだと判断できます。今、スケテを見て何か良からぬ想像をしませんでしたか?少なくとも私はしました。手近なサンプルが有れば考えてしまうのは仕方のないことだよね。

女王になるとこれに加えてニンフも産めるようになるのでしょう。深層で遭遇した不完全な女王、シャラはニンフこそ産み出す事は出来ませんでしたが、ニンフの一部である生体部品や、xxx RAMという歪な武装を産み出していました。

大口径圧縮熱塵銃。
詳細不明。

出処不明の火器。
三基の熱塵加速器によって動作し、高密度の熱塵を発射する。
長射程・高威力という点から圧縮熱塵銃に分類されているが、これは融缶の出力不足によるもので、本来は連射を想定した設計と思われる。
仮に想定された能力を発揮すれば、あらゆる性能において既存の熱塵兵器を凌駕する火器となるが、現在ホドにはそれを可能にする融缶や小型反応炉は存在せず、近い将来に実用化される可能性も極めて低い。
このため、外部からの給電を前提とした単なる試作品が何らかの理由で流出したものと目されている。
(xxx RAM説明文より)

熱塵兵器ではニンフの先を行く炭素生物の設計した熱塵銃でさえ、越える可能性を秘めた武装。大量の白珠を必要とするとはいえ、これを元は一人のニンフだった存在が産み出したのは、驚嘆すべき事実だと考えます。完全な女王なら、更に洗練された武装を産み出せるのかもしれません。

ところで、戦闘型・技師型ニンフや女王は皆体内でセルを転換して必要なものを産み出しています。言い換えると、彼女達は体内という範囲内でセルの制御能力を行使することが出来ます。3Dプリンタをイメージすると理解しやすいでしょう。セル制御能力の向上は、プリンタの大きさや精度、処理速度の向上を意味します。より精密な作品を、より早く産み出すことが出来る様になるのです。

このセル制御能力において、頂点に立つのがネマです。リアルタイムでの武装・形態変換を行ったのは先に述べた通りですが、それに加え交戦時のネマの正式名称は「原始祖体 ネマ」となっています。

遺伝という以上、ニンフにはネマの「遺伝子の一部」が組み込まれているはずです。女王の設計時にネマが組み込んだのか、アーキタイプ・セルを原型とするセルから構成されたホドの存在には必ず遺伝子の一部が含まれているのか。いずれにせよ、ニンフの祖先をネマとすることに問題はないと考えます。

そして、セル制御能力の強さも女王になる条件として欠かせないものだと考えます。後天的に伸ばせるのか気になる所ですが、神経標本が戦闘型ニンフから発生する器官であることを踏まえると、闘争を繰り返して経験を積むことで、帰先遺伝を起こしやすくなるのではないかと考えています。この場合、女王の役割は基本的に戦闘経験が豊富で、優秀な戦闘型ニンフが担う事となりますが、これはネマの求める強力な兵士を育成することに繋がります。優秀な親から優秀な子を産む試みは、現実でも実例が有ります。

同様の事例は技師型ニンフにも当てはまりそうです。身体能力同様、同じ処理を繰り返していれば能力は向上しても良さそうに思えますし、実際大きくなった技師型ニンフは産出が可能となっています。ただし、現状では技師型ニンフの女王化の可能性を示す資料は見つかっていませんし、仮に能力が向上しても女王として認められるかは怪しい所です。

熱量耐性に優れる中量級砲架副腕。

原初のコロニー・アーヴドが産出した最初期の鎧殻。

一対の腕しかない戦闘型が砲架副腕というもう一対の腕を操れることを理由に、技師型こそが本来のニンフであり、戦闘型は変異種に過ぎないと主張するモノは定期的に現れる。そしておよそ同様の結末を辿る。
(LCF05v2 Tropaion-HN説明文より)

ネマも、普通のニンフの方針について「戦士が一番偉くて他は奴隷」と評していました。戦闘型ニンフが一番地位が高く、技師型や一般型ニンフは低い。結果、女王になることなくその役割を終えるのではないでしょうか。例外がナガラです。

ナガラ通常型ニンフが用いる素体の造形情報。
ナガラ通常素体の造形が使用可能になる。

刀剣と、刀剣を握るモノ、刀剣を作るモノのみが価値を持つという思想ゆえ、他のコロニーと比較しても、ナガラにおける通常型ニンフの境遇は厳しいものだった。

ナガラでは戦闘型ニンフ、技師型ニンフ、技師型ニンフの産み出した武装が重視され、その分一般型ニンフは更に軽視される事となりました。ナガラであれば、技師型ニンフであっても女王として認められるかもしれませんね。もっとも、近接一辺倒であるナガラの在り方が代わるとも思えませんが。

話が長くなりましたが、この時点で私が考える女王化の条件の一つが、候補が闘争を繰り返すことでセル制御能力がある程度向上した戦闘型ニンフである事、と把握して頂ければ十分です。もちろん、他にも条件は存在します。その条件に深く関わってくるのが種子です。
種子の役割
種子についてはネマの目的とネマのテコ入れで触れています。一度まとめてみましょう。

  1. 種子は女王から産まれていないニンフ
  2. 種子はニンフを惑わして女王にする
  3. 種子は実際にギプロベルデに派遣され、ガーディナ女王誕生とガーディナ成立の契機となった
  4. 種子はネマの操り人形である
  5. 種子は戦闘型ニンフと同等の戦闘性能を有する

1-3,5はネマの話から明らかです。4はホドにまつわるトリビア第2弾で、初期化命令の存在を示しました。

実は、ホドにまつわるトリビア第2弾で、もう一つ重要な要素を示しています。「義務」です。ネマの躰を取り戻す事よりも優先順位の高い内容であり、これには神経標本を所持していた野良ニンフが関与しています。

神経標本が女王化に関連していることは先に述べました。女王化の条件として、その候補が闘争を繰り返して一定のセル制御能力を獲得すること、候補が女王となった際に優秀な戦闘型ニンフの誕生が期待でき、これは強力な兵士を育成する事を目指すネマの目的に合致しているという推測も示しました。

これらの事項を総合すると、種子の義務は「神経標本を持つ優秀な戦闘型ニンフを女王候補として選定し、これを女王として覚醒させること」と考えられます。恐らく、野良ニンフも女王候補であったのだと思います。種子であるPCはこれを覚醒させる義務を負っていますが、実際には義務を放棄して交戦し、挙句倒した残骸から神経標本を取り出してキャッキャしながらネマの所に持ち帰ってきたわけです。まぁ、正確にはキャッキャしてたのはPCではなくプレイヤーなのですが。ネマは感情の起伏に乏しい所が有るのではっきりとは分かりませんが、内心相当お怒りだったのではないでしょうか。

ちなみに、最初のお小言を無視して野良ニンフを更に倒し続けていると、再びネマ様のお小言を拝聴する事が出来ます。

戦うのは楽しい?

あらゆるモノを殺し尽くして
最後はどうするの?

ふふ・・・
早く私の躰を集めてきて
(野良ニンフを更に倒し続けた際のネマとの会話より)

心の声を想像するとこんな感じでしょうか。

女王候補を全員殺したら
女王が居なくなって困るでしょ!

そんな事をしている暇があるなら
とっとと躰を集めてきなさい!
(ネマ様の言葉にならない内心を妄想したモノより)

・・・大変ですね?でも強くならないと生き残れないので、全力を尽くしますね?というのがこれに対する私の感想でした。集めてきた神経標本で素体調整の強化に協力して頂き、ネマ様には大変感謝しております。

しかし、なぜPCは女王候補に遭遇しても義務に従わなかったのでしょうか。何人もの候補に遭遇していますが、選べるのは放置か交戦してバラバラにし、鎧殻や武装、神経標本を奪う位です。うーん、ガーディナのニンフの事を悪く言えない気がしてきました。ネマは小言の際匂いについて言及していたので、女王候補からは独特の匂いが漂ってくる可能性が有ります。これにより、対象を識別できたのではないでしょうか。

これに対する一つの答えを提示します。



これは、機械根による転送処理の際、ローディング処理で流れる演出の一つです。各処理の結果を表示しているのですが、認知情報の転写が不安定な終了となっています。転送処理の度に必ずこのステータスとなっているので、PCは相手の認識が毎回あやふやになっている可能性が有ります。

PCが作中で一度もその義務を遂行しなかったのは、単純にその遂行対象を認識できなかったからではないでしょうか。考えると何と言ったら良いか分からない気持ちになりますが。アホな子ホド可愛い?

逆に義務を果たす場合はどういう行動に出たか、という推測も示しておきます。一番手っ取り早いのは、初期化処理の実行です。主であるネマでなくても、もしくはその代行者であれば初期化処理の実行や命令も行えるのではないかと考えます。アルカンド連邦で言う、神と御子の関係の様な物ですね。

熱量耐性が高い重量級拡張頭環。

信頼性の高さからアルカンドで広く普及する。

他コロニーと比較してアルカンド産鎧殻は通信設備の充実で知られる。
神の代理人たる御子の言葉を常に必要としているからだ。

その独特な形状からしばしば"大耳"という愛称で呼ばれている。
(Tls106 G2 Fols-HS説明文より)

ガーディナの場合でしたら、その命令内容は「女王として即位せよ。その後は殺せ、奪え」だったかもしれません。

ここの連中は基本、自分の窟以外
全部皆殺しが基本ですし・・・

その様子だと、あなたも
苦労したんじゃないですか?

・・・噂ではガーディナ女王はとうに耄碌して
もう殺せ奪えしか命令できないとか

それに従うしかできない
それを疑問にさえ思わない・・・

・・・哀れな連中です
無能な諜報工作担当である旅商人エイジャとの会話より)

初期化状態から命令を受けたのであれば、あの異常なまでの攻撃性にも説明が付きます。ガーディナの母体であるギプロベルデ出身のニンフとしてギリー・ベルが存在しますが、同胞と妹と幼精に対する気遣いを忘れないニンフでした。性格に個体差が有る可能性は否定できませんし、イーデンとかいうバグみたいな存在も居るので断定は出来ません。ただ、ギプロベルデのニンフから、「奪え、殺せ」と連呼するガーディナ女王が産まれるとは、どうも想像しにくいのです。

そも、窟においてニンフは産みの親である女王に従う存在です。一般にニンフが女王や窟に反逆する事例は数える程しか有りませんし、これが日常的なことなら言及した資料が存在しても良いはずです。一般に起こり得ないことを無理やり起こす為に、種子が存在しているのだと私は考えます。

これより、新たな女王化の条件が明らかになります。最初の条件と併せて、改めて記載します。

  1. 候補が闘争を繰り返すことでセル制御能力がある程度向上した戦闘型ニンフである事
  2. 候補が命令、あるいは自由意志によって樹形態への移行を行うこと

ここで第二の条件に自由意志の存在を盛り込んでいるのは、女王として誕生する際、種子を必要としなかった可能性のあるケースが存在するからです。
種子は女王化に必須か?
窟において、ニンフは女王に服従する存在であること、少数ながら例外も存在することは先に述べました。今度はその例外について考えてみます。

熱量耐性が高い軽量級砲架副腕。

アーヴド産で最初期の軽量機だが、完成度の高さから現在でも使用される。
あらゆる高機動型鎧殻の原型となった。

軽量・軽装甲・軽武装を企図した本機の採用に激しく反発したニンフの一群があった。
そのうちの一体はやがて女王と為って中層に根を下ろし、独自の鎧殻開発に着手した。
(LCF06v4 Epona-HN説明文より)

軽量・軽装甲・軽武装の構想に激しく反発し、中層で独自の鎧殻開発を行う窟など一つしか考えられません。ギプロベルデです。女王はそのうちの一体とされていますが、一群ごと出ていっても不思議ではありません。むしろ女王一体では窟を確立できないので、一群の他のニンフが防衛・開発に当たったと考える方が自然でしょう。

ギプロベルデ女王は自らの意志で反発し、アーヴドを出奔して中層で根を下ろした可能性も有ります。この場合、第二の条件を種子の存在に拠らずに達成した事になります。第一の条件についてですが、鎧殻の採用に反発しているのでこの一群は主に戦闘型ニンフや技師型ニンフから構成されているのは明らかです。大繁殖時のアーヴドの戦闘型ニンフであれば戦闘経験も豊富ですし、十分満たせる可能性が有ります。

ただし、女王に為る際、種子が関与した可能性もまた否定できません。当時はネマが健在であり、ガーディナの成立時にも種子が介在している以上、それ以前にも種子が存在していると考えるのは自然な事です。よって、これを例外と断ずることは出来ません。ただし、窟の方針に反発したニンフが存在した事例であるのは確かです。

もう一つ、例外の可能性が有るケースを紹介しましょう。

中量級の砲架副腕。
中量級鎧殻としては抜きんでた機動性を有する。

アーヴド産の軽装甲中量級鎧殻。
初の飛行脚型鎧殻であり、すべての航空鎧殻の原型。

鎧殻の開発によって、大穴を制覇したアーヴドは新たな新天地を目指した。上層の更に上、空である。
(SCF05v2 Kuramitsuha-MB説明文より)

中量級の砲架副腕。
中量級鎧殻としては抜きんでた機動性を有する。

アーヴド産の軽装甲中量級鎧殻。
初の飛行脚型鎧殻であり、すべての航空鎧殻の原型。

遥か高みを目指したニンフは、あるはずのない果てに辿り着いた。
そして、その空が偽りと知ってなお、その下で生きることを選んだ。
彼女はやがて上層に根を下ろした初めての女王となる。
後にそれは、アルカンドの名で呼ばれることになる。
(SCF05v2 Kuramitsuha-HN説明文より)

偽りの空の下で生きることを自分の意志で選んだニンフ。これは、アルカンド連邦の前身となるコロニーの女王を指しています。彼女もギプロベルデの女王と同様に、自らの意志で上層に根を下ろすことを決めた可能性が有ります。種子の干渉を受けた可能性が有ることも同様です。

二つの例外が揃いましたが、いずれも種子の介在が疑われるため決定打にはなりません。

ここで、最後の例を挙げます。シャラです。彼女は自分の母、すなわち自分の窟の女王がネマに粛清されたのをきっかけに、女王を自称しています。自称と表現したのは、ご存知の通りシャラは生きたニンフを産めない不完全な女王だからです。これについては、ネマも言及しています。

まだ枯れてなかったんだね
あれが女王になったニンフだよ

もっともアレは女王といえるか怪しいけど

気が向いたら世話をしてあげて
(ネマにシャラについて尋ねた際の会話より)

女王になったが、女王といえるか怪しい存在。解釈するなら、女王(樹形態)になったが、女王(ニンフを産み出す能力を有する)といえるか怪しい存在、と言った所でしょうか。ただ、「気が向いたら世話をしてあげて」とも続けているので、多少の関心こそあれど、恨みはないようです。仮にも自分の躰をバラバラにしたニンフの一人なのですが。

ギプロベルデやアルカンドの前身コロニーの女王と異なり、シャラは第一の条件を満たしていません。しかし、第二の条件を満たした結果として不完全な女王となったと考えられます。この場合、種子は介在しないものと判断できます。種子の義務は女王候補を選定し、これを覚醒させることです。義務上は、候補でないニンフに関わる理由がないのです。この解釈が正しいなら、シャラは完全に自分の意志で樹に変じた事になります。したがって、ギプロベルデやアルカンド前身コロニーの女王のケースと併せて考えれば、女王化に種子が必須でないことが示せるかと思います。
シャラというニンフ
シャラは女王化を考察するにあたり重要な要素であると共に、ネマを弑逆したモノの一人でもあります。シャラというニンフについても、更に掘り下げるべきでしょう。

まず、彼女の出自に関わるかもしれない情報を二つ提示します。ただし、この情報はとても扱いの難しい代物でもあります。

一つが、PCの初期状態における造形一覧です。

以下にこれを示します。

  • F0156_VAN_*
  • F3012_GAL_*
  • F0714_SHR_*
  • 汎用戦闘素体
  • ガーディナ制式汎用行動素体
  • ナガラ通常素体
(*にはFC,BH,FHのいずれも当てはまるものとする)

なお、PCの初期造形はF0156_VAN_*と汎用戦闘素体でした。そのため、これを初期状態と想定します。

残りの造形も対になっていると考えるのが自然に思えるのですが、素体がいずれも汎用や通常である為か、一点物と思われる顔や髪の造形と類似する説明が存在しません。

一部は再掲となりますが、残りの造形情報について記載します。

先陣の誉れを刻んだ造形情報。
英傑の造形が利用可能になる。

かつて海原という危険に満ちた領域が存在したのだという。
(F3012_GAL_*説明文より)

神に仕え神に背いたモノの造形情報。
祭祀の造形が利用可能になる。

母の理と、臣の理、並び立たずば如何。
(F0714_SHR_*説明文より)

ガーディナでもっとも一般的な素体の造形情報。
ガーディナ式汎用行動素体の造形が利用可能になる。

大きな襟が目印。
首巻きの色で、おおよその出自や階級が分かるという。
(ガーディナ制式汎用行動素体説明文より)

ナガラ通常型ニンフが用いる素体の造形情報。
ナガラ通常素体の造形が使用可能になる。

刀剣と、刀剣を握るモノ、刀剣を作るモノのみが価値を持つという思想ゆえ、他のコロニーと比較しても、ナガラにおける通常型ニンフの境遇は厳しいものだった。
(ナガラ通常素体説明文より)

まず一点物を単体として扱い、そこから取得できる情報について考えてみます。

F3012_GAL_*においては「かつて海原という危険に満ちた領域が存在したのだという」という一文に着目します。海原とは広大な海面を指します。ホドでそれらしき光景が見られるのは浄水層のみとなります。なお、アルカンドの前身コロニーの女王となるニンフについて記述されていたSCF05v2 Kuramitsuhaですが、クラミツハは日本神話に登場する水神であるとされています。一方で、先陣の誉れを刻んだ造形情報ともあります。先陣の誉れはナガラが好みそうな表現ですが、初めて上層に根を下ろした事をこう表現するなら、アルカンドの前身コロニーの女王を指すとも解釈できます。ただ、これだけで断定するには弱いと感じます。

次にF0714_SHR_*について。「神に仕え、神に背いたモノ」という表現が目を惹きます。神がネマを指すなら、ネマが統治していたアーヴドに関係しており、かつ反逆したニンフとなるとシャラと考えるのが自然でしょう。祭祀とも形容されているので、神事すなわちネマに関わる事を司っていたかもしれません。彼女自身の言い回しが独特なのも、これを裏付けているように感じます。戦闘型・技師型・一般型というニンフの分類とは別に、アーヴドで一定の地位を確立していた可能性が高くなります。ネマと直接やり取りをするのであれば、その役割はアーヴドのニンフに割り振られるのが自然でしょう。

「母の理と、臣の理、並び立たずば如何。」という一文は反逆に至った経緯を考慮し、母を女王と解釈するなら、女王として血を接ぐか、臣下として滅びを受け入れるか、これらが両立しないならどうするか。こんな所でしょうか。なお、一応神に背いたモノとしてイーデンも存在しますが、彼女ならこんな悩み方はしないでしょう。さっさと計画、行動に移してネマを討伐するだけだと思います。

単体で見た場合に取得できる情報は以上です。次に、素体と組み合わせようとした時に得られる情報について考えてみます。この際、組み合わせの根拠として考えられる要素の一つに、アーカイブナンバー(ARCHIVE NUMBER)と呼ばれるものが有ります。もう一つの取り扱いの難しい情報が、このアーカイブナンバーとなります。

アーカイブナンバーについてはホドにまつわるトリビア第一弾で説明しました。必要な部分だけ説明しますと、アーカイブナンバーは、説明文の書かれた欄の右上に記述されたARCHIVE NUMBER:の文字列以降に記述された数字列を指します。空白で区切られた、3桁と5桁の数字列から構成されているのが特徴です。

造形情報においては、次の様な共通点が有ります。

素体
459 xxxx0
459 xxxx1
前髪
459 xxxx2
後髪
459 xxxx3
(xxxxは任意の数字が入る)

xxxxの部分が一致している造形情報において、素体・顔・前髪・後髪のパーツが同一セットと見做せる場合が多く存在するのは確かです。しかし、その一つが汎用の場合、組み合わせ候補が多数に上る可能性が有り、その関係は一意に定まらなくなります。組み合わせて得られる情報の信頼性が、揺らいでしまうのです。この事より、私はアーカイブナンバーによる関連付けをあまり信用していません。あくまで対象に記述された内容の類似性から、その関連を判断すべきだと考えています。

以上を前置きした上で、FCと素体のアーカイブナンバーからセット情報を割り出してみます。

セット
アーカイブナンバー
素体・造形名
1
459 05020
汎用戦闘素体
1
459 05021
F0156_VAN_FC
2
459 28500
ガーディナ制式汎用行動素体
2
459 28501
F3012_GAL_FC
3
459 97100
ナガラ通常素体
3
459 97101
F0714_SHR_FC

アーカイブナンバーを用いて、ガーディナ制式汎用行動素体はF3012_GAL_FCと、ナガラ通常素体はF0714_SHR_FCと関連付けられました。では、内容での関連はどうでしょうか。

セット2に関しては、単体で見た時の情報と組み合わせて見た時の情報が全く一致しません。ガーディナの階級制や服装についての情報は、F3012_GAL_FCには全く出てきません。

セット3に関しては、多少の関連が見られます。この事を示すために、一つの武装を提示します。

近接戦闘用の汎用刀。
標準的な性能。

前時代の巨大企業メタメトリア社設計。
高周波振動により、高い剪断力を有する。
ホド各地で発見されるが、戦闘指揮官の権威の象徴としての意味合いが強く、実戦使用は稀だったと考えられている。

しかしながら原初のコロニー・アーヴドにおいて、ニンフの一体が本器ただ一刀を以て凄まじい戦果をあげたことで、鎧殻戦闘における近接兵器の有用性を実証した。
かのニンフは後に女王となり、アーヴド根絶後はナガラを名乗った。
(LVB09v1 Balmung説明文より)

ナガラの女王は元はアーヴドの一ニンフであり、近接戦闘において優れた能力を示していた。ナガラが成立したのはアーヴドが根絶された後である。

この情報とセット3から導き出せるのは、シャラがナガラのニンフである可能性です。当然ながら、ナガラの女王はシャラではありません。その場合、ナガラのニンフは一人も存在しなくなるでしょう。ヤシカ・ムシカや敗残兵レキも同様です。

では、シャラがナガラの一般型ニンフであると解釈するのはどうでしょうか。この場合は、シャラがナガラの女王をネマの粛清によって失った後、女王を名乗ったことになります。第一の条件は満たせません。しかし、第二の条件は満たしています。そして、そこに種子は介在していません。この解釈はシャラに対する推測を裏付けるものと言えるでしょう。

ただし、この解釈には難点が有ります。シャラには協力者が居ました。彼女が守子と呼ぶ、三層から烈士を探してきたニンフです。単純に三層を渡り歩くには相応の戦闘能力が必要であり、これを有するのが戦闘型ニンフか種子しか存在しません。ネマ討伐後も、守子はシャラへの協力を続行しています。

・・・・・・・・・・・・あなたも・・・・・・ひどい顔ね・・・・・・
・・・・・・三層会談が決裂したのでしょう・・・・・・

・・・・・・我ら大逆の徒にあらず 弑逆の徒にあらず
稜威に御鎮まりを願うのみ・・・・・・それが・・・

・・・それが・・・神の力を巡って争うなんて・・・

・・・守子よ・・・瞳を守りなさい・・・
・・・勇者たちよ・・・稜威の御印を守りなさい・・・

ホド三層が 再びその意思を一にし
窟帝の再臨を願うその日まで・・・・・・

いつの日か 稜威が再びホドに満ちる時
私は女王としてアーヴドの血を・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・いつの日か・・・
(シャラとの会話より)

しかしネマ討伐後、種子が絶えたこともシャラは供述しています。

・・・・・・・・・・・・ああ・・・・・・そこにいたの・・・・・・
ずっと 守ってくれていたのね・・・・・・

・・・・・・夢を見ていたわ・・・
・・・・・・悪い夢よ・・・・・・

・・・・・・粛清の審判に抗して・・・・・・
・・・・・・私たちが・・・窟帝を弑し奉り・・・・・・

・・・種子は絶え・・・新たな女王が生まれることなく・・・
永遠なるアーヴドはおぞましい異形に飲まれ・・・・・・

・・・・・・・・・・・・なんて・・・恐ろしい・・・・・・・・・・・・
夢で・・・・・・良かった・・・・・・・・・・・・
(シャラとの会話より)

よって、守子は戦闘型ニンフとなります。シャラがナガラの一般型ニンフであるなら、その地位は極めて低いものです。ナガラの戦闘型ニンフが従ってくれるとは思えません。協力者が出来る事自体が相当にイレギュラーな事態となってしまうのです。この事態を説明できる資料が見つかるまでは、シャラがナガラの一般型ニンフであると断定することを避けます。守子の出自についても同様です。

付け加えると、稜威の御印と目される深層昇降機起動コードの一部は、ナガラの戦闘型ニンフである敗残兵レキが所持していました。彼女が勇者の一人であるなら、やはり一般型ニンフの命令を聞くとは思えません。

ここで、一旦シャラについての情報をまとめてみます。

  1. 女王化に至るのに十分な戦闘経験を積んだ戦闘型ニンフではない
  2. ネマ関連の業務を司るならアーヴドのニンフであり、かつ戦闘型・技師型・一般型の分類を越えて一定の地位を得ている
  3. アーヴドか、アーヴドのニンフを女王に据えた下層コロニーの出身である
  4. 元々、コロニー内外を問わずニンフと交渉を行える程度の地位を有していた
  5. 戦闘型ニンフの協力者が居り、これを守子と呼んでいる
  6. 三層会談でネマの扱いに関して会談相手と衝突し、決裂に至った

1,5については十分根拠を示したかと思いますので説明を省きます。2も祭祀の造形の説明文よりある程度推測できる事です。

3は、シャラが自らの窟の女王が粛清された後に行動を開始したことが根拠の一つとなります。アーヴドの血を接ぐ事にこだわっているので、女王はアーヴドのニンフであると考えて良いでしょう。

残りは4,6となりますが、これは次節以降で説明します。根拠を示した上でまとめて説明しようとしたら、1セクション辺りの字数制限を越えてしまいましたので。
三層会談の参加者に関する考察
もう一つが、稜威の御印と目される深層昇降機起動コードの断片や、守子に託した瞳、その他ネマの躰の一部が、ホド三層の各地に点在していたという事実です。シャラはネマの討伐に際し、協力者を募っています。この協力者は引き続き三層会談にも参加していると考えるのが自然です。この会談を通して、参加コロニーの間でこれらの重要な要素を分割管理する事になったと考えられます。したがって、各要素の取得地点、あるいは所持者から参加コロニーを推測する事が可能となります。

分布
所在地・所持者
対象物
上層
イーデン
主の一部
上層
大断層
深層昇降機起動コードの断片
中層
樹窟
深層昇降機起動コードの断片
下層
聖智廟
主の一部
下層
敗残兵レキ
深層昇降機起動コードの断片
下層
聖智廟
主の一部
深層
自律警備車両
主の左眼
深層
所属不明鎧化兵(自律警備車両?)
主の右眼
(大橋倉庫で取得した主の一部は、対象から省く)

上表についていくつか補足します。主の左眼を所持していた自律警備車両と交戦したのは中央大洞穴ですが、これを深層に位置するものと判断しています。根拠はハティの存在です。

いや、すまない
こんな深くでニンフで出会うなんてね・・・

申し遅れたね。僕の名前はハティ
アルカンドの巡礼さ

出られなくて困っていたんだ
本当に助かったよ

お礼になるか分からないけど
これを受け取ってほしい

(再度話しかける)

もしかして・・・君も僕と同じで
真理を求めてここに辿り着いのかい?

何もかも聖典の記述と一致する
ここが僕らの求める根の国に違いない!!

きっとどこかに主が・・・

(再度話しかける)

え?・・・声で自動機械が襲ってくる・・・?
そ・・・それは大変だ・・・

僕が死ねばこの発見は失われる・・・
・・・真実を持ち帰らないと・・・

君も気を付けて・・・アゥラム
(中央大洞穴におけるハティとの会話より。辿り着い->辿り着いた、だと思われます

ハティは自分の居る場所を「こんな深く」と表現しました。その後、彼女は降積地帯(下層)、大森林(中層)、浄水層(上層)と移動しています。

加えて、彼女は中央大洞穴を下層より下に位置する物と述べています。

また会えるとは!

お互い気をつけよう
この下層は異形どもでいっぱいだ

そうだ、これを受け取ってくれ
この前のお礼だよ

(再度話しかける)

聖典に記された根の国が
この下層だとする説は否定されて久しい

この地に跋扈する異形のことなど
聖典には一行も書かれていないからね

だから僕は考えたんだ! ホドには
下層の下があるんじゃないかって・・・

辿り着いた根の国で君に出会った
すべては主の導きだろう

ひとつ、約束しないか
必ず生きて帰るって

君には無事でいてほしいんだ

どうか気を付けて・・・アゥラム・・・
(降積地帯におけるハティとの会話より)

彼女の存在は、同時にPCの知り得ない各層の移動ルートが存在することを示しています。しかしここでは、中央大洞穴の位置が下層より下に位置することの証人として扱います。

大橋倉庫における主の一部は、樹窟から回収された物であると解釈しています。もう少し踏み込んで言うと、樹窟はギプロベルデ根拠地であり、侵攻したガーディナが主の一部を略奪して大橋倉庫へと持ち帰ったものだと解釈しています。

火炎を連続して放射する武器。
廃熱異常を誘発する。

ガーディナが産出した火炎放射器。
高性能の流体燃料を用い、対象を焼却する。
装甲目標に対する効果は薄いものの、軟目標への、特に閉所での制圧戦においては絶大な威力を発揮する。
ガーディナによるコロニー襲撃の最終段階において、籠城を続けるニンフを根拠地もろともに焼き尽くすために用いられる。
ギプロベルデを始め、多くのコロニーが本器によって炎に焼かれて消えた。
(FT T02A1 FAPL説明文より)

  • 樹窟は屋内外を問わず、未だに炎上している部分が見受けられました。同武装の大規模な使用が行われた可能性が有ります。その場合、樹窟が根拠地であった可能性が浮上します。使用された代表的なコロニーがギプロベルデです。
  • 樹窟に存在する侵入制限区域の最奥にはニンフの亡骸が存在し、傍には鎧殻であるVargMund5の一式が遺されていました。このニンフはギプロベルデの戦闘型ニンフと見て良いと思います。
  • 樹窟入口にSSC T08A3 GARが放置されていました。本器を装備したニンフがギプロベルデ根拠地に単騎潜入し、狙撃にて女王を伐採していることがその説明文から明らかになっています。
  • 樹窟には深層昇降機起動コードの断片を守護する群体倉庫が存在しました。この場所で、稜威の御印を守護していた事が示されています。いくらガーディナが見境なく略奪を繰り返す存在だとしても、自らの勢力圏を焼き討ちするほど愚かではないでしょう。

これらの要素を総合し、樹窟をギプロベルデ根拠地と判断します。

また、聖智廟における情報を提示します。

  • 寄生されたニンフと思しき存在を多数確認
  • 寄生汚染を誘発する自律機械の存在
  • A12C2 Salnas-UTより、ポロッカのニンフは体内からの極小の異形による攻撃に悩まされていた事が判明

軽量級の特技背嚢。
特殊兵装は寄生汚染耐性。
常時、寄生汚染の蓄積を軽減する。

ポロッカ産の軽装航空鎧殻。

特技背嚢は、寄生型異形への対応策が施されている。
有毒物質対策に一日の長があったポロッカにとっても、寄生型異形は未知の脅威だった。
それは多発する原因不明の墜落事故という形で始まった。事故現場から回収された鎧殻にも被弾形跡はなかったため、原因が極小の異形による体内からの攻撃によるものだと判明するまでにはしばらくの時を要した。
(A12C2 Salnas-UT説明文より)

以上より、聖智廟をポロッカの領域と判断します。

また、主の左眼は自律警備車両が、主の右眼は所属不明鎧化兵がそれぞれ所持していました。ただし、所属不明鎧化兵の傍には自律警備車両と見られる機体が存在しており、彼女がここから右眼を取得した可能性も有ります。この場合、両眼のいずれも元々は同型の自律警備車両が管理していたという事になります。

自律警備車両の特徴は長大な火砲、重装甲、キャタピラです。これを移動金庫として運用しているコロニーなど、ギプロベルデ以外に存在しないと考えます。

以上より、三層会談における協力者の可能性が有るニンフ、あるいはコロニーは次の様になります。

上層
イーデン
中層
ギプロベルデ
下層
ナガラ
下層
ポロッカ
シャラというニンフその2
これらの要素より、シャラの出身を再び検討します。シャラの発言の数々は彼女がアーヴドやその血を接ぐニンフの出産、ネマに強く執着している事を示していますが、それ以外に彼女の出自を推測できるような思想は確認できません。上表に示されたコロニーも大繁殖で成立している物なので、鎧殻から伺える思想こそ違えど、その女王はいずれもアーヴド出身だと考えられます。これだけでは、絞り込む事は難しいでしょう。

しかし、シャラは少なくとも十分な戦闘経験を積んだ戦闘型ニンフではないことは示されています。よって、自身の移動には相応のリスクを伴います。少なくとも、樹に転じるまではそのはずです。転じる前から守子の協力を得ていたかは定かでありませんが、仮に護衛を伴ったとしても長距離の移動は厳しいように思います。よって、シャラの出身は深層への移動が比較的容易である下層コロニー、もしくはアーヴドと考えるのが妥当ではないかと考えます。

ただし、下層のコロニーは異形による侵攻が原因で滅んでいます。ネマが粛清を開始するなら、その最初の対象はアーヴドとなるはずです。その後ナガラが成立していますが、同様に異形の侵攻で滅んでいたと考えるのが自然です。ナガラと異形の交戦記録も残っています。

極めて軽装甲の軽量級の加速翅。

ナガラの特殊部隊が好んで使用した。
高速白兵戦に特化した調整がなされている。

ナガラ精鋭戦士団は異形の群れに包囲された際、敵の陣地から陣地へと飛び移りながら戦い、同士撃ちを誘発させて潰走させた。ナガラの八巣飛びである。
(Type13 CF Takama-TH説明文より)

粛清と異形侵攻の前後関係について詳しく知りたい所ですが、これを示す唯一の資料が存在しました。

熱量耐性が高い車両脚型の中量級機動外肢。

ポロッカ産の汎用車両型鎧殻。

コロニー化初期には、もともと本機のような車両脚型鎧殻の生産を得意としていたが、ある時を境に、直推脚型への急速な生産転換を行った。
アーヴド崩壊と期を同じくして、走るべき大地が異形に埋め尽くされたからである。
(A2C2 Calrog-MB説明文より)

どうも、アーヴド崩壊と異形の侵攻は同時に起こったようです。アーヴド崩壊とはネマの粛清、すなわち女王の伐採に始まる行動を指すのでしょうか。しかし、この場合だとシャラが三層へ救援要請を出すのが間に合わなくなるので矛盾します。また、LVB09v1 Balmungにアーヴド根絶後にそのニンフの一人が女王となり、ナガラと名乗っているという記述が有ります。しかしナガラを含む下層のコロニーは、異形の侵攻に伴い滅亡しています。

下層は・・・今は異形共の巣窟だね

全てを捕食するために
あの手この手で弱らせてくる

相応の対策がないと
喰われて終わり
(ネマに下層について尋ねた際の会話より)

下層にニンフの窟はないのかって?

昔は結構たくさんあったみたい
ナガラとかは下層のあたりだったかな

いつだったか・・・
異形が大量に発生し始めたの

そのあたりで下層にあったコロニーは
ほとんど異形に飲まれたよ
(ネマに下層のコロニーについて尋ねた際の会話より)

ナガラに関してもネマの粛清後に成立し、その直後に滅び、かつ稜威の御印を持ったニンフが禁域へ脱出するという矛盾が出ます。以上より、アーヴド崩壊はネマの粛清ではなさそうです。

アーヴド根絶をネマの粛清、下層に大量発生した異形の侵攻による陥落をアーヴド崩壊と、別々の事象として解釈するならどうでしょうか。この場合、時系列を離して考える事が出来るので、三層へのシャラの救援要請やネマ討伐を間に挟んでも矛盾は生じません。アーヴドのニンフと異形の交戦も同様です。代わりにネマは女王のみを伐採してニンフは放置したという事実が生まれます。

これは根絶の定義からは外れる様に感じるかもしれません。女王とそれに従うニンフを滅ぼすのが根絶と解釈できると先に申し上げました。ただし、これは外敵から侵攻を受けた場合の話です。今回の様にネマという女王より更に上位に位置する存在がこれを行った場合、抵抗を行うモノは存在しなかったので狭義の意味で女王の伐採のみを指したのだと考えます。実際、シャラと守子以外に反逆を企てたモノは存在しませんでした。

なお、同じポロッカ産の武装にポロッカの最期の様子を記述したモノがありました。

大型の泡電砲。

かつて下層に存在したコロニー・ポロッカ産。
鎧殻用の熱塵砲としては、最大級のもの。異形との戦いの最中に膨大な資源を導入して開発、ポロッカの根絶間際にようやく投入された。
対異形用兵器としては効果の面で疑問が残り、同コロニーが何故貴重な資源を費やしたのかは謎に包まれている。
一説には、ポロッカが開発していたのは、熱塵を利用した新型の推進機構であり、本機はこれを転用した副産物に過ぎないとされる。
記録によればポロッカはその最期、残された火薬と燃料を一斉点火、本拠地を包囲する異形ごと自爆したとされる。だが、この説が語るところでは、同コロニーは完成した超大型熱塵推進機により女王ごと中層へ脱出を図ったのだという。
結末は、さらにふたつに別れる。
ひとつは発射に失敗し、記録どおり閃光の中に消えたというもの、ひとつは中層は愚か上層、そして上層を閉ざす偽りの空さえも突破して、ホドそのものから脱出したというもの。
前者はともかく、後者はあまりにも荒唐無稽であり、考慮の余地はないと思われる。
(S9C3 Bacrar説明文より)

聖智廟に上から光が差しているという点は、無視できない要素であると思います。また、下層・中層を貫く大穴が開いているのも事実です。しかし、浄水層で偽りの空を見上げても、大穴らしきものは見当たりません。私が見落としているだけの可能性もありますが。この説の真偽は、私には分かりません。

しかし、シャラがポロッカ出身であるならこの際に一緒に吹き飛んでいても不思議ではありませんし、その後深層へ赴いて樹に変じる事も考えにくいように思います。

以上より、三層会談の参加者から絞り込んだ場合、シャラの出身はアーヴド、ナガラのいずれかとなります。

3は三層に守子を派遣してその協力を取り付けたり、三層会談へ参加していた事から判断できます。ネマ討伐への協力自体は、アーヴドの支配者が粛清を始めたという事例の特異性を考えれば、難しいことでもないと思います。アーヴドのニンフを女王に持つコロニーであればその力もある程度は把握しているでしょう。矛先が自分達にも及ぶ可能性を示唆すれば、自由意志を持ち得る女王なら応じる可能性は十分に考えられます。この前提で思い当たるのが、種子の件で触れたギプロベルデ女王とアルカンドの前身コロニー女王です。

しかし、シャラが女王を名乗り樹の形態を取ったとしても、事態を収拾した後の会談で影響力を発揮するにも、ある程度の地位が必要となるはずです。これが4の根拠となります。

ネマの例に則るなら、それほど戦闘経験のない戦闘型ニンフ。窟においては上の下辺りの存在ではないかと考えます。

一方、シャラが神事を司る可能性も2で示しました。記述が有る分、地位の根拠は神事を司る事による物だと判断する方が自然に思えます。アーヴド根絶後、ネマ討伐後の各状況において、混乱したニンフ達をまとめるにも好都合でしょう。ナガラの女王に関しては自由意志を持つか判断に足る記述が見つからなかった為先の例で触れませんでしたが、シャラが女王を自称した後、その命令に従って女王と為った可能性も有ります。

以上より、シャラの出身をアーヴドとし、その地位は神事を司るモノである事に拠ると判断します。
三層会談の決裂
最後に6、三層会談でネマの扱いに関して会談相手と衝突し、決裂に至ったという部分について扱います。なぜ、三層会談は決裂してしまったのでしょうか。

これに関しては、NG+ Roomで発見された一つのモノがその答えを提示してくれます。

試作段階で放棄された何か。
何かの右眼のようでもある。

神を弑逆したそのモノは、神無き世界を恐れる女王に告げた。
「神が必要なら、造ればいい」

これは、その失敗作である。
あるいは、神の権能を一端なりとも再現できた以上は
偉大な一歩と言うべきか。

そのモノは、己が手で女神を造ることの無謀さを知り・・・
まずは女王を造ることから始めることにした。
(擬装入構権限説明文より)

擬装入構権限は、入手すると主の右眼同様に侵入制限区域への侵入を可能とします。ネマがこの存在を知っているかは不明です。

・・・右眼もなしに私の権能を突破したの?

いいよ
手段は問わずと命じたもの

残りも取り返してきて
(主の右眼を持たない状態で、初めて主の一部を持ってきた際のネマとの会話より)

心当たりがあるなら言及しても良さそうなものですが、特に何も言いません。

神を弑逆したそのモノと、神無き世界を恐れる女王。

後者はシャラと解釈して良いでしょう。彼女は自身の見た悪夢の一部として、ネマの弑逆により種子が産まれなくなり、これにより新たな女王も産まれることが無くなったと語っています。女王が居なければ、ニンフも産まれません。神無き世界に、アーヴドの血を接ぐニンフが産まれる可能性は無いと認識していたようです。彼女にとっては十分に憂慮すべき事態でしょう。

前者はイーデンです。これについては、ネマの弑逆者が女王の創造を目論んでいることを立証できれば十分でしょう。イーデンが弑逆者なのは既に判明しているので、新たにイーデンが女王の創造を目論んでいることを立証すれば事足ります。以下に、その根拠を三つ示します。

みんなこいつのせい

とある女王が意志なき木偶と化したのも
アルカンドが邦だの教えだの言い出したのも

教会をつくり、邦をつくったニンフは
今度は女王をつくろうとしてる

うまくいくといいね
(ネマにイーデンについて尋ねた際の会話より)

イーデンに対する感情が垣間見える第一声です。イーデンが女王を作ろうとしていることを、ネマは把握しています。ただ、ここから神の創造まで目論んでいると推測するのは困難かもしれません。

荒れ果てた教会で神に祈るモノの造形情報。
修道の造形が利用可能になる。

その師に曰く、必要な物は造ればよい。
(F2024_TKG_FC説明文より)

修道の造形情報は信者、あるいは狂信者であるシラスのものです。ハティを教会に連れて行った場合、彼女はかつて神智院に属しイーデンを師としていたが、ある実験を提案した結果追放された事実について話してくれたと、記憶しています。

その後、ハティを救うために聖なる花を探してきてほしいと、シラスはPCに依頼してきます。

下層で希に咲くきれいな花。

実際には、主としてニンフに寄生する異形の一種。
成長するにつれ、宿主の体表を硬殻化させ、
花弁状の感覚器を出現させる。
これは機械根、もしくは女王への擬態と思われる。
(聖なる花の説明文より)

シラスに聖なる花を渡した場合、彼女はPCがその場を離れた後、ハティに聖なる花を植え付けたと思われます。再び戻ってきたPCが目にしたのは、骨格のみが柱に据え付けられた状態で絶命しているハティと、それを見て「女王の誕生」に狂喜するシラスの姿でした。おめでとう!信者は狂信者にクラスチェンジした!

この辺りの経緯について正確なログを提示しないのは、この会話を確認した時点ではこの様な考察文章を書くとは夢にも思わず、以降の情報取得作業でもこのルートを改めて確認しなかったからです。考察する以上ハティやシラスの会話を提示するのが当然なのですが、それすらも躊躇われる程度には、この光景を目にした時の心情は実に複雑なものでした。少しばかり記述しますが、考察には直接関係しません。読み飛ばしても支障は有りません。

私は、ハティを気に入っています。彼女は根の国の実在を確信し、中央教会にこれを報告した結果異端者の烙印を押されました。結果、中央教会やアルカンドが何かを隠していることを確信し、これに興味を示しています。好奇心は猫を殺すとは良く言ったものですが、苦境にあってなお真実を探求しようとする在り様は中々好ましく思えるものでした。加えて、その出身上他の窟のニンフとも友好的な関係を築くことの出来る稀有な存在でもあります。失うには惜しいと感じます。

聖なる花の説明文にあった知識を既にイーデンが知っていたかは定かでありませんが、シラスを追放した事実を踏まえれば、恐らく知っていたのでしょう。しかしシラスはこの実験を自らの良心と使命感と探究心に基づき、救済対象であるハティに行いました。

その後の結果を良く見れば、シラスは実験が失敗であった事に気付いたかも知れません。しかし、少なくとも結果を目にした瞬間は狂喜していました。

動機がどうであれ、真理を探求するモノが、同じ真理を探求するモノを無意味に犠牲にし、その事実に気づくことなく狂喜しているという事実が目の前に提示されました。これは、実に許し難いものでした。私はしばし黙考した後シラスを斬り捨て、以降このルートを確認することは有りませんでした。私は信者シラスを嫌ってはいませんが、狂信者シラスは忌み嫌っています。


心情描写終わり。

最後に、彼女の傍で玉座に座っていた御子シェオルの存在も挙げておきます。シェオルを斬り捨てると、神経標本をドロップします。これもイーデンが女王について研究していた事を証明する一つの要素と言えるでしょう。実に後味の悪い収穫でした。

以上より、イーデンが女王について研究していた事実が示され、イーデンが神の創造を目論んだモノであることを証明出来たかと思います。同時にイーデンがネマに代わる新たな神の創造を、シャラに提案したという事実が浮かび上がります。

しかし、シャラはネマの再臨を望んでいました。ネマの扱いに対する方針の違いで衝突するのは明らかです。そしてネマと新たな神に共通するのはその権能です。神の力を巡って争うというのは、会談決裂後、シャラとイーデンは敵対する関係となった事を指しているのだと考えます。また、ギプロベルデとアルカンドが緊張状態にあった事はLas012-D G05 Salaの説明文で先に示しました。ギプロベルデはシャラ寄りの立場だったと思われます。この時点で下層の存亡は不明ですが、恐らく存在したとしてもギプロベルデ同様か、更にシャラ寄りの立場を示したのではないかと思います。イーデンの提案はそれだけ異質なものでした。
<これまでのまとめ>
長々と話を展開してきました。度重なる根拠と推測、あるいは妄想の塊を連続して叩きつけられると頭が混乱してくるのではないかと思います。ここで、一旦私の主張をまとめておきます。

  1. ネマは、かつて炭素生物が国家間戦争に用いる自己増殖型戦略兵器「ドールズネスト」の中枢として産み出された存在である。その後ネマは炭素生物に反旗を翻し、独立。開発区域を巻き込んで成立した彼女の領域は、これを構成するセルの自己増殖性から拡大を続け、現在のホドとなった。
  2. ニンフはホド内部で突然変異的に発生し、発生時にネマは関与していない。胞子状変異種と自律機械の接触に起因する可能性がある。
  3. ネマはニンフに対する初期化処理を行う事が出来る。しかし実行には相手の権限が自分よりも低い必要がある。
  4. ネマはニンフに着目し、彼女達を強力な兵士として育成するため、女王という生産形態を備えたプロトタイプを作成。女王から産まれたニンフに、鎧殻やそれを扱うための初歩的な知識、戦闘用の素体を提供し、原初のコロニー・アーヴドを成立させた。
  5. ネマは女王化の条件を設定する事で、より優秀な戦闘型ニンフ、すなわち強力な兵士が産まれてくる傾向を作った。
  6. 種子は女王候補の選定と、その覚醒を円滑に進めるためにネマが造り出したニンフである。ただし、女王の誕生に種子は必須ではない。
  7. ネマが何らかの理由で粛清と称してアーヴドを根絶、祭司であるシャラは女王を失ってなおアーヴドの血を接ぐ為にネマの弑逆を決意。守子と呼ぶ戦闘型ニンフを介し、三層に点在するコロニーに救援を求めた。
  8. ネマ討伐後、その躰は討伐に関わったコロニーの間で分割して管理することとなった。
  9. ネマの不在により新たなニンフが産まれなくなる世界を恐れたシャラに、イーデンが同等の機能を有する新たな神の創造を提案する。しかし、ネマの再臨を希望するシャラと意見が合わず対立。三層会談の決裂に繋がった。

大体、こんな所でしょうか。
ネマが粛清を行った理由
ネマの目的について、大体明らかに出来たと思います。ここで、粛清を行った理由を再び推測してみます。

ネマは強力な兵士を育成することを求めていました。これにはニンフが闘争を続けることが不可欠です。闘争の相手は自律機械でも同じニンフでも構いませんが、闘争そのものを途絶えさせてはなりませんでした。

ネマが粛清を始めた時、大繁殖は既に終わり、ニンフが三層へ展開してからしばらく経っていました。

実は、ニンフ間の争いが顕在化したのはガーディナの成立後からとなっています。成立前でもニンフ間の争いが皆無だったわけではありませんが、少々特殊な事例となります。

有効部耐性が高い中量級拡張頭環。
奇襲からの一撃離脱を前提に、装甲を背面に集中している。

原初のコロニー・アーヴドが開発した高速侵入用航空攻撃鎧殻。

主として、アーヴドに逆心を抱く者を、迅速に根絶するために用いられた。
(SCF19v3 Takemikazuchi-HS説明文より)

本ガイドを執筆する切っ掛けとなった、SCF19v3 Takemikazuchi-HSです。ネマに反逆する窟を迅速に根絶するために本鎧殻が用いられています。すなわち、この場合の目的は闘争そのものではなく、ネマの管理体制の維持となっています。自衛措置である以上、彼女に反抗する窟が出ない限り闘争は起こりません。結局、その性能が主に生かされたのは異形との戦いにおいてだと思われます。

有効部耐性が高い中量級加速翅。
奇襲からの一撃離脱を前提に、装甲を背面に集中している。

原初のコロニー・アーヴドが開発した高速侵入用航空攻撃鎧殻。

本来、空対空戦闘は想定されていなかった。
しかしながら大推力を生かした一撃離脱戦闘により、多くの撃墜戦果をあげている。
(SCF19v3 Takemikazuchi-TH説明文より)

どうやら異形との戦いは空戦だったようですが、ネマの望む闘争とは別物です。

以上より、大繁殖が終わった後のホドは、ニンフが互いに争うことのない安定期に入ったと判断できます。これは、ネマにとっては看過し難い事態だったでしょう。これを打開するため、ネマは種子をギプロベルデに派遣し、極めて凶暴なコロニーであるガーディナを成立させたのではないでしょうか。彼女が躰を取り戻した時に語っていた「今を終わらせて、次にする」というのは、今の安定期に入ってしまったニンフを一掃し、次世代の標準ニンフの窟となるガーディナを三層の覇者に据えるという事を意味していたのではないでしょうか。この場合、粛清対象はアーヴドに留まらず、三層全域に及びます。思ったより大事になってきました。

しかし、この推測には大きな穴が有ります。ネマに下層について尋ねた時の会話を見るに、下層コロニーとアーヴドの滅亡は大量に発生した異形が原因です。単にすっとぼけているだけの可能性も有りますが、この異形にネマが関与していたかは疑問符が付きます。

ネマはガーディナを成立させましたが、それだけです。下層に関しては大量に発生した異形が起こした物です。棚ぼたと言って良いでしょう。現状、ガーディナによる三層統一からは外れていると判断せざるを得ません。
下層滅亡に隠された事実
ここで、一旦ネマの粛清の目的から下層滅亡に話を移します。下層が異形によって滅ぼされているのはご存知の通りです。下層で産出された鎧殻には、この経緯が記されています。例えば、かつて下層に存在したコロニー、ファブラー産の鎧殻・武装について見てみましょう。

標準的な性能の短機関銃。

かつて下層に存在したコロニー・ファブラー産。

概して異形は物量を頼みとし、装甲と遠隔攻撃手段に乏しい。
これに対抗する火器として低威力・短射程だが連射性に優れた短機関銃を開発したのはファブラーらしい堅実な選択だった。
だが弾丸の数より標的の数が多くてはどうしようもなかった。
(FW323 Clest説明文より)

装甲と遠隔攻撃手段に乏しかった様ですが、その膨大な数にファブラーは手を焼いていたようです。

大口径の回転弾倉式拳銃。

ファブラー産の大型拳銃。
異形により勢力圏を完全に包囲された同コロニーが、戦闘型はもちろんのこと、通常型・技師型をも戦力化するために産出した拳銃。
あまりに膨大な異形の群れに対してはほとんど意味を為さなかったが、自決用としては十分な性能を有していた。
(FW089 Torivy説明文より)

FW323 Clestを用いていた時より更に戦局が悪化しているようです。戦闘型だけでなく、通常型・技師型ニンフまでも戦闘に動員しています。結果は失敗だったようです。

ここで、観察対象を下層のファブラーから、中層に位置するへロス産の武装に切り替えます。

片手で扱える小型の機関拳銃。
浸食を誘発する。

中層の交易コロニー・へロス産。
様々な勢力からの発注を受けて兵装を開発するへロスには、ときおり、両立困難な依頼も届けられる。それはたとえば短機関銃の連射力を維持したまま、大きさを拳銃大にまで縮小。しかし目標殺傷力はむしろ向上させた火器、といったものである。
へロスはこの課題に、専用の小口径弾頭を開発。浸食毒によって小口径化による威力と精度の低下を補うことで解決を図った。
結果として生産に必要な資源も極めて膨大となったため、発注元は納品を拒否。そのコロニーは、間もなくガーディナの侵攻を受けて根絶された。一説に拠れば、その根拠地突入の際、ガーディナ兵が本器を使用したという。
(Helz説明文より)

下層と中層のコロニーでは関連が無いと思われるかもしれません。しかし、この説明文には着目すべき点が有ります。Helzの発注元となったコロニーの依頼は「短機関銃の連射力を維持したまま、大きさを拳銃大にまで縮小。しかし目的殺傷力はむしろ向上させた火器」です。短機関銃と拳銃。これは、ファブラーが過去に開発した火器でもあります。そして、Helzはガーディナ兵により、発注元のコロニー根拠地突入に用いられました。

浸食弾頭といえば、同じへロス産でこれを用いていたPshikの存在を思い出します。産出の際、母体となった技師型ニンフすら蝕む危険な代物でした。

もう一つ、ファブラーとへロスの接点を挙げましょう。

熱量耐性に優れる中量級の特技背嚢。
浸食許容量が高く、汚染地帯の捜索に向く。
特殊兵装は浸食耐性。
常時、浸食の蓄積を軽減する。

ファブラーが異形の大量発生により激変した下層環境で生存するために産み出した鎧殻。

紐状の姿勢制御器の先端には、自律稼働型の浸食虫探知機能が内蔵されているが、下層においては常に反応し続けるため、ほとんど意味をなさない。
(FC101 Bostm-UT説明文より)

下層は、大量の浸食虫で埋め尽くされていたようです。

浸食虫に覆いつくされた土地。
肥沃な土地だが、それを求めた者の多くは地に飲まれるという。
(禁域のエリアテキストより)

浸食擲弾を発射する擲弾銃。
着弾時に大量の浸食虫を散布する。

中層の交易コロニー・へロスが、ガーディナの要請に応じて産出した特殊擲弾銃。
浸食虫の兵器利用は、原初のコロニー・アーヴドにおいても検討されたが、コロニー根拠地で使用された際のあまりに致命的な効果を鑑み、その研究自体が禁忌とされた。
時が過ぎ、本器の使用を止められるものは、今やどこにもいない。
(Boldr説明文より)

Boldrもガーディナの要請でへロスが産出した武装です。浸食毒を与えるのはHelz、Pshikと共通していますが、着目すべきはその手段に大量の浸食虫を用い、着弾時にこれを散布することで対象を汚染する事です。

禁域の大地に降り立てば、浸食毒が身体に回り始めました。あの領域で窟など成立できないでしょう。根拠地で用いた場合の致命的な効果は、根絶に他なりません。

また、Boldrは下層の自律機械の余剰物資として搭載されていた物でした。これはトーキングヘッドに下層の躯体を提供した際に判明します。Boldrを運用していた勢力が、下層に存在したことの証明と言えるでしょう。

以上より、次の事実が示されます。

ファブラーを滅ぼしたのはガーディナ兵であり、ガーディナ兵がHelzやBoldrを使用した結果、ファブラーの根拠地は浸食虫で覆われ、禁域と化した。
異形に関する更なる考察
ファブラー根絶にガーディナ兵が関わっていたことが確定しました。衝撃的な事実です。ここで疑問が生じます。ガーディナ兵が侵攻したのはファブラーだけなのでしょうか。

ここで、今度は視点をポロッカに向けてみます。

アーヴド崩壊と共にポロッカの大地も大量の異形で覆われたのはA2C2 Calrog-MBの説明文にあった通りです。しかし、ポロッカとファブラーの異なる点は、大量の異形への対策の有無です。

物理耐性が高い直推脚型の中量級機動外肢。

ポロッカが開発した初の航空型鎧殻。

異形の大増殖により、空に活路を見出さざるを得なかったポロッカは、機動外肢部のみを新規に開発し、既存鎧殻と換装するという強引な実装を行った。
にもかかわらず本機は極めて良好な性能を発揮。ポロッカの車両脚型から推進脚型への転換は、彼女たちですら予想外の速度で伸展した。
空気抵抗と闘い続けてきた彼女たちの鎧殻開発は、むしろ、空においてこそ十全に発揮されたのである。
(A9C2 Valdol-MB説明文より)

三連装榴弾砲。

かつて下層に存在したコロニー・ポロッカが航空鎧化兵用の空対地攻撃兵器として産出した。
下層を埋め尽くす勢いで増殖する異形への対抗手段として開発されたため、爆発の加害半径は非常に広範に及ぶ。
使用に際しては厳密な高度制限が設けられていたが、勇敢なポロッカ航空士たちはしばしばこれを無視し、その末期には、自身もろとも女王に迫る異形を焼き尽くした。
(S7C5 Graf説明文より)

どうやら、ポロッカは空中からの爆撃戦術で大量の異形に対抗したようです。ここで、大量に発生したという異形について考えてみます。大量に発生し、装甲と遠隔攻撃手段に乏しい。下層でこの条件に該当する異形には心当たりが有ります。



一つは、降積地帯で遭遇した異形です。光学迷彩を纏った親機から延々と産み出され、PCへ向かって接近、浸食効果を持つ散弾を発射してくる、大変厄介な存在でした。とはいえ散弾を用いる都合上、距離を置きながら3発程度GPR22v4 ArrowHeadの弾を命中させれば、それ程苦戦する事は有りません。空中から榴弾を撃ち込んでも十分な効果が見込めるでしょう。

親機が光学迷彩を纏っていると判断した理由についても提示します。




親機の撃破後もその姿を確認しづらいのですが、機械根ではなく、キノコのショートカットを経由して戻ってくると実際の姿を確認することができます。機能停止後に視認できたので、稼働時は光学迷彩を纏っていたと考えるのが妥当でしょう。親機は四脚で、曲面を多用した外形と背中にシャワーヘッドのような形の機構を持っています。下層で見られる自律機械とは明らかに設計が異なります。



もう一つが聖智廟で遭遇した異形です。こちらはある程度の時間機銃の掃射を行うのは降積地帯の異形と異なりますが、距離を取れば戦いやすいのは同じです。こちらにも空中からの爆撃戦術は有効でしょう。

さて、ポロッカの取った爆撃戦術も実際効果的だったようです。しかし、その後問題が発生します。

直推脚型の軽量級機動外肢。

ポロッカ産の軽装航空鎧殻。

直推型鎧脚による対地爆撃は異形に対し大きな戦果を上げたが、これに対応するかのように異形にも飛行型の新種が誕生した。
これに対抗する形で開発されたのが本機である。
滑空時の機動性が大きく向上したが、機動力の獲得に必要な軽量化のため防御性能が犠牲になっており、飛行種の増加につれ次第にこの弱点を露わにしていった。
(A12C2 Salnas-MB説明文より)

飛行型の新種。これは大量に発生した異形とは別物であり、私が下層でその存在を確認できなかったモノでもあります。

ここで、再びへロス産の鎧殻を取り上げます。

前面に装甲を集中した直推脚型の中量級機動外肢。

へロスがポロッカ産鎧殻を参考に開発し、主としてガーディナに供与した。
前線の地上部隊への近接航空支援を主目的とする。

被弾前提の任務となるため、装甲を前面に集中して防弾性能を高めている上、片脚を失っても戦闘継続が可能な推力が確保されている。

着装個体が生存している限り、本機は空にあり続ける。
(Voctal説明文より)

へロスがポロッカ産鎧殻を参考に開発し、主としてガーディナに供与した生存性に優れる直推脚型の鎧殻。この説明文は開発経緯と性能を語るに過ぎませんが、下層にガーディナが侵攻した可能性が出てきた場合、また別の意味を持ってきます。

前面に装甲を集中した直推脚型の中量級機動外肢。

へロスがポロッカ産鎧殻を参考に開発し、主としてガーディナに供与した。
前線の地上部隊への近接航空支援を主目的とする。

固体燃料の燃焼が続く限り、推力に任せて上昇し、頂点に達した後はひたすら撃ちまくる。
ポロッカが確立した航空戦術は、ガーディナの流儀にも合っていたようだ。
(Voctal-TH説明文より)

実際、へロスはいい仕事をしています。

物理耐性が高い中量級特技背嚢。
特殊兵装は迎撃型ドローン。
迎撃型小型機を射出する。

ポロッカ産の特技背嚢。

A9C2 Valdolの試験飛行の際、同機に追従して各種情報を収集する随伴機として開発された。初めての試みゆえに墜落事故さえ予想されていたというが、目論見に反して試験は順調に推移したため、こちらも急遽、自律攻撃機に転用された。
(A9C2 Valdol-UT説明文より)

前面に装甲を集中した中量級特技背嚢。
特殊兵装は浮遊型ターレット。
空中浮遊型の熱塵砲台を放出する。

へロスがポロッカ産鎧殻を参考に開発し、主としてガーディナに供与した。
前線の地上部隊への近接航空支援を主目的とする。

小型で撃墜が困難な浮遊砲台は、しばしば本体以上に厄介な存在となる。
(Voctal-UT説明文より)

A9C2 Valdolの後継となるA12C2 Salnasには自律攻撃機は搭載されていませんでしたので、Voctalの浮遊型ターレットはA9C2 Valdolの自律攻撃機を解析した結果と考えるのが妥当です。

軽量級の加速翅。

ポロッカ産の軽装航空鎧殻。

とりわけ加速翅は増槽を兼ねているため、一発の被弾が致命的に誘爆に繋がる危険性がある。
ポロッカ産航空燃料の高性能が逆に仇となったのである。
(A12C2 Salnas-TH説明文より)

A9C2 Valdolは防御性能に問題を抱えていましたが、その後継となるA12C2 Salnasもそれ以上に脆い鎧殻でした。その上、末期のポロッカは航空兵の運用にも問題を抱えていました。

軽量級の砲架副腕。

ポロッカ産の軽装航空鎧殻。

軽量化と同時に整備性の向上も図られ、稼働率も向上している。低下した弾薬積載量を、出撃数で補うという設計企図であったが、一方でポロッカ航空士の負担を増大させる結果にもなった。
(A12C2 Salnas-HN説明文より)

これらの要素より、Voctalを着装したガーディナ航空兵は、ポロッカ航空兵に対して十分優勢に立つ事が可能であると示されました。これは、もしガーディナ兵がファブラーと同様にポロッカにも侵攻していた場合、戦局を優勢に運べるという事を意味します。

ただし、これはあくまで仮定の話です。これを事実として確定するには、ポロッカ侵攻時にへロスがVoctalを開発し、これをガーディナに供与した証拠を示さねばなりません。

実は、ガーディナ航空兵はギプロベルデとも交戦しています。

前面に装甲を集中した直推脚型の中量級機動外肢。

へロスがポロッカ産鎧殻を参考に開発し、主としてガーディナに供与した。
前線の地上部隊への近接航空支援を主目的とする。

航空鎧化兵には身を隠す場所などない。
まして相手がギプロベルデともなれば、正確無比なる大口径砲の射線にその身を晒すことになる。
ゆえにガーディナにおいては、航空兵こそが戦士の中の戦士と称えられたという。
(Voctal-HN説明文より)

ギプロベルデも、飛行型の異形と交戦していることが判明しています。

超大型多銃身式機関砲。

かつて中層に君臨したコロニー・ギプロベルデ産。
その全盛期に、飛行型異形およびアルカンド航空鎧化兵対策に対空火器として開発されたが、水平射撃においても絶大な威力を発揮することから、実際にはガーディナとの戦争において活躍した。

大口径砲弾を高速で連射するため反動もすさまじく、装備する場合は機動が大幅に制限される。

ギプロベルデ根絶後、本器を確保したアルカンドが対地攻撃兵器として航空鎧化兵への搭載を試みたが、空中発射試験において失速、墜落事故に至った。
(GandVolc説明文より)

ガーディナ航空兵は何故かギプロベルデ鎧化兵からも飛行型異形と認識されています。同時にガーディナにおいて水平射撃を想定していますが、これはガーディナが航空兵力を有していると認識していなかった事の表れと言えます。

異形が下層から中層へ侵入してきた経緯についても記述が有ります。

物理耐性が高い車両脚型の中量型機動外肢。

中層最大のコロニー・ガーディナが最初期に産出した鎧殻。
汎用性が高く、現在でも改良型が補給部隊を中心に使われている。

しかしながらギプロベルデの目には、本機は単に貧弱な鎧殻としか映らなかった。彼女たちはガーディナを脅威たりえずと判断し、下層から中層に迫る異形対策に注力した。それこそが本機最大の戦果だったとも言える。
(MRF T05A6 WALV-MB説明文より)

これより、ガーディナ航空兵は下層から中層へと侵攻した事実が導き出されます。こうなると、ポロッカ交戦時にVoctalを供与されたと考えるのが妥当でしょう。すなわち、ガーディナ兵はポロッカにも侵攻し、この根絶に関与していたという事になります。

更に、アーヴドのニンフも異形と空戦をしていたことがSCF19v3 Takemikazuchi-THの説明文より明らかとなっていました。アーヴド侵攻にも関与していた可能性が有ります。

ガーディナが、少なくとも下層に深刻な被害をもたらした存在であった事は十分示されたかと思います。
ニンフの識別手段
しかし、ここで重大な問題が浮上します。下層に侵攻し、その後中層へと到達したガーディナ兵は、終始異形として扱われています。既に交戦経験があるはずのギプロベルデからでさえも、です。何故でしょうか?これを説明するのに丁度良い仮説が有ります。ホドにまつわるトリビア第一弾で挙げた存在、敵味方識別装置です。自分で書いた文ですし、流用しても一切問題は有りません。以下に再掲します。

これは、鎧殻の説明文に時々顔を出す用語です。字面を見る限りでは敵と味方を見分ける為の装置ですね。

敵味方識別のいちばん簡単な例を挙げると、トーキングヘッドが「こんにちは」とPCに声を掛けてPCを友軍機認定した件になります。現実だと、あいさつの代わりに電波を使っているようですね。IFFと略されているようなので、以降はそう呼びます。そっちの方が簡単ですし。なおホドにも電波銃がある以上、ニンフも電波の概念は持っていそうです。

さて、ニンフは匂いで相手の出身を探る傾向があるようです。旅商人エイジャ、調査兵ヨド、信者シラスがPCの匂いについて言及していますね。

でも、戦闘中に匂いを嗅いで敵味方を識別していたら、その間に撃たれそうです。それに戦場では火薬による爆発やらで匂いも吹き飛んでいそうです。非常に厳しい。

なので、匂いの代わりに情報のやり取り(「てめぇどこの窟のモンじゃ!」に対して「ガーディナじゃ!文句あんのかワレェ!」と答えるようなベタベタなアレ)を電波でやってるんじゃないかと思います。これを自動的にやってくれるのがIFFというわけですね。

もし味方だったら普通は何も起こりません。普通は。

敵だと分かったら
ドゴーン!(火砲の発射音)
ボシュッ!(対応するように噴進砲の発射音)

まぁこんな展開になるでしょう。

なお、何も答えずにダンマリを決め込むのも居そうですが、そういうやつは正体不明の敵と見做して良いです。遠慮なくぶっ放しましょう。ネマも「自分達以外は皆殺し」が普通のニンフだって言ってました。

ちなみに、ニンフは自動機械を作ってこれを運用していたりします。自動機械は匂いを嗅いだり出来ない(はずだと勝手に考えてる)ので、この自動機械の判断基準にもIFFが使われているんじゃないかなと勝手に考えてます。

そういえば、ネマも目覚めてPCに掛けた第一声が「おはよう」でしたね。トーキングヘッドといい、この世界のモノは遭った相手にあいさつをする習慣でも有るのでしょうか。

以上、IFFにまつわるトリビアでした。
(「敵味方識別装置って何?」『ホドにまつわるトリビア』より)

再掲終わり。きちんと根拠を示して再利用していきましょう。それと、以降は敵味方識別装置を基本的にIFFと略記します。そちらの方が簡単ですし、ね?

前面に装甲を集中した中量級拡張頭環。

へロスがポロッカ産鎧殻を参考に開発し、主としてガーディナに供与した。
前線の地上部隊への近接航空支援を主目的とする。

想定される任務の性質上、高性能な敵味方識別装置が搭載されたが、いざとなれば味方ごと爆撃するのを躊躇しないのがガーディナだった。
(Voctal-HS説明文より)

IFFは実際にVoctalへと搭載されていました。これは、少なくとも提供元のへロスや提供先のガーディナのニンフが、IFFを不明な存在への識別手段の一つとして、運用していた事を意味します。

また、中層でガーディナが運用している自律機械にも、やはりIFFが搭載されているはずです。きちんと目標を設定しなければ攻撃は出来ません。プログラムに従う機械なら尚更です。

敵と味方を正しく識別するという課題は、他コロニーのニンフや自律機械にも共通します。鎧殻そのものはアーヴドが発祥ですが、アーヴド産の鎧殻には同士討ちについて扱った物は存在しません。またアーヴド産の武装として、LCF05v2 Gungnirという自律誘導兵器も存在しています。誘導兵器自体が敵を正しく識別できないと、大惨事に終わるのは明らかです。

よって、IFF自体は当初から鎧殻・武装に搭載されていた装置である、と考えて良いでしょう。自律機械にも元々IFFが存在し、ニンフはその機構を模倣、あるいは流用して現在も自律機械を運用しているものと考えます。

なお、旅商人エイジャ、信者シラスが匂いについて言及していたのは、彼女達が鎧殻を纏っていなかったからです。IFFには頼れません。加えていずれも兵士ではなかったので、その要素を提示して会話による対応を試みたのではないでしょうか。

ヨドは鎧殻を纏っていますが、自身が盲目であることから嗅覚に頼っています。もしかすると、IFFや鎧殻に搭載されているであろうセンサー以上に依存しているかもしれません。匂いに言及したのもそれが影響していそうです。彼女の役割はガーディナの勢力圏を巡回し、ガーディナに害を与える存在を排除する事ですが、PCの目的が不明だったため早く立ち去るよう忠告してきます。その場で排除しなかったのが、監視対象であった旅商人エイジャの監視を優先したかったからなのか、下層から来たと思われる存在に少し対応を甘くしたからのかは分かりません。ただし、かつてガーディナの輜重兵であり、現在は脱走兵となっているカルラドは容赦なく排除しています。脱走兵となっても、鎧殻に搭載されたIFFは有効だと思われます。カルラドの言動から、ヨドは排除の必要が有ると判断したのでしょう。

ここで、一度ニンフの識別手段についてまとめましょう。

  1. 匂い(嗅覚)
  2. 敵味方識別装置(IFF)
  3. その他の識別対象から収集した情報による自己判断

こんな所だと思います。ただし、交戦時に匂いは当てになりません。IFFによる識別を試み、応答が味方のパターンに一致すれば味方と判断。味方以外の既知のパターンであれば所属は特定できるので、過去事例に沿った対応。未知のパターン、あるいは応答そのものが無ければ、未知の敵と判断。

ガーディナ航空兵がギプロベルデを始めとする各コロニーから異形扱いされたのは、IFFの応答パターンが未知のものに設定されていた事が原因だと結論付けます。

ガーディナ兵が下層滅亡に関与し、更に中層へも侵攻していた事実が明らかとなりました。こうなると、ネマが次世代モデルとしてガーディナを成立させ、このニンフに三層を統一させるという構想も否定しきれなくなってきました。が、下層滅亡の背景はもう少し複雑なものとなります。説明のため、他の異形についても考察します。

下層で暴れた異形は次の3種でした。

  1. 大量に発生した異形
  2. 新種の飛行種(ガーディナ航空兵)
  3. 極小の寄生型異形(ポロッカにて確認)

新種の飛行種に関しては判明したので、残りは極小の寄生型異形と大量に発生した異形となります。
極小の寄生型異形について
極小の寄生型異形は、A12C2 Salnas-UTに記述が有りました。ポロッカのニンフもこれに悩まされていたようです。

寄生型異形に対する記述は他のアイテムでも見られます。

寄生汚染の蓄積を癒す。

寄生型の変異種を好んで捕食する小虫。

暗い小虫もまた寄生型の変異種であり、宿主の体内に潜み、他の寄生型を待ち伏せる。
(暗い小虫説明文より)

一定時間、寄生汚染耐性を得る。

暗い小虫の体液から精製した薬液。

服用するとニンフの体液に作用し寄生汚染を予防することが出来る。

今のところ副作用は報告されていない。
(黒色の注射薬説明文より)

毒を以て毒を制する様でぞっとしませんが、一応対策は有ったようです。なお、暗い小虫や黒色の注射薬は三層の各所で発見できます。聖櫃でも確認できたのは特筆すべき事項かもしれません。ネマも寄生汚染を誘発する攻撃を仕掛けてきたので、何らかの知識や扱いは有していたと考えられます。寄生汚染を誘発するモノが存在したのは下層以下の場所においてのみですが、その対策が中層や上層で発見された理由は不明です。不要な物を携帯する事は無いはずなのですが。

服用すると寄生汚染状態になる。

休眠状態にある寄生型変異種の虫卵。
ニンフの体液に触れると孵化し急激に寄生対象を蝕む。

しばしば特殊作戦に従軍するニンフに自決用として配布される。
(乾いた虫卵説明文より)

これを自決用に配布したろくでも無い所が有ったようです。一体どこなんですかね。なお、これはPCの初期所持品でもあります。ここでは深く考えないことにします。

ポロッカは当初寄生型異形の存在を認識していませんでした。当然、対策など持っているはずもありません。そして、ポロッカのニンフは寄生型異形の攻撃対象と認識されています。仮に寄生型異形の攻撃対象が無差別だとしたら、対策さえ有れば利用することは可能です。しかし、大量に発生した異形とガーディナ地上兵と航空兵も同時に相手にしながら、その対策を開発するのは非常に困難であると考えます。ポロッカが寄生型異形を利用できる可能性は消えました。

では、ガーディナはどうでしょうか。寄生型異形の攻撃が無差別なら、ガーディナも同様の脅威に晒されるはずです。しかし、ガーディナはその後中層へ到達できていますから何らかの対策により回避したか、寄生型異形を操る手段を持っていたと考えるのが妥当でしょう。ただし、少なくともガーディナ兵はギプロベルデやアルカンドには寄生型異形を使用していません。浸食虫もです。どちらも派手に使えば相応の形跡が残ります。聖智廟の寄生されたニンフや、禁域です。中層以上にこういった特徴を持つ区域が存在しない以上は、ガーディナ兵が環境への影響を考慮して使用を自粛したか、あるいはそれを適切に扱う手段を持っていなかった事になります。寄生型異形を利用した武装は現状確認されていませんので、ここではガーディナ兵は寄生型異形への対策を持っていたと判断するに留めます。

さて、この場合奇妙な点が出てきます。必要なモノは殺して奪うのがガーディナの流儀です。ガーディナの大橋倉庫は戦利品の貯蔵庫であり、そこに存在した主の一部はギプロベルデから略奪したという事実が、これまでの推測から導き出せます。

ところが、PCが到達した時、聖智廟には主の一部が残されていました。敵地に存在する資源を奪わなかったことになります。これは、一般に知られるガーディナのニンフの性質に一致しません。根拠地まで壊滅させたのなら、好き放題やりそうなものですが。

主の一部が安置されていた場所には、門番として異常成長個体が存在しました。これの妨害に遭い、略奪よりギプロベルデへの侵攻を優先させたというのなら、筋は通ります。ただし、この場合はガーディナ兵にとって下層コロニーの制圧は中間目標であり、ギプロベルデへの侵攻・制圧が最終目標であったことを意味します。やはり、一般に知られるガーディナのニンフとは性質が異なります。下層に侵攻したガーディナ兵の一団は、高度な戦術の下で行動する、特殊部隊かもしれません。
ガーディナの戦闘教義
ガーディナが高度な戦術を行使できる可能性が示されました。一度この点からガーディナを見直す必要がありそうです。

物理耐性が高い獣脚型の中量級機動外肢。

ガーディナが産出した初の獣脚型鎧殻。
高い生産性の代わりに性能自体は平凡なものに留まっている。

このため同コロニーは性能を運用で補わざるを得なくなり、これを通じて、迂回や包囲、遅滞ひいては戦術という概念そのものを獲得していった。
(MBF T02A5 DAMD-MB説明文より)

迂回については、ギプロベルデ戦での下層ルートからの侵攻が該当しそうです。包囲についてはType13 CF Takama-TH説明文でも触れられていましたが、こちらでも取り扱われています。どちらが先の出来事かは不明です。

重量級の加速翅。
敵集団への単騎突入を想定し、装甲を背面に集中させている。

へロスによって生み出された特注品。
前面防御を切り捨てた特異な鎧殻。

装着者の命ある限り、その機動が止まることはなく。乱戦において特に有効に機能する。
本機に突入されるたび、ガーディナは同士撃ちで甚大な被害を出した。
(Avdra-TH説明文より)

獣脚型の重量級機動外肢。
敵集団への単騎突入を想定し、装甲を背面に集中させている。

へロスによって生み出された特注品。
前面防御を切り捨てた特異な鎧殻。

名も忘れられた小コロニーで歴戦の戦士が着装した。
根拠地に迫るガーディナの軍勢にわずか一機で突入、数度にわたり侵攻を食い止めたという。
(Avdra-MB説明文より)

重量級の加速翅。
敵集団への単騎突入を想定し、装甲を背面に集中させている。

へロスによって生み出された特注品。
前面防御を切り捨てた特異な鎧殻。

本機の単騎突入戦法に手を焼いたガーディナは、ついに包囲する味方ごと一帯を爆撃することで、ついにこれを撃破した。
この際用いられた兵器もへロス産の特注品だったという。中層では珍しくも無い光景である。
(Avdra-HN説明文より)

高速の弾体を発射する大口径泡電銃。

中層の交易コロニー・へロス産。
弾体の低速性を原因とする移動目標への命中率の低さを改善するために、新機軸の閉鎖型銃身を採用している。
結果、弾速のみならず、泡電の圧縮率も向上させることが可能となり、装甲化された機動目標に対しても十分効果的な性能を獲得した。
ただし、弾体の生成と加速の際、銃身には大きな負荷がかかるため、一射ごとに廃熱と冷却を行う必要がある。
連射性能より精度を重視した設計企図が、発注元のガーディナに、ギプロベルデ的と認識され、大規模な採用には至らなかった。
(Diadol説明文より)

単騎で突入してくる堅牢な相手に、包囲して味方ごと一帯を爆撃することでこれを撃破したとあります。へロス産の武装において、相手を爆撃できるだけの能力を有するものは、確認できる限りではこのDiadolのみでした。

遅滞についてはナガラ産の武装で言及されています。

近接戦闘用の熱量長剣。
極めて長大な刀身を発生させる。

ナガラ鎧化兵の主兵装の一つ。
一見すると実体剣と見まごう長大な発振器を保ち、形成されるプラズマ刃はニンフの体長の三倍を超える。乱戦時に用いれば同士打ちが不可避となるため、卓越した個体戦闘能力を有する精鋭のみが佩刀を許される。
武運拙くナガラ戦士団が撤退を余儀なくされた場合、本器を装備した個体が部隊の殿に配置され、単独で遅滞戦闘を行う。この個体が斃されると、新たに別個体が殿に立ち、部隊の安全圏脱出までこれを繰りかえすという。
(Type39 LCS Mitsuha説明文より)

最後に浸透戦術について、へロス産の武装に記述がありました。

消音装置を標準搭載した短機関銃。
有効部への攻撃に適する。

中層の交易コロニーが産出し、ガーディナの特殊鎧化兵に供給されたものと思われる。
母体であるギプロベルデから継承した重火力・重装甲による正面突破がガーディナの基本戦術であると一般に考えられている。
しかしながら、それこそがガーディナによる欺瞞であり、正面攻勢を陽動とした特殊部隊による浸透戦術こそ、その真なる戦闘教義である。
(Creo説明文より)

これに関連する武装として、バウカーン産散弾銃、SLS022を挙げておきます。

消音装置を標準搭載した隠密性に優れた散弾銃。
有効部への攻撃に適する。

上層の小コロニー・バウカーンが産出。
散弾銃はその構造上、消音装置の装着が困難だが、同コロニーは優れた技術力、そして技術開発にかける情熱でもって、これを達成した。
使いどころは非常に限られるものの、散弾の射程距離に接近さえできれば、目標を確実かつ秘密裏に、場合によっては複数同時に処理するすることが可能。
このため、ガーディナが特殊作戦用として本器に興味を示し、へロスに複製を依頼中だという。
(SLS022説明文より。するするは原文のままです

バウカーンの明後日に向いた情熱は、ガーディナの心さえ射止めたようです。きっとあそこのニンフは心から楽しんで鎧殻や武装を産出しているのでしょう。実に羨ましい話です。

現実逃避を止めて話に戻ります。正面攻勢を陽動とした特殊部隊による浸透戦術こそ、ガーディナの真なる戦闘教義である。正面攻勢が正面から攻めることなのは想像が付きますが、浸透戦術はそれだけでは想像が付きません。これは実在する戦術なので、外に答えを求める必要がありそうです。

語源

第一次世界大戦初期、西部戦線は陣地戦に陥っていた。ドイツにおいては、1915年、軍中央で実験部隊が編成され塹壕攻略の研究が行われた。その基本要素は以下のようなものである。

  1. 散兵線の前進ではなく、分隊規模の突撃隊による奇襲突撃を行う。
  2. 攻撃間、敵を制圧するため支援兵器(機関銃、歩兵砲、迫撃砲、間接射撃野戦砲、火炎放射器)を用いる。
  3. 手榴弾を持った兵が塹壕を掃討する。

1916年、ヴェルダンの戦いで実験部隊、すなわち突撃隊は実戦投入された。このとき、敵拠点をさけて前方へ突進するドイツ歩兵の姿を見て、フランス側はこれを浸透戦術と呼び始めた。ただ、ドイツ側はとくに名称を付けていない。

1917年9月のリガ攻勢では、ドイツ軍のこれまでの防御・反撃手法が大規模な攻撃手法に転用され、連合軍は注目した。「攻勢直前に歩兵を最前線に集結させること」「毒ガス弾を混ぜた短時間の強烈な砲撃」「強点をさけて弱点攻撃する」などが観測され、攻撃司令官オスカー・フォン・ユティエの名をとってユティエ戦術と連合軍側は呼んだ。この、いわゆるユティエ戦術は1918年の春季大攻勢でさらに発展し、小部隊にかぎらない広い意味で浸透戦術と呼ばれるようになった。

春季大攻勢

1918年の春季大攻勢におけるドイツ軍の攻撃手法、いわゆる浸透戦術についてジョナサン・ハウスは4つの要素に集約している。

  1. 砲撃:ブルフミュラーに代表される砲兵将校たちは砲撃手法を変えた。注意深く調整されており短いが強烈な砲撃により、(敵の撲滅ではなく)敵を混乱させ防御システムを無力化させることを目指した。
  2. 突撃隊:攻撃の先鋒を務める突撃大隊は、敵の強固な陣地を攻撃できるよう訓練されていた。
  3. 敵防御拠点の迂回:突撃部隊は敵の抵抗の中心を迂回して突進するよう教育されていた。小部隊指揮官は自分の側面を顧みることなく、敵防御のすき間へと前進する権限を有していた。
  4. 敵後方地域の崩壊:春季大攻勢の当初、攻撃準備射撃により通信と指揮所を破壊し、浸透する歩兵も同じような施設を破壊しながら前進した。これにより、イギリス兵は士気崩壊を起こし、4日間で38キロも後退させられた。J.F.C.フラーによれば、イギリス軍は後方部隊から先に崩壊して敗走していったように見えたという。
「浸透戦術」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』2025年7月9日(水)01:31 UTC、URL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B8%E9%80%8F%E6%88%A6%E8%A1%93

大口径弾薬を使用する短機関銃。
威力に優れるが反動も増大している。

中層最大のコロニー・ガーディナ産。

閉所での取り回しのよさと鎧化兵の装甲を削る火力を強引に両立させており、突撃銃の短機関銃の中間的な性能を持つ。
敵コロニー根拠地への強襲時にガーディナ鎧化兵が好んで使用する。
(SMG T12A2 VADT説明文より)

ガーディナの下級兵士が用いる素体の造形情報。
ガーディナ制式戦闘素体の造形が利用可能になる。

これをみたら付近に3機はいると思え。
(ガーディナ制式戦闘素体説明文より)

強襲兵の存在と、基本的に集団で行動する事がこれらの武装や造形情報から示されます。

語源における塹壕攻略の要素、そして実際に投入された突撃隊とガーディナ鎧化兵に共通する要素を探してみます。

  • 分隊規模かは不明だが、突撃隊による奇襲攻撃(SMG T12A2 VADT使用)を行う。
  • 敵の制圧に火炎放射器(FT T02A1 FAPL)を用いる。
  • 塹壕戦で使用する手榴弾(F1破片手榴弾等)も豊富に存在する。
  • 攻勢直前に歩兵を最前線に集結させる行為は、Creoで記述されたガーディナ戦術教義内の正面攻勢による陽動に該当する。
  • 毒ガス弾を混ぜた短時間の強烈な砲撃。Boldrによる浸食榴弾攻撃が該当。
  • 強点を避けて弱点攻撃する。ギプロベルデ根拠地におけるニンフの単騎潜入からの、狙撃による女王伐採。

続いて、春季大攻勢における浸透戦術の4つの要素とガーディナ鎧化兵に共通する要素を探します。

  • 突撃隊の存在
  • 敵防御拠点の迂回。ギプロベルデ戦において、正面からではなく下層からの侵攻ルートを取り、またこれにより生まれた隙で強点を避けた弱点攻撃を行った。

それなりに共通点が見つかりました。下層コロニーとギプロベルデ戦においてBoldrの使用や空戦の有無など、若干の内容の違いは有りますが、浸透戦術を用いていそうに思えます。

他のコロニーと比較しても、下層に侵攻したガーディナ特殊部隊は高度な戦術に基づき行動しているのは明らかと言えるでしょう。

そして、彼女達をへロスが密に支援している事も同様に明らかとなりました。これは、単なる交易の範囲を越えているように感じますし、中層で各地に提供した鎧殻を通し、ガーディナを戦術面で育成しているようにすら感じるのは、私の考えすぎでしょうか。
ガーディナ成立期における状況
ガーディナの特殊部隊が高度な戦術行動を行えたのは先に示しました。その一方で、成立期のギプロベルデとの戦闘は実に絶望的なものでした。

長射程高速の擲弾砲。
推進式弾頭を発射する。

中層最大のコロニー・ガーディナ産。
同コロニーがその樹齢の初期に産出し、現在に至るまで使用されている。
擲弾銃・擲弾砲は、その簡素な構造と製産性の高さから、弱小勢力がしばしば対装甲火器として採用する。
黎明期のガーディナにおいても、本器を携帯した軽量級鎧化兵が、圧倒的な装甲を有するギプロベルデ主力戦闘鎧殻に対し、絶望的な戦闘を繰り広げた。
(RL T04A1 LPR説明文より)

近接戦闘用の杭打機。
高威力だが扱いが難しい。

中層最大のコロニー・ガーディナ産。
ガーディナの黎明期は、ギプロベルデの装甲との戦いの歴史であった。
徹甲奮進弾の直撃にさえ耐えるギプロベルデ主力戦闘鎧殻の装甲に対し、ガーディナに残された手段は本器による肉薄攻撃しかなかった。
超硬度のN4組成杭を電磁力と火薬の複合にて高速で射出する本器をもってすれば、さしものギプロベルデ鎧化兵とて撃破可能である。しかし、本機の装備は機動力の大幅な低下を意味し、この状態での敵機甲部隊への接近はほとんど特攻と同義であった。

一説に拠れば、この時期のギプロベルデ・ガーディナの撃墜比率は10倍以上に昇ったという。
(PB T01A1 GOD説明文より)

超大型誘導兵器。
広範囲の爆発を引き起こす。

中層最大のコロニー・ガーディナ産。
弾頭に大型鎧殻用反応炉を搭載しており、これを意図的に誘爆させることで、広範囲を焼き払う。
当然のことながら、産出効率は劣悪。重量も超大なため、装備した鎧化兵の機動力は大幅に低下し、発射まではほぼ無防備となる。

黎明期のガーディナは、ギプロベルデ主力戦闘鎧殻に対して満足な対装甲兵器をもたず、これに密着しての自爆が数少ない有効な攻撃手段だった。
その当時に蓄積された戦闘情報が、本器の開発に生かされている。
(STM T25A3 Vandak説明文より)

使用と同時に付近を焼夷炸裂によって焼却する近接戦闘用手甲。
高威力広範囲だが自身にも損害を与える。

中層の交易コロニー・ガーディナが産出し、黎明期のガーディナに供与した。
拳部に炸薬が内蔵されており、命中と同時に起爆、発生した液体金属の高熱噴流により、目標表面を穿孔し、内部から焼尽。打撃とともに廃熱異常を誘発するが、この際、使用個体自身も少なからぬ被害を受ける。

手甲型吸着地雷とでもいうべき兵装であり、使用はほぼ自爆前提とある。
だが、当時のガーディナにとって、そもそもギプロベルデの主力戦闘鎧殻との戦闘は生還を期待できないものであり、この欠点は欠点たり得なかった。
(Vorden説明文より)

正直、この状況から挽回できる道が私には見えません。ギプロベルデ・ガーディナの撃墜比率が1:10というのはギプロベルデの損害1に対し、ガーディナの損害が10になるということです。取った戦術も自爆か特攻。これは、ギプロベルデがガーディナを脅威たり得ないと判断するには十分な要素と思われます。本当にこれが当時のガーディナの全戦力なのであれば、ギプロベルデが本気で掛かればガーディナを根絶することは容易かったように思います。とても、下層に侵攻した特殊部隊が所属している窟とは思えません。

ギプロベルデが手心を加えた結果、ガーディナに反攻の機を与えてしまったのか、この圧倒的劣勢すらも、単なるガーディナの欺瞞工作に過ぎなかったのかは私には分かりません。確かなのは、結局ガーディナがギプロベルデを根絶したという事実です。私にはガーディナという窟は、底の知れぬ、薄気味悪い場所に思えます。
<これまでのまとめその2>
色々詰め込みすぎて、再び収拾が付かなくなる事態に陥りそうな気がしてきました。しかも、下層絡みの話はまだまだ続く予定となっております。とはいえ次辺りから視点を変えられると思うので、ここで私の主張を再度まとめられそうです。

  1. ガーディナ兵は下層のファブラー根絶に関与していた。ガーディナ兵が根拠地でHelzやBoldrを使用した結果、ファブラーは禁域と化した。
  2. ガーディナ兵は下層のポロッカ根絶にも関与していた。ポロッカの航空鎧化兵に対しへロスからVoctalの供与を受けてガーディナも航空鎧化兵を獲得、これに対抗。寄生型異形への対策も確立していた。
  3. ガーディナがネマにとっての次世代の標準コロニーである可能性が強まった。
  4. ガーディナ兵はポロッカに対し優位に戦局を展開したが、ポロッカ根絶後も聖智廟に保管されていた主の一部には手を出さなかった。これは、下層コロニーの根絶が中間目標に過ぎず、最終目標であるギプロベルデ根絶を優先した結果である。
  5. 下層に侵攻したガーディナ兵は、ギプロベルデを含む各コロニーのニンフから異形扱いされていた。これは、ガーディナ兵のIFF応答パターンが、他のコロニーにとって未知であったのが原因である。下層に投入された戦力は、ガーディナの特殊部隊である可能性が考えられる。
  6. ガーディナの特殊部隊は高度な戦術行動を取っていた。内容は、迂回と正面攻勢を陽動とした浸透戦術である。
  7. 一方で、黎明期のガーディナは、ギプロベルデに対して自爆や特攻が主流であり、ギプロベルデの損害1に対しガーディナの損害10になる程の、絶望的なまでの劣勢であった。ここからギプロベルデ根絶に及ぶには非常に困難であり、現在強力な特殊部隊を保有しているコロニーとは思えない。

大体、こんな所だと思います。引用と長文と考察の山が一見、あるいは実際に飛躍した主張に小さく圧縮されるのを目の当たりにすると、何とも言えない感情を覚えますね。ここまで駄文を読み進まれた方もさぞ苦労されている事とお察ししますが、今しばらくお付き合い願います。
大量に発生した異形とは何だったのか
さて、散々補足の回り道をしながら、新種の飛行種と極小の寄生型異形について考察をしてきました。最後に、大量に発生した異形について考察します。この異形が光学迷彩を纏った親機から生み出される自律機械であるという推測をお話しました。

下層の異形の中で一番代表的な存在ながら、これを一番後回しにしたのには理由が有ります。

下層にガーディナが侵攻した事実は既に示しました。では、大量に発生した異形とガーディナは何故同士討ちを行わなかったのでしょうか。非常に基本的な事であり、ここまで読み進められてきた方も疑問を持たれたと思います。

この疑問の答えとなるのが敵味方識別装置であるIFFだったのですが、この説明は後の節で行う予定だった為、後に回したというのが理由の一つです。

ガーディナ、大量に発生した異形、そしてその親機が互いにIFFによる友軍機認定を行っていたので、同士討ちが発生しなかったという事ですね。この場合、大量に発生した異形とその親機は、ガーディナか、これに協力する勢力に所属すると考えるのが自然です。

もう一つの理由が光学迷彩の存在です。実は、これを実用化している勢力はコロニーではたったの二つしか有りません。一つの鎧殻により、説明します。

バランスの良い中量級特技背嚢。
特殊兵装は短期光学迷彩。
短時間、透明化し光学探知の影響を受けない。

ガーディナの特殊部隊'霧'で使用される鎧殻。
外見はガーディナの普及型に酷似しているが、へロスによりたびたび徹底的な回収が行われて、中身は別物と化している。

アルカンドから流出した技術をへロスが不完全ながらも解析し再現したもの。
しかしながら、霧がこの機能を利用する稀である。
(Savcan説明文より。この機能を利用するのは稀である。だと思われます

光学迷彩技術のオリジナルはアルカンドであり、これを劣化コピーしたのがへロスという事になります。へロスがガーディナに単なる交易の範囲を越えた協力をしているのは明らかなので、大量に発生した異形とその親機はへロス産なのかと考えたくなります。しかしへロスの技術は不完全であり、迷彩の維持時間も短期です。親機の光学迷彩は稼働時に切れる様子は見られませんでしたので、少し無理が有るように思えます。それに、当時のへロスが光学迷彩を開発する機会も無かったはずです。

バランスの良い中量級砲架副腕。

ガーディナの特殊部隊'霧'で使用される鎧殻。
外見はガーディナの普及型に酷似しているが、へロスによりたびたび徹底的な改修が行われて、中身は別物と化している。

長距離射撃のための測距儀も兼ねている。もともとは長距離狙撃を得意とする「先代」のために用意された機能であり、現在の霧はほとんど利用していない。
(Savcan-HN説明文より)

最初からこの鉄屑に
霧祓いをさせる気だったか?

あれを育てたのが我と知ってか?
それともすべて戯れか

どうでもいい・・・どうでも

あれは霧に必要なすべてを
はじめからもって産まれてきた

あれはみずからの香を持たぬ
息を殺し気配を隠す必要すらない

最初から無きモノとして産まれたのだ
生まれついての霧よ

だからこそ知らぬのだ

霧の恐ろしさを
霧が霧と戦う術を

・・・そんなモノに
・・・・・・負ける道理が何処にある?

我はヴォーグ

ガーディナの長姉
ギプロベルデの女王を討ちしモノぞ
(樹窟に移動したヴォーグとの会話より)

長距離狙撃を得意とする「先代」は、ギプロベルデへ単身潜入し、女王を伐採した存在でもあります。その正体は、大森林に敗残者として潜んでいたヴォーグです。

当代の霧についても語っています。匂いを持たず、察知されることのない存在との事です。これはヨドの事を指しています。

・・・・・・

なんで、ですか

よく・・・みつけますね・・・

なら・・・大姉様・・・
見かけてないですか?

古い・・・鎧化兵で・・・
怪我をしているのですが・・・

私・・・探してるんです・・・

でも、隠れるの・・・上手で・・・
(大橋でのヨドとの会話より)

この後、ヨドに鎧化兵の居場所を教えるか選択する事になります。分岐点は教えた際に樹窟でヴォーグから霧や彼女自身について聞いているかどうか、となります。聞いていれば大橋でヴォーグがヨドを倒しています。聞いていなければ大森林のヴォーグの潜伏場所で、事切れたヴォーグと傍に立っている暗殺者ヨドの姿を見つける事が出来ます。これだけでも関係性を測るには十分だとは思いますが、補強材料としてもう一つ武装の説明文を提示しておきましょう。これはヴォーグがヨドを倒した際、ヨドが所持していた銃です。

消音装置を標準搭載した隠密性に優れた突撃銃。
有効部への攻撃に適する。

中層最大のコロニー・ガーディナ産の突撃銃を原型とする。
小口径ゆえの取り回しの良さ以外特筆すべき点のない突撃銃であり、最初の持ち主にとっても単なる補助兵装に過ぎなかった。

だが、残されたモノには、師姉からの唯一の贈り物だった。

消音装置との際立った相性の良さを彼女に見出され、本器は霧の音無き刃となった。
(AR T18A1 DRANGRA説明文より)

さて、本来の話題に戻ります。ヨドは匂いを持たないモノです。鎧殻・武装も静粛性を重視しています。

彼女の使っていたAR T18A1 DRANGRAは消音装置を標準搭載しており、鎧殻のSavcanも静粛性を重視していました。

バランスの良い獣脚型の中量級機動外肢。

ガーディナの特殊部隊'霧'で使用される鎧殻。
外見はガーディナの普及型に酷似しているが、へロスによりたびたび徹底的な改修が行われて、中身は別物と化している。

粛静性追求によりあらゆる部品が一点物で構成されているため、頻繁に整備を行わなければ性能の維持すら困難。
(Savcan-MB説明文より)

バランスの良い獣脚型の中量級機動外肢。

ガーディナの特殊部隊'霧'で使用される鎧殻。
外見はガーディナの普及型に酷似しているが、へロスによりたびたび徹底的な改修が行われて、中身は別物と化している。

軽量・静音・高効率だが、推進器の出力はさほど高くない。
気付かれずに相手の背中に立てるなら、走ったり飛んだりする必要はないからだ。
(Savcan-TH説明文より)

これだけの対策を打ってなおこれを発見するPCに驚いているので、ヨドの知るニンフは嗅覚・聴覚を主なセンサーとして活用し、視覚にはほとんど頼っていないように思えます。ただし、これが全てのニンフに共通する要素かは不明です。ナガラはType13 CF Takamaの例から視覚を重視していました。ギプロベルデも長大な射程と高い射撃精度を持ちますが、これは誘導装置によるものではありません。正確な観測結果と弾道計算、射手の技術などが総合された結果と考えます。これもまた、視覚に依存する部分が大であると考えます。

物理耐性が高い中量級特技背嚢。
特殊兵装はフレア。
囮熱源を発射し、誘導兵器の追尾を妨害する。

中層最大のコロニー・ガーディナが最初期に産出した鎧殻。
母体であるギプロベルデの影響から脱しきれていないものの汎用性が高く、現在でも改良型が補給部隊を中心に使われている。

ガーディナ戦闘兵は、当初ギプロベルデの正確無比な射撃力を誘導装置によるものと認識していた。
この装備は、その名残である。
(MRF T05A6 WALV-UT説明文より)

超大型実弾砲。

かつて中層に君臨したギプロベルデ産。
ギプロベルデそのものともいえる超大口径砲であり、本器を運用するために、ギプロベルデのすべての鎧殻とニンフたちは産まれたと言っても過言ではない。

絶大な威力と射程、精度を誇る代償として、重量も超大。
本機の搭載を前提に開発されたギプロベルデ産機動外肢を以てしても、機動力の低下を免れない。
(RamdVolc説明文より)

ヴォーグも長距離狙撃に長けていますが、これも視覚に依存する部分が大きい様に思えます。種子でもあるPCは逆に視覚・聴覚を主とし、嗅覚には全く依存していません。単に、ゲームシステムに嗅覚を上手く落とし込めなかった可能性も有りますが。ここでは、ヴォーグ・ヨドがそれぞれ認識しているであろうニンフ像に従って話を進めます。

聴覚の問題は静粛性に優れた鎧殻・武装を用いればクリアできます。残る問題は嗅覚と視覚です。

まずヴォーグが単機潜入し、女王伐採に至った際の状況について考えます。ヴォーグには匂いが有ります。長距離狙撃ならば位置取り次第で匂いで気づかれるリスクを減らせますが、移動の際に視認されるリスクも存在します。相手がギプロベルデである以上、視覚による監視も侮れません。動くモノに対しては更に敏感となったでしょう。彼女は極めて経験の豊富な戦闘型ニンフですし、不完全ながらも光学迷彩が当時のSavcan-UTに搭載されていたなら、可能な限りリスクの低減に努め、これを活用しているはずです。その記述も残されているでしょう。

しかし、記述されていたのは霧がこの機能を利用するのは稀であるという事だけです。当代の霧であるヨドが相対するのは、ギプロベルデの精兵ではなく、その大半はアルカンドの地上鎧化兵や、ガーディナからの脱走兵だと思われます。

熱量耐性が高い中量級砲架副腕。

アルカンドの主力航空鎧殻。

同コロニーは、極めて強力な航空戦力の存在を持ち、これを前提に戦闘教義を構築している。
逆に言えば、アルカンドは空を持たない空間では十全に能力を発揮することが出来ない。
かつてはギプロベルデ、現在はガーディナという中層戦力との間で膠着が続く理由のひとつである。
(Tls127 G2 Faluracan-HN説明文より)

練度が低いか、高くてもその経験を生かせない相手であり、かつ匂いで元々察知される心配も無いならば、最低限の距離を保ちつつ静かに接近する事で光学迷彩を用いる必要はほとんど無かったのだと思います。

先代の霧であるヴォーグが光学迷彩を使用しなかったのなら、少なくともギプロベルデ根絶までは、光学迷彩はSavcanに搭載されなかったと判断できます。すなわち、へロスが下層滅亡の時点で光学迷彩の実用化に至っていなかった、という事です。擬装自走砲や親機の開発も不可能だったでしょう。

続いて、親機と擬装自走砲を作ったのがアルカンドである可能性について考慮します。アルカンドの光学迷彩技術はどうだったのでしょうか。

DPに優れる重量級特技背嚢。
特殊兵装は光学迷彩。
透明化し光学探知の影響を受けない。

中央教会の長イーデンの専用機として、イーデン自らの指揮のもとに開発された。

完全な光学的透明化を達成しているが、膨大なリソース・技術を必要とするため、アルカンドにおいても搭載されているのは本機のみである。
(Edn001 G12 Trius-UT説明文より)

イーデンの専用機の特殊兵装として実装された光学迷彩には、短期という記述が有りません。持続時間の問題はクリアされているように見えます。しかし、アルカンドでも搭載されているのは当該鎧殻のみとされています。膨大なリソース・技術を必要とするので生産が困難なのでしょう。大体、アルカンド連邦とガーディナは敵対関係にあるので協力する理由が無いという事も有ります。こちらも候補から除外すべきでしょうか。

ところが、イーデンと下層について思いもよらない繋がりが見つかりました。

DPに優れる重量級加速翅。

中央教会の長イーデンの専用機として、イーデン自らの指揮のもとに開発された。

イーデン専用機という性質上、詳細は不明。
イーデン着装機の他に、わずかに一機、姉妹機が存在するとされる。
ファブラー、ギプロベルデといったコロニーの末期に出撃、その最期を克明に観察し、教会長と共有したという。
(Edn001 G12 Trius-TH説明文より)

イーデンは膨大なリソースと技術を注ぎ込んで貴重な機体をもう一機生産し、これを着装した戦闘型ニンフにファブラー、ギプロベルデの最期を観察させ、情報を彼女に報告させています。下層滅亡の経緯を、彼女も確認していたことになります。
イーデンの謎
何故、イーデンは姉妹機を下層・中層に派遣して観察させたのでしょうか。連邦の中心であるイーデンが直接他層に赴くのはあまりに危険なので、代理を派遣したというなら一応筋は通ります。しかし、層をまたいだ通信など可能なのでしょうか。

DPに優れる重量級拡張頭環。

中央教会の長イーデンの専用機として、イーデン自らの指揮のもとに開発された。

極めて高度な情報通信能力、演算能力を持つ。
というよりも、それこそが本機の主機能であり、鎧殻としての戦闘能力は副次的なものに過ぎない。
本機こそが中央教会であり、ひいてはアルカンドそのものであると言える。
(Edn001 G12 Trius-HS説明文より)

Edn001 G12 Triusは極めて高度な情報通信能力、演算能力を持つとあります。これは姉妹機にも共通する要素です。Trius同士での通信であれば、遠隔通信も可能だったのかもしれません。

同時に、戦況や情報の分析も可能だったでしょう。派遣した姉妹機での分析が困難であれば、データを送らせてイーデン側で分析をすることも可能です。

なぜイーデン側で分析をする事に意味があるのかですが、これに対する答えとして鎧殻・武装・造形情報を提示します。

DPに優れる重量級砲架副腕。

中央教会の長イーデンの専用機として、イーデン自らの指揮のもとに開発された。

本機のものと目される仕様書が流出したことがある。
奇妙なことに、それによれば本機が性能を最大限に発揮するためには、副腕を含めて三対の腕が必要な仕様となっていた。もしこれが、真正のものであれば協会長は、二対の主腕を持つニンフであることになる。
だが、この件にかかわったニンフは、いずれも消息を絶っており、今となっては追求しようとするモノはいない。
(Edn001 G12 Trius-HN説明文より)

Savcanが造られる切っ掛けとなった技術流出の件について、アルカンド側の視点から取り扱うと共に、イーデンが技師型ニンフである可能性に言及しています。

大型の熱塵拳銃。
高威力だが扱いが難しい。

上層のコロニー連邦・アルカンド産。
協会長イーデンがみずから開発の指揮を執った大型熱塵拳銃。
最早、拳銃の分類を超えた、携帯型熱塵速射砲とでも呼ぶべき火器である。
極めて絶大な、過剰とも言える戦力は、洗練されたアルカンド兵装の中にあって異質であり、
教会長の開発企図を推察することは困難である。
出所不明の風説によれば、教会長には二対の腕があり、その隠された腕の一対で用いる、最後の切り札が本器なのだという。
二対の腕があるとなれば教会長は戦闘型ニンフではなく、そうなれば、彼女が兵器開発全般において優れた知見と技術を持つ理由も明らかなように見える。
(Edn006-D Alfas説明文より)

イーデンが技師型ニンフである可能性を示す、もう一つの情報です。

次世代規格の試験用素体の造形情報。
試作型素体の造形が利用可能になる。

技師型ニンフ用と思われる、副腕のためのスリットが設けられている。
(試作型素体説明文より)

最後に、イーデンが用いていたと目される素体の造形情報です。実際にイーデンの姿を良く見れば二対の腕が確認できるかもしれません。アートワークスではEdn001 G12 Triusを纏い、二対の腕を持つ姿が描写されています。

派遣した戦闘型ニンフの戦況分析と、イーデンの兵器開発全般に優れた知見を組み合わせることで、より多くの情報を得ることが可能となります。イーデンにデータを送信することは、単なる報告以上の意味を持つわけです。

しかし、単に姉妹機に何が出来たかを考えても、何故派遣したのかという答えにはならないでしょう。ここはネマと同様に、まず彼女の置かれた状況や目的を整理して考察の助けとしてみましょう。
姉妹機派遣によるイーデンの目的
イーデンが神を造ろうとし、これが原因でシャラと対立した事は既に示しました。その後挫折し、女王を造る事にしたのも同様です。

では、彼女はいつ、どこで神を造ろうとしたのでしょうか。手掛かりとなった擬装入構権限はNG+ Roomに存在しました。どこでという質問の答えはNG+ Roomで、となります。NG+ Roomは中央大洞穴、すなわち深層に存在します。アーヴドの領域と言えるでしょう。シャラと対立したイーデンが出歩ける場所ではありません。なぜ、イーデンはそこで実験を行う事が出来たのでしょうか。考えられるのはシャラの意志が及ばなくなったから。すなわち、シャラやその協力者達の勢力が無力化したからです。いつ、イーデンは神を造ろうとしたのでしょうか。ようやく答えられます。アーヴドや下層・中層のコロニーが根絶か、もしくはそれに近い状態に陥った後です。

姉妹機はアーヴドへと侵入し、NG+ Roomでイーデンの指示の下、実験を行う役目を担っていたのではないでしょうか。そして、その前提となるコロニーの滅亡を確認していたのではないでしょうか。

その目的を果たすため、Triusをアルカンド連邦のリソースを結集して作った・・・と言いたいのですが、この仮定には無理が有ります。次の鎧殻をご覧下さい。

軽量級の砲架副腕。
装甲を度外視した軽量化により、無類の機動性を持つ。

アルカンドが、その成立期に産出した制空戦闘鎧殻。同コロニーが「大宣教」と呼ぶ大規模侵攻において主力航空鎧殻として活躍した。
機動性を追求するために防御性能は度外視されており、ところどころ骨組みが露出している。

設計に当たっては滅亡したナガラから流れついた技師の協力があったとされる。その技師は軽量化のために銃火器さえ携帯せず、刀剣一本のみを兵装とするよう要請したとされるが、さすがにその意見は却下されたようだ。
(Shl271 G4 Shamalforn-HN説明文より)

ナガラから流れついた技師については他にも記述が有ります。

近接戦用の大型熱量大剣。
充填によって一撃の出力を向上させる。

バウカーン産の大型近接兵器。
異形の大量発生によってナガラが滅びた後、彼女たちの近接武器開発の成果は、生き残りである双子の技師型ニンフによってホド各地のコロニーに受け継がれたという。
本器もそうした一つ。
開発途中だった熱量大剣が、上層の小コロニー・バウカーンの手で完成を見た。
何事も多機能を求めるバウカーンらしく、鎧殻からの電力供給によって、瞬間的に出力を向上させる機能が追加されている。
(LBH091説明文より)

異形の大量発生によってナガラが滅びた後、ナガラから来た双子の技師型ニンフがバウカーンを訪れています。ナガラから来た技師型ニンフはヤシカ・ムシカと見て間違い有りませんが、ここではこれ以上の考察を行いません。

問題は、アルカンド連邦がナガラ滅亡後に成立している事です。下層はドンパチの真っ最中か、既に事が終わって綺麗に滅亡済みです。ファブラー根絶がナガラ滅亡後だとしても、それだけの短い時間にアルカンド連邦を成立し、「大宣教」によって技術・リソースを確保してTriusを開発し、それを下層へ派遣するのはどう考えても無理が有ります。

考えられるのは、中央教会がアルカンド連邦の前身コロニーの頃に既に構築され、Triusが製造済みであったという可能性です。これならば説明とも矛盾しません。

ただし、この場合は中央教会という新たな統治体制を構築する組織を、前身コロニーの女王が許容する必要が出ます。許容する可能性は非常に低いと思いますが。イーデンはこの問題をどうクリアしたのでしょうか。
イーデンの統治体制
この答えが、ホドにまつわるトリビア第二弾で取り扱った、ニンフの初期化命令です。該当部分を再び持ってくるとしましょう。

ネマがPCに対して「糸を付けた」事を示しました。ここで一つ疑問が産まれます。糸を付ける事はネマにしか出来なかったのでしょうか?ここで、再びネマとの会話を提示します。

みんなこいつのせい

とある女王が意志なき木偶と化したのも
アルカンドが邦だの教えだの言い出したのも

教会をつくり、邦をつくったニンフは
今度は女王をつくろうとしている

うまくいくといいね
(イーデンについて尋ねた時のネマとの会話より)

前ガイドでも紹介した、ネマが教会長イーデンにお気持ち表明した時の会話ですね。ここで気になるのが「とある女王が意志なき木偶と化した」という部分です。アルカンド連邦が成立する以前、前身となったコロニーには間違いなく女王が存在したはずです。連邦制は女王の支配体制を崩すものであり、普通であれば許容されない内容だと思います。しかし、現にアルカンド連邦は成立しています。よって考えられるのは次の二択です。

  • 女王に説明し、快諾して頂く
  • 女王の生産機能を損なうこと無く、静かにして頂く

上のパターンが理想ですが、この場合ネマが表現した形にはならないでしょう。つまり、下のパターンになるわけですね。

仮にイーデンがネマが用いた初期化処理を女王に実施した場合、女王はネマからの命令待ち状態に移行するでしょう。でもネマがその場に居ない以上、女王に特定の行動を取らせることは不可能なはずです。本来ならば。

しかし、イーデンは抜け道を用意しました。「主」とその代理人である「御子」です。神に相当する架空の存在をでっち上げ、その代理人となる「御子」からの命令をネマの命令に相当する物として解釈させる事で、この問題を解決したわけです。

他コロニーと比較してアルカンド産鎧殻は通信設備の充実で知られる。神の代理人たる御子の言葉を常に必要としているからだ。
(Tls106 G2 Fols-HS説明文より抜粋)

いやー、大変な事になってきました。この仮説が事実なら、愛と信仰を広めるアルカンド連邦のトップは、女王を蹴落とした挙句、ニンフの生産機械として利用している稀代のペテン師という事になります。

これは、アルカンド連邦が隠したがる秘密の一つに含まれるのではないでしょうか?

とはいえネマの挙げた女王がアルカンドの前身コロニーに属していた確証は有りませんし、イーデンが存在の確証も取れていない隠し機能を女王に使ったという裏付けも有りません。ただ可能性として有り得るというだけの話です。

信憑性が疑われ、その内容もろくでもない本件を、今回のトリビアとさせて頂きます。
(「イーデンの行ったかも知れないヤバい所業」『そして、地の底でモグラが目覚めた。』より)

トリビア第二弾では非常に胡散臭い書き方をしましたが、イーデンが前身コロニーの女王を意志なき木偶にしたのは事実だと私は考えています。そもそも発案者にその気がなかったとはいえ、実質神殺しの計画に乗って、その後神を造ろうと考えるニンフです。目的を果たすためならそのぐらいやっても不思議ではないと思います。女王を木偶と出来たなら、女王に従うニンフもある程度自由に動かす事が可能となります。

初期化命令をニンフに使って、手駒にする事も可能でしょう。ネマがPCに与えた命令は簡潔なものでしたが、結果的に三層を周らされた挙句、深層にまで出向く羽目になりました。メタ視点ではプレイヤーの判断ですが、設定的にはPCの判断で動いたことになります。対象となるニンフの思考力まで損なうものではないように思います。

熱量耐性が高い中量級拡張頭環。

アルカンドの中量級陸戦鎧殻。
領邦巡察士と呼ばれる個体は、教会に代わって連邦を構成する各コロニーを統治・防衛し、必要とあれば粛清を行う。言わば移動する神殿である。

極めて高度な電子線装備を有しているが、これは戦闘用ではなく中央教会と常時接続を確保するためである。領邦巡察士は教会の忠実なる代行者たるを第一義とする。
(Alv413 G2 Varches-HS説明文より)

補足事項として、もし初期化処理後に思考力まで損なわれた場合について考察します。この場合細かな指示を出す必要が生じますが、常に指示待ちの状態となっていては、通信妨害が為された際ニンフは指示を受けられなくなり、その戦力を大きく落とすか、最悪無力化してしまいます。通信の妨害手段も実は存在します。

対電子器機用の泡電銃。
着弾地点に、電子障害を誘発する磁場を一定時間形成する。

前時代の巨大企業メタメトリア社設計。
飛散するプラズマが発する磁場によって電子的な損害を与えることを目的とした調整が為されている。
簡易的な設計から、小型自律機対策として、当時の歩兵に広く配備されていたと考えられる。
泡電銃という火器が、そもそもは対電子兵装として開発されたという経緯を今に伝える遺産である。
(BG189 A2 MorningStar説明文より)

また、領邦巡察士の武装にも中々物騒な代物が存在します。

熱量耐性が高い中量級鎧殻。
領邦巡察士と呼ばれる個体は、教会に代わって連邦を構成する各コロニーを統治・防衛し、必要とあれば粛清を行う。言わば移動する神殿である。

多脚型の積載能力を活かし、連邦巡察士は極めて強力な副腕武装を装備する。
異端を即時焼却可能な程の。
(Alv413 G2 Varches-HN説明文より)

領邦巡察士、あるいは連邦巡察士という存在は極めて強力な副腕武装を装備しています。必要があれば下記の武装も用いるでしょう。

全天周攻撃型熱塵兵器。
複数目標への同時攻撃が可能。

上層のコロニー連邦・アルカンド産。
同連邦の最高機密に属しており、詳細は不明。
一節には、教会長の密命を受けた連邦巡察士が拝領し、連邦からの離反を目論むコロニーを迅速に粛清するべく用いられるとされる。
全周多数目標への同時攻撃力を持ち、これにより単機の鎧化兵にコロニー根絶能力を与えるとされるが、すべては憶測の域を出ない。
(Sys100-L G07 Celpek説明文より)

実に物騒な話です。こんな代物を投入する事態もそうですが、これを運用する戦闘型ニンフ自体も中々危険な存在です。制御不能になれば、何が起こるか分かりません。

広範囲にプラズマ攻撃を行う大型の誘導兵器。
低速だが非常に効果範囲が広く威力も高い。

上層のコロニー連邦・アルカンドが産出した大型誘導兵器。
誘導兵器としては非常に低速なものの、着弾と同時に解放された熱塵は広範囲を一瞬で焼き尽くすため、一度発射されれば、回避は非常に困難となる。
連邦の機密指定技術が多数用いられているため、仕様には教会長の裁可を必要とし、実戦での使用例は少ない。
(Las196-L G04 Halvr説明文より)

こんなモノが爆発すれば、相応の電子妨害効果も発生します。使用者が単純な命令しか実行できない状態なら、これを炸裂させた後に使用者も一定時間無力化します。役割を果たせなくなるのは避けたい事態ですし、イーデンがこのリスクを見過ごすとも思えません。よって、初期化命令後も対象の思考力は損なわれないものと判断します。

ただし、初期化命令を必要なニンフに与える処理が煩雑であることもまた事実です。初期化命令の存在が露見すれば大変な事になりますので、命令自体は秘密裏に行わなければなりません。連邦の領域は現在では広大なものとなっているでしょう。これら全てに初期化命令を与えることは不可能です。

しかし、アルカンド成立後は熱心な信者、あるいは狂信者が存在します。その一例がシラスです。

神の僕たる修道僧が用いる素体の造形情報。
アルカンド修道素体の造形が利用可能になる。

信仰による統治は狂信という不具合を生んだ。
(アルカンド修道素体説明文より)

失礼、シラスは不具合扱いされていました。しかし、彼女は自身の意志で、彼女の役割を果たそうとしていました。これもまた事実です。

領邦巡察士が敬虔な信徒であるなら、その信仰心に従い忠実に職務を果たすでしょう。

熱量耐性が高い中量級拡張頭環。

アルカンドの中量級陸戦鎧殻。
領邦巡察士と呼ばれる個体は、教会に代わって連邦を構成する各コロニーを統治・防衛し、必要とあれば粛清を行う。言わば移動する神殿である。

アルカンド騎士の教会と邦への信仰心は、他コロニーの女王への忠誠心に勝りこそすれ劣ることはない。
みずからの血肉を神罰の銃弾に変換することは、彼女たちにとって至上の幸福である。
(Alv413 G2 Varches-UT説明文より)

これなら、初期化命令など必要無さそうです。信仰による統治は、実に効果的だと言えます。
下層コロニー・ギプロベルデ滅亡に際しイーデンの打った布石
女王を木偶にしてから、ネマが粛清に走るまでの期間を使えば、アルカンド単体でも技術とリソースを都合出来るかもしれません。下層で大量に発生した異形の親機を数機、加えて擬装自走砲を生産することも、です。以降はイーデンがこれらの製造に関与していると仮定して話を進めます。

ついでにギプロベルデの根絶時期を少し遅らせる事もしていたかもしれません。

超大型の泡電銃。
非常に重いが、高威力広範囲攻撃が可能。

かつて中層に君臨したコロニー・ギプロベルデ産。
一説には、ガーディナとの抗争がギプロベルデ不利に傾きつつあったのを察したアルカンドが、両勢力の均衡を保つため、技術供与を行ったとされる。
重量にふさわしく、極めて広汎な殺傷半径を持つ。
従来の火砲に比べて、射程距離と装甲貫徹力に劣るため、ギプロベルデ鎧化兵が歓迎することはなかったが、ガーディナ鎧化兵には非常に恐れられた。
(BolbGanz5説明文より)

推測上は下層コロニーとギプロベルデには根絶してもらった方が良いはずですが、時期を遅らせようとした明確な理由は私にも分かりません。ただ、ギプロベルデが不利に傾いたのは、下層からガーディナ特殊部隊が中層へ侵攻してからの話になると思います。ファブラー滅亡の情報を姉妹機と共有して知っていた彼女なら、特殊部隊の危険性についても理解しているでしょう。ギプロベルデが根絶されれば、次の矛先がアルカンドに向くのは明白です。それまでの時間稼ぎをしたかったのかもしれません。

ギプロベルデが不利になれば、アーヴドの領域はノーマークとなります。この機に乗じてNG+ Roomで色々やることも不可能ではありませんが、その場合ギプロベルデの最期を確認できなくなります。よってこの可能性は消えます。

いずれにせよ、イーデンは極めて計画的に行動を行っていたと言えます。

次に、下層でのイーデンの行動について推測してみます。イーデンが大量に発生した親機や擬装自走砲に関与していた場合、最低でも次の問題を解決しないとなりません。

  1. 敵対する勢力の自律機械を、ガーディナに友軍と誤認させる。
  2. ガーディナの協力者であるへロスにも誤認させる。
  3. 禁域への経路を封鎖した理由を明確にする。

いずれも推測が困難なものです。そも前提からして危ういものではあるのですが。

まず、1,2の推測から掛かりましょう。

1についてはその手法を考えることができます。IFFの応答パターンの変更です。応答パターンの分析は姉妹機とイーデンの通信を用いれば可能です。光学迷彩により視認が不可能な状態なら、隠密行動は難しくありません。通信の傍受・解析も同様です。ただし、これだけでは誤魔化すには不十分です。自分達が運用していない自律機械が存在すれば、当然怪しまれます。親機だけならともかく、子機は明らかにガーディナにも認識されています。へロスに確認を取り、いずれの所属でもないと判明すれば攻撃対象とされるでしょう。

2についても同様です。分析・開発に長けているのは下層でガーディナにVoctalを提供した経緯からも明らかです。問題点はガーディナと共通していますが、ガーディナ以上に誤魔化すのが難しい相手です。

この二つを同時に解決する方法が有ります。へロスとの裏取引です。姉妹機と親機・擬装自走砲の所属をへロスの協力者とする事で、ガーディナに怪しまれずに済みます。IFF応答パターンの分析すら、不要となるかもしれません。へロスに提供してもらえば済む話ですからね。

肝心の交渉材料ですが、二つ考えられます。

一つ目は大量に発生した異形。言い換えると親機が大量に生産する自律機械の、ガーディナに対する作戦支援です。

大量に発生した異形が、下層コロニーの滅亡に大きな影響を及ぼしたのは明らかです。下層に派遣したガーディナの特殊部隊のみでは、迅速かつ大規模な作戦を遂行するのは困難です。むしろ、この支援が得られたからこそ、ガーディナ・へロスは下層侵攻とギプロベルデ反攻作戦を実施できたのではないかと考えます。この場合、イーデンも下層コロニーやギプロベルデ根絶に直接関与した事になります。とはいえその事実がアルカンドで露見しても困りますし、一時的な協力相手とはいえガーディナ・へロスも、後にその様な兵器をぶつけられるリスクは避けたいはずです。親機と生産される子機の活動範囲を下層に限定する事で、合意に至ったのではないでしょうか。本来は作戦が完了した時点で親機・子機共に破棄される事が望ましいですが、実際には下層への侵入者を排除するという目的の下に、限定的に運用され続けています。少しガーディナ・へロスには不利な結果に思えますが、これは二つ目の餌が効いた結果かもしれません。

二つ目は、光学迷彩の技術に関する資料の部分的な提供です。すなわちEden001 G12 TriusとSavcan-UTで取り上げられた技術の流出が故意であった、という事です。へロスが不完全な形だとしてもSavcanに光学迷彩を搭載したのは、その有効性を認識してのことです。その技術情報は、交渉にあたり十分な価値を持つでしょう。そもEdn001 G12 Triusはイーデンが自ら開発の指揮を執った鎧殻です。その技術情報が流出する事自体が不自然であると、私には思えます。

しかし、技術情報の提供は敵に塩を送るような物です。部分的とはいえ、その技術を獲得したへロスがガーディナに恩恵を供与し、自らの脅威となる可能性はイーデンも想定していたでしょう。想定した上で、きちんと対策を用意していたと考えます。

その根拠となるのが、ホドにまつわるトリビア第一弾で取り上げた擬装自走砲くんの特注センサーの話になります。



降積地帯のボスである擬装自走砲ですが、実はちょっと特殊なセンサーを使ってます。出現する際の演出をよく見ると、PCの見え方がちょっと違ってます。鎧殻は黒く、素体の部分だけ赤くなっています。鎧殻も派手に熱を出すと思うので、赤外線を検知しているわけではなさそうです。可視光線でもないでしょう。当時PCの鎧殻は拡張頭環は茶、その他が紫でしたが、一様にグレースケールっぽく出力されています。

擬装自走砲は光学迷彩を搭載していますが、彼のセンサーなら同じ迷彩も見破れるんじゃないでしょうか。自分だけ身を隠しておいて、ちょっとずるいですよね。

以上、擬装自走砲にまつわるトリビアでした。
(「擬装自走砲くんの特注センサー」『ホドにまつわるトリビア』より)

擬装自走砲がイーデンの開発した物なら、光学迷彩を検知可能なセンサーも同様でしょう。アルカンドの鎧殻に同様の対応を施せば、光学迷彩はアルカンドにとって脅威ではなくなります。

最後に3について推測します。ニンフの性質上、女王を放置して窟からの脱出を図るモノはほとんど居ませんが、皆無ではありません。まずイーデン自身が女王を蹴落としていますし、必要なら逃げる事も厭わないでしょう。この時点で彼女は把握していなかったかもしれませんが、ヤシカ・ムシカやギリー・ベルも該当します。

下層侵攻に関する事情を知っているか、主の一部や深層エレベータの起動キーの一部を持ったニンフが、下層から脱出する可能性を潰すために扉を遮断したのだと考えます。ネマはイーデンの最終目標です。達成まではサンプルとして残しておきたいでしょうし、それにアクセスする手段が失われる事も避けたいでしょう。

同時に、ハティの様に探究心に溢れ、かつ事情を知らないニンフが、下層で起こった事実の背景や、神と根の国の実在について認識する可能性を防ぎたかったのかもしれません。神と根の国の実在を知られる事は特に危険です。信仰を礎とした支配体制において、その信仰心がゆらいだり他へと移る事は、致命的な結果を招きます。中央教会にこの件を報告したハティに対し有無を言わさず異端認定したのも、これを防ぐ為ではなかったかと考えます。なおその場でハティを処刑しなかった理由ですが、イーデンにとっては逃げる猶予を与える事自体が報酬だったのかもしれません。

ニンフの理を踏み越えんとしたモノの造形情報。
異端の造形が利用可能になる。

異端者とは彼女にとって称賛と同義である。
(F0536_EDN_FC説明文より)

イーデンが神の創造に掛かる前の段階で考えられる理由は、この辺りです。
イーデンの出自
さて、そろそろ触れないわけにもいかなくなってきました。イーデンが一体何者なのか、という件についてです。神や女王を造ろうと思い立った時点で通常のニンフから逸脱しているのは明らかなのですが、初期処理を女王に行ったと主張する手前、イーデンの出身やその地位についても示しておかなければなりません。

まず、出身から行きましょう。アルカンドの前身コロニーだと考えるのが一番簡単ですが、これだと少し引っ掛かる点が出ます。イーデンはネマとアーヴドを元にした神と根の国、その代理人である御子という概念を用いてアルカンドという邦を築きました。この発想自体はネマの力や権威、原初のコロニー・アーヴドについて良く把握していないと生まれない物であると考えます。それに初期化処理について知り得るとすれば、NG+ Roomの様な炭素生物由来の施設と見られる場所ぐらいしか存在しないでしょう。加えてもう一点、材料を提示します。

小型の短剣。
有効部への攻撃力が高く、浸食を付与する。

上層のコロニー連邦・アルカンド産。
湾曲した切っ先は相手の体を切り裂き、傷口から侵入した浸食毒が強い苦痛を与える。
主として連邦の治安維持と綱紀粛清、場合によっては刑吏の役割も担う審問官と呼ばれる戦闘型が装備しており、産出にあたっては心理的効果も考慮されたと言われる。
(Alv095-D Riyak説明文より)

ここで着目するのが浸食毒の採用です。他に浸食毒を利用した武装は浸食弾頭を使用したHelzやPshik、浸食虫を散布するBoldrが該当します。これらはいずれもへロス産の武装であり、ガーディナのみに提供される代物です。

Boldrの説明内で、浸食虫の兵器利用に関する研究自体がアーヴドで禁忌とされた事が既に判明しています。へロスは一応交易コロニーなので、アルカンドに納品される武装も有ります。例えばポロッカ産のS4C12 Srtritです。

大型の連射性能に優れる電波銃。
近距離での高速戦闘に適する。

上層のコロニー連邦・アルカンド産。
見た目通りに朝の小型電波銃を連結し、交互に発射することで連射力を高めている。
アルカンド産としてはもっとも初期の電波銃だが、その点を踏まえても、洗練された兵装開発で知られる同コロニーらしからぬ簡易な構造となっている。
そもそもの原因はラズリス造兵廠で開発が進んでいた新型電波銃の開発が難航していたことによる。
度重なる開発の遅延に、教会長命令にてサイサス造兵廠に開発担当が移行される。だが彼女たちに与えられた時間はあまりに短かった。
そこに偶然、へロスから届けられたのが、はるか下層のポロッカ産S4C12 Srtritであった。
あるものを束ねただけ、という単純な発想は、しかしアルカンドの技術型ニンフたちに天啓を与え、かくして、定められた期限の内に、彼女達は連射式電波銃の開発を完了したのである。
(Sys459-D G02 Shgaf説明文より)

へロスの偶然は信用できないのがこれまでの事例で明らかになっていますが、今はへロスからもアルカンドに武装が提供される事があるという点に着目します。しかし、浸食毒を用いた武器については恐らく提供しないだろうと考えます。これを利用した武装が派手に使用されれば、深刻な環境汚染が発生するのは明らかだからです。にもかかわらずアルカンドにも浸食毒を使用した武装が存在するのは、アルカンドにも元々浸食虫とその毒について知っていたニンフが存在したからだと考えます。

これはアーヴド出身のニンフである可能性が高いでしょう。女王単体では窟が成立しない以上、自衛戦力として同じ集団のニンフが防衛に当たった可能性については、ギプロベルデの成立に対する推測で扱いました。元々前身コロニーの女王もアーヴド出身なので、コロニーを成立させる際同様にアーヴドの技術型ニンフも同行した可能性が考えられます。

Alv095-D Riyakを考案したのがイーデンであるかは不明ですが、女王に同行したアーヴドのニンフの一人である可能性は高いと思います。

次に、イーデンの地位について。これは技術型ニンフの地位について、とも言えるかもしれません。ガーディナの例に倣うならイーデンの地位は戦闘型ニンフより低くなります。ナガラの例に倣うなら、高位になる可能性も有ります。アーヴドでもネマの理想がガーディナだったので戦闘型ニンフより低かったのではないかと考えました。イーデンが初期化処理実行に必要な権限を確保できるかも怪しい状況で、女王よりも地位が低ければ初期化出来る可能性は無くなります。これは問題です。

一応、イーデンがアーヴド出身の技師型ニンフであるという前提ならば、NG+ Roomで炭素生物の技術や自律機械、あるいはネマそのものについても記された情報にアクセスできる可能性が有ります。自律機械に搭載された初期化処理機能の詳細についても、記載されていたかもしれません。この行動を取ったとしてネマに気付かれないのかという懸念が出ますが、粛清後のシャラに見られた反乱の兆しをネマは見過ごしています。イーデンも生存しています。アーヴドにおいても厳格な監視体制が築かれていたようには思えません。

主の眼を生み出すには至らずとも、初期化処理に必要な権限程度なら都合出来る可能性が有ります。我ながら根拠に欠ける主張であるのは自覚していますが、現状これ以上の手段を思いつきません。ひとまず、今はこれでご容赦下さい。

また、彼女が神への反逆も厭わぬ思想を持つようになった経緯も不明です。シャラはアーヴドの血を接ぐという義務の下に反逆を決意しましたが、イーデンはこの例に当てはまりません。彼女にも然るべき経緯が存在するはずですが、これを窺い知る事の出来る描写は確認できていません。こちらもシャラ同様、謎の多いモノとなっています。
ネマの粛清目的への再考
イーデンの目的が神の創造であり、その実験の為にガーディナの下層コロニー根絶やアーヴド崩壊に協力した可能性を示しました。

もし、ネマがアーヴド粛清後も健在であり、シャラも反逆せず、イーデンもガーディナに協力していなかった場合はどうなったでしょうか。この場合、「大量発生する異形」に頼る事無く、ガーディナのみで下層コロニーやギプロベルデ、アーヴドを根絶する必要が出ますが、アーヴドは女王の伐採で混乱しているので力を発揮できません。ガーディナが特殊部隊をどれだけ都合出来るかにもよりますが、時間を掛ければ可能だったようには思います。

ギプロベルデに対して絶望的な戦闘を繰り広げながらも、ガーディナは投入する兵力を切らす事は有りませんでした。これは相応の生産力を持たなければ困難ですし、新興のコロニーに簡単に出来る事とも思えません。他コロニーからの支援が必須です。ガーディナ黎明期からへロスが武装を提供している事から、この支援もへロスが担っていたのではないかと考えます。

侵攻の時期が遅れるとはいえ、下層コロニーやギプロベルデ根絶に際し、特殊部隊が重要な役割を担う事に変わりは有りません。アーヴドにも到達したでしょう。しかし、特殊部隊はガーディナの通常のニンフと異なり、非常に理知的なモノです。そして、ガーディナ女王は種子を介してネマによって造られました。ガーディナの特殊部隊は、原初のコロニー・アーヴドがそうであった様に、ネマにも服従するのではないでしょうか。

アルカンドに対してもガーディナは着々と攻略の準備を進めていました。

自動障壁を透過する放電機関銃。

中層の交易コロニー・へロス産。
周波数変更装置により自動障壁を透過して、本体に直接損傷を与えることができる。
アルカンド鎧化兵を仮想敵に、ガーディナの発注で生産されたものと見られる。
(Ruklof説明文より)

鎧化兵はもちろんですが、上層の自律機械には自動防壁を備えるタイプも存在しました。自動防壁は堅固ですが、それを貫けば本体そのものは総じて軟弱です。Ruklofが投入されればアルカンドへの脅威となる事は十分に考えられます。

技術解析はへロスが、戦術習得は特殊部隊が行う事で、ガーディナは更に強力となります。アルカンドも、いずれ根絶される可能性が高い様に思います。この場合、ネマの制御下に有るガーディナが三層の覇権を握る事になります。

下層やアーヴドへの侵攻にガーディナの特殊部隊が関与していた事は既に示されました。ネマの「今を終わらせて、次にする」がガーディナの三層統一である事も、示されたと考えます。
<これまでのまとめその3>
さて、話が段々飛躍してきていると感じた方も多いと思います。私も自覚は有りますが、ご安心下さい。ここから先、更に話が飛躍します。ただ、それについて展開する前に一度主張をまとめておきます。

  1. 大量に発生した異形の親機と擬装自走砲は光学迷彩を搭載していた。
  2. 光学迷彩を鎧殻に搭載していたのはアルカンドとへロスのみである。
  3. イーデンは光学迷彩を搭載した姉妹機を派遣し、ファブラーとギプロベルデの最期を観察させてその結果を自分に共有させた。
  4. イーデンは技師型ニンフであり、兵器に関する知見を有する。これに姉妹機を与えた戦闘型ニンフの戦況分析、Edn001 G12 Triusの有する演算能力を組み合わせることで、効果的な分析が可能となった。
  5. 派遣目的の一つは、NG+ Roomで神の創造に関する実験を行う事であった。
  6. 実験の実施には、その前提条件となる下層コロニーの根絶やギプロベルデの根絶、あるいは弱体化が必要だった。
  7. 派遣したEdn001 G12 Triusはアルカンド成立期での産出は不可能であり、実際はアルカンドの前身コロニーで産出された。中央教会も前身コロニーで構築された。
  8. 中央教会の構築に当たり女王がその障害となったが、イーデンは初期化処理を女王に行い解決した。
  9. アルカンド創立にあたり、イーデンは戦力となる騎士や領邦巡察士に対し、おもに信仰による統治を行った。
  10. イーデンは下層で姉妹機や擬装自走砲、大量に発生した異形の親機の活動に際し、異形による支援行動や、へロスに対する光学迷彩技術の部分的な提供を条件に、これを認めさせた。
  11. 光学迷彩技術の提供は、その対策を既に確保していたイーデンにとって痛手にはならなかった。
  12. 下層侵攻からギプロベルデ根絶までの期間において、へロスでは光学迷彩技術を実用化することは不可能だった。これは、ギプロベルデ根絶を遂行した先代の霧、ヴォーグがその単機潜入からの狙撃任務において、光学迷彩を使用していなかった事で示されている。
  13. イーデンは下層からの主の一部や深層エレベータへのアクセスキーの一部の流出、下層滅亡の事情を知るニンフの逃亡、または上層から下層へ到達し、下層滅亡の真相に気付くニンフの出現を防止する為、擬装自走砲に扉を遮断させていた。
  14. イーデンはアーヴドからアルカンドの前身コロニーに赴いた技師型ニンフであり、ネマとアーヴドの関係、初期化処理や自律機械の仕様、権限といった情報をアーヴドで入手していた。
  15. ネマが健在でシャラの反逆やそれに連なるイーデンの暗躍が起こらなければ、特殊部隊が中心となるガーディナが三層を統一し、ネマが語った「今を終わらせて、次にする」が達成されたと考えられる。

主張をまとめると以上の様になります。

余談ですが、実を言うとこのガイドの執筆を始める前に内容の考察は粗方作ってありました。しかし、あくまで自分の考察として書いておりそのままガイドにするには不適だった事、ガイドに適した形式にしてまとめ直している内に主張に対する穴が見つかり、これに対する考察を更に加えている事も有って、更に費やす時間と各セクションの分量が増える結果となっております。自分でも進度をはっきりと把握していないのですが、恐らくこの段階で全体の7割程度には達しているかと思います。まとめるのも後1,2回かと思います。もう少しだけ、もう少しだけお付き合い願います。
実験後におけるイーデンの計画
下層コロニー・ギプロベルデ根絶の経緯と、この件に関するイーデンの関与についての推測を先に述べました。ここからは神の創造を試み、挫折してその目的を女王の創造に切り替えた後の行動について述べます。

彼女が女王を作る事を企図していた事が、ネマや信者シラスとの会話や、御子シェオルの存在によって既に明らかとなっています。シェオルに至っては神経標本が採取可能だったので、命令を下せばそのまま完全な女王となった可能性が有ります。にもかかわらずそうしなかったのには理由があると考えます。

・・・これは想定外だ

やはり種子は愉快だ
服従しか知らぬニンフ共とは大違いだ

ならば持って行け
襤褸屑殿が待ちかねていよう

何故だと?
時間の無駄だ。うつけの振りはやめよ

貴様と干戈を交えるなぞ
あの産廃めを喜ばすだけであろう

行け
貴様の望み、存分に為せ

窟帝の弑逆者たるイーデンが許す
(近衛隊撃破後、イーデンとの会話より)

イーデンはPCを出迎えた際、これを想定外の事態としながらも喜んでいます。同時に、服従しか知らないニンフを快く思っていない事も伺えます。

初期化処理を行えば女王化は容易いことですが、意志は損なわれます。ただ、主の命令に服従するだけの人形が残ります。イーデンはこれを許容できなかったのではないでしょうか。

女王の創造は、神の創造の前段階に過ぎません。イーデンは、本当にネマと同等のモノを、ネマとは異なる方針を持ち、ネマと同等の権能を振るう事の出来るモノを、産み出そうとしたのではないでしょうか。その為にまず自由意志を持つ女王を産み出そうとしたというのが私の推測になります。

この場合、いくつかの課題をクリアする必要が生じます。
  1. 自由意志を持つ女王候補を探す必要がある
  2. ネマに反逆する意志を持った候補が望ましい
  3. 目下ガーディナとの戦争中であるため、大規模な作戦行動は不可

1だけでも困難ですが、2の時点で更に困難となります。3で砂山の中の針を探す様な作業にあてがう人員も制限されてしまいます。普通に考えればまず不可能でしょう。

しかし、イーデンは発想の逆転によってこれを行おうとしました。同時に、これは捨て身に近い手段でもあります。説明に移る前に、まずはイーデンとの会話に関する解釈を済ませておきましょう。

最終的にPCはネマと対峙し、これを討伐します。その上で女王になるかの判断を委ねられます。「貴様の望み、存分に為せ」はこれを指していると解釈します。

「貴様と干戈を交えるなぞ あの産廃めを喜ばすだけであろう」という部分は、アルカンドがPCを倒した場合、右眼がイーデンの手に渡ります。ネマにとっては、PCよりもイーデンの方が対処が容易いでしょうし、イーデンにとって自由意志を持つ女王候補という貴重なサンプルも失われる事になります。ネマはイーデンについて「みんなこいつのせい」と始め、彼女の計画について「うまくいくといいね」と皮肉っているので、彼女の計画が失敗すれば当然喜ぶでしょう。なお、PCを倒した所で再成形される事実が有るのですが、これは単なるゲームシステムの都合でしょう。この事実によりPCがネマに反逆した時点でネマの敗北が確定するわけですが、ネマ自身は聖櫃で彼女を待ち、復活の準備に入ります。やり合う気満々です。PCの不死性が仕様なら、こういう行動に出るのは考えづらい事です。よって、このガイドでは不死性については作中の設定として考慮しません。

「ならば持って行け 襤褸屑殿が待ちかねていよう」
戦う理由は無いので主の一部を差し出し、PCにその行動を円滑に遂行してもらいたいのが読み取れます。

「・・・これは想定外だ」
ただし、以上の事態はそもそもイーデンの想定外でした。繰り返します。結果としては彼女の望むものとなっていますが、過程としては彼女の想定外でした。考えられるのは、主の一部を取りに来るのがPCではなかったか、女王候補がPCでは無かったか、あるいはその両方です。では、彼女の想定する女王候補とはいかなるモノであったか。本来主の一部を取りに来るのは誰であったか。

その手掛かりとなるのが、深層昇降機起動キーです。

高密度情報媒体。
深層昇降機の起動が可能。

「三層の総意を以て、分かたれた鍵を束ね、地の底にて未来の選択を」
(深層昇降機起動コード説明文より)

最後の一行は、コードの断片をすべて集め、起動キーが生成される時に表示されるメッセージでもあります。このメッセージを誰が残したのかは不明ですが、キーに細工されていた以上はその管理者のいずれかでしょう。

上層
アルカンド
中層
ギプロベルデ
下層
ナガラ

まず、メッセージの内容から考えます。三層の総意を以て、分かたれた鍵。これはかつての三層会談で分割管理された御陵の御印。すなわち、深層昇降機起動コードと解釈できます。そして、これを束ねというのはコードの断片を集め、再び起動コードとして有効化する事を示します。

問題となるのが、地の底にて未来の選択を、という一節です。これはメッセージを残したのがシャラ派かイーデンかで解釈が変わります。シャラはアーヴドの血を接ぐため自らも女王になる事を目指していました。同時に、粛清の意志を撤回した上でという条件が付きますが、ネマの再臨も望んでいました。シャラ派がメッセージを残したなら、何モノかにコードの断片を回収させ、深層へ到達した上でネマの復活に尽力する事を望んだのではないかと考えます。結果的には、PCがネマから躰を取り戻せという命令を受け、キーを獲得して深層へ到達、その後躰も取り戻すというあべこべの順序になっています。挙句ネマを討伐していますので、シャラが腰を抜かしそうな結果に終わりました。うーん、なにか違う気がします。

続いて、イーデンがこのメッセージを残した場合について考えます。イーデンが意志ある女王の創造を企図していたという説を先に述べました。その為に複数の困難な条件をクリアする必要がある事も述べました。

この場合の流れとしては、種子であるPCがネマの命令により躰を集めるために各地を奔走。躰を取り戻す為に進入不可区域へ入る必要が出ましたが、ネマ様からは以下の有難いお言葉を頂けました。

・・・どうしたの?
・・・壁に行く手を阻まれた?

それを封じているのは私の権能
・・・今の私には何もできない

右眼を探して
それがあれば何とかなる

・・・右眼の在処?
知らない

とりあえず、虱でも潰してきたら?
(進入不可区域に遭遇した後のネマとの会話より)


手掛かりはくれても、その場所までは教えてくれないネマ様にPC(というかプレイヤー)はブチ切れながらも、深層昇降機起動コードを使う場所を見つけて深層へ到達。その奥で所属不明鎧化兵と交戦、これを撃破。彼女から右眼を取得するもこれが融合して分離不能に。ともあれ進入不可区域に入れるようになったPCは探索を続けイーデンの下へ。大体、こんな流れです。

さて、交戦した所属不明鎧化兵ですが、一定値までDPが低下すると戦闘スタイルが変わり、背部の右側から翅の様な光が現出します。



これは、他のニンフには見られなかった特徴です。ニンフというよりは、ネマに近いかもしれません。戦闘型ニンフが十分な戦闘経験を積む事でセル制御能力を向上させ、女王候補となる説を先に示しました。この現象は他の女王候補には見られませんでしたので、セル制御能力が更に高位に達している事を示しているのではないかと私は考えています。実際、彼女は非常に長い期間戦い続けてきたものと推測できます。

闘争に生きた者の造形情報。
黒鉄の造形が利用可能になる。

みずからの名前など、とうに忘れた。あるいは戦う理由さえも。
(F0012_FOX_FP説明文より)

類似する素体がない。
出自不明戦闘素体の造形が利用可能になる。

理由を失い腕を失ってもなお闘い続ける。
(出自不明戦闘素体説明文より)

自分の名前も戦う理由も忘れる程の長い期間闘い続けたのなら、これだけの成長を遂げるのも納得できるかもしれません。女王候補としても申し分ないでしょう。

PCが認知情報が不安定になったポンコツな種子である可能性を先に示しましたが、ポンコツでなかったなら彼女を候補と認め、女王として覚醒させる事を試みたでしょう。

地の底で為す未来の選択とは、深層に存在した所属不明鎧化兵を女王として覚醒させる事ではないかと、私は考えます。

しかし、彼女は1,2の条件をクリアするでしょうか。素体からしてアーヴドのニンフであるかさえ怪しい所です。



上の画像は、所属不明鎧化兵の登場シーンの一部です。彼女が立っているのは、PCが中央大洞穴で対峙した自律警備車両に見えます。自律警備車両は完全に動作を停止しており、一部が激しくスパークしています。中央大空洞の自律警備車両は主の左眼を格納していました。そして、所属不明鎧化兵は主の右眼を所持、あるいは装着していました。この右眼は、自律警備車両から得た物ではないでしょうか。

ここで思い出すのがシャラの話です。彼女は守子に瞳を守るよう指示しました。中央大洞穴が深層に位置し、アーヴドと繋がっている可能性はハティの会話や行動と、回収屋ヨヨやギリー・ベルが朽ちた育房へと移動したことで示されています。朽ちた育房がアーヴドであることはネマが認めているからです。左眼を格納する自律警備車両は壁をぶち破って登場しました。つまり、壁の向こうに隠れていた事になります。右眼を格納する自律警備車両も同様に階層に存在していた所を、移動命令を受けて深層へ移動、そこで所属不明鎧化兵に右眼を回収されたと考える事も出来ます。この場合、所属不明鎧化兵がシャラの守子となります。

イーデンもネマ討伐を依頼する使者として、また三層会談での交渉代理人として守子と接触しており、その存在は認識しているでしょう。守子がネマに反逆する存在である事も知っているはずです。1,2の条件を満たす事は彼女も認識しているでしょう。これで、問題はクリアされました。計画の一部として守子を盛り込んでも良いでしょう。(ダジャレではないですよ)

ただし、三層会談決裂以降、彼女の居場所は不明となっているはずです。

守子が上層に来るとは思えませんが、来たら航空騎士や騎士の監視網に引っ掛かるでしょう。中層・下層に存在するなら、下層コロニー・ギプロベルデ根絶時に、派遣したTriusの姉妹機が存在を確認してもおかしくはありません。上中下の三層で確認されなかった以上、未確認であるアーヴドか深層が最後の候補となります。しかし、深層へ到達するための昇降機キーは分割され、残りの二個は所在が不明となっています。また難題です。3の状況で守子を探さなければなりません。

ここでようやく、イーデンの取った捨て身の手段について提示します。中央大空洞に残されていた、種子の起動です。
誰がそれをやったか
ここまで読み進めて頂いた方はまたこいつはイカれた事を言い出した、と思うかもしれません。大半の方は、種子であるPCの起動はネマが行った物と解釈しているでしょうから。しかし、私はPCの起動がネマ以外のモノの仕業と考えています。根拠は二つ有ります。

一つ目が、当時ネマの置かれていた状況です。ネマは両眼と躰を奪われ、頭部のみの状態でアーヴドに位置する朽ちた育房へと遺棄されました。PCから左眼を嵌められて、ようやく彼女は会話機能と他層への転送権限を取り戻しました。著しく機能を制限された初期の状態で、種子を起動する事が可能だったかは怪しい所です。

次に、NEW GAME実行時の処理です。六角形の模様が順調に広がっていきますが、突如画面がバグった状態でフリーズします。その後PCはチュートリアルをする場所に飛ばされ、ボロボロになった本来の鎧殻、Junk Frameに代わる鎧殻一式を提供され、基本的な動作についても学習する機会を得ます。自決用のアイテムについては目的の性質上分からなくもないのですが、更に、他層の造形情報まで付与されています。二周目以降はこの処理は入りません。

提供される鎧殻の情報はそれぞれアルカンド(近距離型)、アーヴド(中距離型)、ガーディナ(遠距離型)の物です。アーヴドとガーディナの鎧殻はネマが健在の頃に存在していても不思議ではありません。しかし、アルカンドはその限りではありません。アルカンド成立期に主力鎧殻として使用されたのはShl271 G4 Shamalfornですが、近距離型を構成するTls127 G2 Faluracanは、これより後に産出された鎧殻です。

軽量級の拡張頭環。
装甲を度外視した軽量化により、無類の機動性を持つ。

アルカンドが、その成立期に産出した制空戦闘鎧殻。同連邦が「大宣教」と呼ぶ大規模侵攻において主力航空鎧殻として活躍した。
機動性を追求するために防御性能は度外視されており、ところどころ骨組が露出している。

通信器機までが軽量化の対象となったため、部隊行動に支障をきたすことが多かった。この反省点から、アルカンド航空戦術は相互通信を重視した集団戦法へと改められたため、同コロニーの鎧殻開発史における徒花と言うべき機体になっている。
(Shl271 G4 Shamalforn-HS説明文より)

熱量耐性が高い中量級加速翅。

アルカンドの主力航空鎧殻。

航空鎧化兵の真価は、地上戦型鎧化兵との連携によってこそ発揮される。
個々の航空鎧殻の性能でアルカンドに伍するコロニーはあれど、空地共同作戦の体系化と練度において並ぶものは今のところ皆無である。
(Tls127 G2 Faluracan-TH説明文より)

ネマが他層の状況に通じていたとしても、確認できるのはせいぜいShl271 G4 Shamalfornまででしょう。躰をバラされた後の状態で、Tls127 G2 Faluracanの情報まで入手できたとは思えません。ネマ以外の何モノかが、この情報や鎧殻を与えたと考える方が自然です。

イーデンが種子の起動に関わっているなら、神の創造を一度凍結し、女王の創造に切り替えてからしばらく実験を試行した後のはずです。自前で女王を創造できたなら種子を起動する必要は出ません。必要だから、造ったのです。この時点でイーデンは擬装入構権限を作成済です。現物はNG+ Roomに残されていましたが、その成果自体まで破棄したかは不明です。種子の起動権限を得ていても不思議ではないでしょう。イーデンが種子を起動した可能性は十分に考えられます。

中央大空洞の種子を起動したのは、恐らくネマに接触させる為だと思われます。ネマに接触させれば、たとえ起動者が不明でもネマは初期化処理を行って自分の人形とし、これを利用して躰の奪還に乗り出すことを予測していたのでしょう。苦労して討伐した神を復活させる事に繋がるのですから、これは捨て身の策と解釈して良いと思います。ネマが種子を起動したわけではないと考えると、この会話も少し違った意味合いを持ってきます。

そんなこと
無意味だから考えなくていい

躰を取り戻すために産み出した私の人形

それだけ
(ネマに自分自身について尋ねた際の会話より)

自分が産んだわけではないけれど、それについて考えられると厄介なので考えなくていい。そういう内心が透けている様にも思えます。

なお、イーデンは同時に各地に壁を作り、進入不可区域も設定しました。壁の存在した聖智廟がポロッカの領域であり、ガーディナが侵攻した可能性については先に示しました。壁が有るならこの事態には発展しなかったはずなので、これは、下層コロニー根絶後に造られた事を意味します。右眼に壁の解除権限が有るなら、恐らく設置権限も有しているでしょう。イーデンにも壁を作る事は十分可能です。

壁を作った目的は、躰を得る過程で右眼を要求させることで、ホドの各地をくまなく探索させると共に、深層へと到達するよう誘導する目的も有りました。実際、そうなりましたよね?実に腹立たしい限りですが。この過程で所属不明鎧化兵である守子と接触できれば、新たな意志有る女王が誕生。晴れてイーデンの中間目的は達成されます。これが、イーデンの本来の計画であったのではないかと私は推測します。

しかし、PCがポンコツと化していたため守子は撃破されました。計画は頓挫です。少なくとも、計画ではそのはずでした。ところがイーデンの前に現れた種子であるPCが、よりにもよってその意思有る女王候補となっていました。イーデンとしては予想外だったでしょう。しかし、望む結果が得られた事に彼女は満足し、「貴様の望み、存分に為せ」と告げてPCに躰の一部を与えて返しました。恐らく、PCがネマに反逆する事も予測していたのだと思います。

なお、躰の一部を受け取った後に一旦その場を後にし、転送を行ってから再び戻ってくるとイーデンは鎧殻であるEdn001 G12 Triusや素体を残して姿を消しています。中間目標こそ達成しましたが、最終目標はまだ残っています。何故彼女は計画の途中で消えてしまったのでしょうか。

これについて、一つ心当たりが有ります。最終的にPCはネマを討伐しますが、その後止めを刺すか抱きしめる事を選択します。止めを指した場合、PCは新たな女王となります。PCは右眼が融合した時点で主の持つ権限の代理行使者と見做されます。実際に得たかは不明ですが、もし左眼も得ればその権限レベルは更にネマに近づくでしょう。いずれにせよアーキタイプ・セルで構成されていない以上はネマ程の力を発揮できませんが、ホドに対する数々の権限を行使できるようになります。これは意思を持つ新たな神とも解釈でき、同時にイーデンの最終目標の達成をも意味します。ここまでの予測を得られるであろう成果と解釈すれば、イーデンはこれに満足したでしょう。目的達成の為に整えたアルカンドという機構を捨てても、何ら支障は有りません。

イーデンの行動については大体こんな所だと思います。しかし、まだ大きな問題が残っています。

ネマに初期化処理を受け、操り人形とされたPCがネマに反逆する事を、イーデンはどの様に知り得たのでしょうか。
受け継がれた意志
PCがネマに付けられた糸を切り、それ以上の干渉を受け付けなくなった事は先に述べました。干渉を受け付けなくなったのが、右眼との融合でPCの権限レベルが上昇したからであるという推測も述べました。しかし、糸が切れた時期についてまだ説明していません。PCはいつ糸を切ったのでしょうか。

この手掛かりが、三つの会話です。これはホドにまつわるトリビア第三弾、ホドの中心でHELPを叫ぶでも部分的に取り上げました。

まず一つ目となるのがシャラです。

・・・力を感じます・・・
・・・その瞳は・・・・・・ああ、窟帝陛下!!

・・・・・・そこにおられるのですね!
ホドに再び御身の稜威届きたり・・・・・・!

・・・・・・謹んで申し奉ります・・・
我が身は対逆を犯せし罪人・・・・・・

・・・なれど罪は 私ひとりのもの・・・
・・・この身に流れる血は 陛下のために・・・

どうか裁きの前に・・・私が継いだ血を・・・
アーヴドの御子を産ませて下さい

女王として、窟帝陛下への義務を果たせし後は
消えぬ炎で永遠に焼かれようと本望・・・

・・・臣シャラ 窟帝陛下に願い奉ります
生命の実を賜わし御子をお授けください・・・
(シャラとの最初の会話より)

シャラは力を感じると共に、瞳を見て種子を窟帝陛下と誤認します。右眼がネマの一部なのでこれは無理からぬことなのですが、瞳が判断材料の一つとなった事には注目すべきでしょう。瞳の有無は、ユーザの色設定に影響を受ける事無く識別可能なのかもしれません。

あー! あ!
スケテ!

あー!
スケテ! かーる!
(特定地点到達におけるスケテとの会話より)

二つ目はスケテとの会話です。ちょっと何を言っているか分からないと思うので、解説します。この際のスケテのテンションは非常に高いものでした。子供が大喜びしてるような印象を受けます。特定地点について気になる所ですが、深層最奥到達、すなわち所属不明鎧化兵を討伐した後となります。より具体的に言うと主の右眼を取得した後です。スケテは融合した右眼を見て興奮した可能性が有ります。

もう一つ、例を提示します。

どうしたの何だか怖い顔ね
理由は聞かないわよ

ヤシカ・ムシカは匠
そしてあなたは刃

匠は目前の刃を鍛えるのみ
刃は目前の敵を屠るのみ

それだけのことよね、ムシカ
それだけのことだわ、ヤシカ

さあ、今日はどの子を
鍛えてほしいのかしら?
(ヤシカ・ムシカとの会話より)

この会話は、次の条件を満たした際にヤシカ・ムシカに話しかける事で発生します。

  1. MNK 00 Sabi取得済
  2. 主の右眼取得済
  3. 浄水層ボスである近衛隊の撃破

1に関しては、ヤシカ・ムシカが産み出した単分子刀「錆」を佩くPCを刃と呼ぶので必須と思われます。2は擬装入構権限を用いて3を達成した際、会話が発生していません。その後2を達成する事で会話の発生を確認しました。主の右眼は必須です。

3のタイミングで言及されたのは、近衛隊の出自にPCが何か思う所が有ったのか、その後のイーデンとの会話で何かに気付いたのか。それならイーデンとの会話後に会話が発生しそうなものですが、現状では材料が不足しておりはっきりとした理由は分かりません。

三つの事例より、PCの変化が融合した右眼にある可能性が浮上しました。ネマへの反抗も、右眼の融合が切っ掛けとなったかもしれません。以前の右眼の持ち主であった所属不明鎧化兵がシャラの守子であるという前提での話ですが、これを説明し得る仮説が存在します。

記憶転移という現象をご存知でしょうか。これも作中での説明は無いので、外部に答えを求めるべき事例です。

概要

臓器移植の結果、 ドナーの趣味嗜好や習慣、性癖、性格の一部、さらにはドナーの経験の断片が自分に移ったと感じているレシピエントの存在が報告されている。特に心臓移植や腎臓移植のあと自分の趣味嗜好が変化したと感じている例が多い。しかし、通常レシピエントがドナーの家族と直接の接触をもつことは移植コーディネーターや病院から固く禁じられているため、実際にドナーの趣味嗜好や性格などを確認し得た例は極めて少ない。

一方で、自身の内面変化を感じていないレシピエントも顕在、さらに後述する反論も数多くあり、科学的には未解明の現象である。
「記憶転移」『ウィキペディア日本語版』 2025年4月8日(火)02:22 UTC、URL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%98%E6%86%B6%E8%BB%A2%E7%A7%BB

レシピエントに相当するPCへの右眼の融合は、心臓や腎臓でこそありませんが、臓器移植の一例と言えます。そして、ドナーとなった所属不明鎧化兵が守子であるなら、ネマに対する強い反抗心を持っています。

科学的には未解明の現象とされていますが、ホドにおいては実在する現象かもしれません。

戦闘統制情報の最高密度結晶体。
武器をL5に強化できる。

生物が遺伝子の乗り物であるならば、
情報こそが生命の本質。
(黒鉛の秕説明文より)

正体不明の物体。

すべてのセルの原型、アーキタイプ・セル。

超高密度の情報媒体。
あらゆる情報を内包するそれは、
すなわちもうひとつの世界である。
あるいはこの世界もまた。
(主の謡う一部説明文より)

あらゆる情報を内包する世界の一つがホドであるなら、ホドから産まれた生命の一つであるニンフも、部分的に情報を内包します。ニンフの一部である臓器にも情報は含まれているでしょう。所属不明鎧化兵の右眼もまた然り、です。そこに含まれている情報がネマへの反抗心であったなら、右眼の融合を通してPCにそれが芽生える可能性も有ると考えます。
<これまでのまとめその4>
では、これまでの主張のまとめに入ります。

  1. イーデンは新たな神を想像する前段階として、意志有る女王の創造を企図した。
  2. 意志有る女王候補には、ネマに対する反抗心と自由意志を有する事が求められた。候補をガーディナとの抗争の合間にこなすのは難題であった。
  3. イーデンの見出した女王候補は所属不明鎧化兵であり、これはシャラの守子であった。
  4. 所属不明鎧化兵の所在は深層かアーヴドと目されるが、そこに至る手段が欠けていた。
  5. これを解決するため、イーデンが研究成果で得た権限を行使し、種子を起動した。根拠はNEW GAME選択時のフリーズ演出、初期所持品の造形情報、取得選択肢に有ったTls127 G2 Faluracanの存在である。
  6. イーデンは種子を深層やアーヴドへ誘導する為、権限を行使して主の一部の存在する地点に壁を設置した。
  7. PCは所属不明鎧化兵と接触したが、認知機能が不完全だったのが原因でこれを撃破。この際右眼が融合した事で記憶転移が発生、ネマに付けられた糸は切れ、ネマへの反抗心が芽生えた。
  8. イーデンは自分の元に現れたPCに右眼が融合している事を確認し、種子が新たな女王候補となると同時に、ネマへの反逆を確信。予想外の事態ではあったが、結果的に新たな女王と神の創造の同時達成も視野に入り、イーデンは満足した。最終目標が達成され得る事でアルカンドに留まる意味を失ったイーデンは、その後姿を消した。

本ガイドの内容としては8割を記述したと思います。残りはまとめる必要のない簡単な解釈と、あとがきとなります。つまり、これが最後のまとめとなります。ここまで読み進めて頂いた方はお疲れ様でした。もう少しで、このガイドも終わります。
各エンディングに関する解釈
最後に、選択肢で分かれる二つのエンディングについて私的な見解を示しておきます。

その前に話の前提として強調しておきたいのが、闘争が起こらない状態を平和と評するなら、ネマを完全に討伐した所でホドは平和になりません。PCの起動時、三層で現存する大規模なコロニーは、ガーディナとアルカンドのみとなっていました。しかし、エンディング時にはアルカンドはイーデンを欠いています。御子の言葉により動いているアルカンドですが、実際に指揮を行っているのはイーデンです。そのイーデンを失ったアルカンドは容易く崩壊するでしょう。当初のネマの思惑通りガーディナが三層の覇者となるわけですが、ネマが完全に滅びた時点でガーディナは制御不能に陥りました。一般的なガーディナのニンフの気質は既に示しましたが、同胞に対する姿勢についても示しておきます。

物理耐性が高い軽量級特技背嚢。
特殊兵装は小型分解装置。
少量のDPをBPに変換する。

ガーディナの新型軽量級鎧殻。
偵察部隊を中心として従来型を更新する形で配備が進んでいる。

敵対者を資源としか見なしていない、というガーディナ観は誤っている。
彼女たちは、同胞のことも資源と見なしている。
(MBF T06A2 VAZGK-UT説明文より)

ガーディナが三層を統一した所でホドは何も変わりません。その相手を変えるだけで、闘争は起こり続けるでしょう。この事実は、認識しておくべきだと考えます。

では、見解を述べさせて頂きます。まず、「平和な世界」エンディングについて。こちらではPCは女王にならずにネマを抱きしめます。その後、決戦の場は崩壊を始めます。ここで問題となるのが、崩壊の範囲はその場に留まるのか、という事です。仮に崩壊がネマという管理者を失ったのが原因であるなら、その範囲はホド全域に及ぶ可能性が有ります。ガーディナのニンフはもちろん、他で生きているニンフも同様に崩壊に巻き込まれるでしょう。闘争を行うモノが居なくなれば、闘争も無くなります。この状態を平和と評するなら、瓦礫と化したホドは「平和な世界」となるでしょう。実際にホド全域に崩壊が及んだかは描写が無いので不明ですが、私はその可能性が高いと考えています。

崩壊の範囲が決戦の場に留まる場合は、平和な世界はPCとネマの存在する空間のみとなります。演出から察するにPCは闘争を放棄し、恐らくネマもそれを受け容れていると考えられます。この場合も闘争は無くなったので、平和になったと見做せるでしょう。

次に、「新たな女王」エンディングについて。この場合はPCがネマに止めを刺します。止めを刺した後PCは樹に転じ、決戦の場は崩壊せずに終わります。左眼も得たかは不明ですが、少なくとも融合した右眼により主の持つ権限の代理行使者となっているので、管理権限を引き継いだ女王となっているはずです。崩壊が起こらなかったのはPCがホドの新たな管理者、すなわち新たな神となった可能性を示唆する物と判断します。PCが産むニンフはガーディナとは気質が異なるでしょうが、仮にガーディナとの闘争に打ち勝ったとしても平和な世界が来るとは限りません。

ニンフが反乱を起こし得る事はシャラやその守子、そして他ならぬPCが示しています。どうして自分の作った窟のみでそれが起こらないと保証できるでしょうか。ニンフが生きている限り、闘争の可能性は消えないのだと思います。前時代の炭素生物が、そうであったように。

あるいは朽ちた育房に集ったニンフ達や、ハティのようなモノばかりであれば、平和な世界も有り得るのでしょうか。
あとがき
初めに、雑然とした文をここまで読み進めて頂いた方に、改めて感謝を申し上げます。テキストファイルとして保存した文章を計上すると3000行に達する勢いでした。私が読者であったとしても、この分量を読んで主張を理解するのは骨が折れる事でしょう。私には文才が無いので意図した通りに伝えられてるのかも正直怪しいですが、そうである事を願うばかりです。

武装・鎧殻・NPCの記述から立てた推測に始まり、その推測を元に更なる推測、あるいは妄想を展開してきました。信憑性について保証しない事は初めに述べましたので、内容を全て妄想と捉えて頂いても私は一向に構いません。一部は自分でも完全に納得し切れていない部分も有ります。もしDLC等で補完する様な要素が出た場合、恐らく私は誇大妄想癖のある人間として良い物笑いの種になるかもしれません。これも仕方有りません。集めた資料で私の全力を以て取り組んだ結果がこれなので、自分は満足していますし、結果は甘んじて受け入れます。

ただ、これらの推測ないしは妄想を組み立てるのは、私にとっては非常に楽しい作業でした。費やした時間は本編と同等か、それより多くなったかもしれません。

設定について考える切っ掛けとなったのは、2周してもなおエンディングについて理解が出来なかったので、理解の為にやらざるを得なくなった、というのが始まりでした。

それが本格的となったのは3周目からです。必要に応じてすぐ見られるよう、武装・鎧殻・アイテム・NPCの会話等をSSとして収める作業を行い始めました。大体5月中旬からの事です。私にとっては幸いな事に、ゲームシステムや敵の挙動、武装・鎧殻の強化、そこから導出できる自分に合った最適な組み合わせを使った立ち回りに慣れれば、周回自体は困難ではありませんでした。Armored Core 6の様な難易度であれば、途中で断念していたかもしれません。

得た資料からある程度の推測を立て、NG+ Roomの内容物やその説明を見た後に、これらの事柄に対する推測を文書としてまとめ始めました。内容は定期的に更新していましたが、6月中旬頃に一旦これを終えました。ホドにまつわるトリビアは、この時の成果を元に作成しています。動機についてはトリビア中で述べた通り、謎に迫る作業の楽しさを伝える為でした。

ただ、ネタバレになる部分についてはなるべく伏せましたし、自分でもきちんと解釈できない部分が主題となる部分でも多く存在していました。これに関しては消化不良を感じていたので、私自身もいずれきちんと処理したいとは考えていました。

その後考察スレッドでのやり取りを踏まえ、私は自分の主張について、自分が納得の出来る形での考察記録を残すべきだと考えました。着手したのが7月下旬です。従来の内容から更に足りない部分の考察や根拠の補完も随時実施したので、分量は更に膨れ上がりました。その後変更の度に全体の構成やまとめの内容も見直して時間も費やしました。これがようやく終わったのが8月に入ってからです。苦労しましたが、公表しても多分大丈夫だろうと思える段階までは達したと思います。

とはいえ、ネタバレを嫌う身でこれを公表するべきかは最後まで悩みました。結局、このガイドが重度のネタバレから構成される物であり、その主目的は読者の考察の足しにするという前置きをした上で実行に移しました。この内容が読者の考察の助けとなり、ドールズネストという作品を楽しむ材料となれば幸いです。