"頭の固い旧式どもにはうんざりた
朝議を終えて、部屋に戻る道すがら、
彼は口の中で不満をこほしていた。
この私の進言を聞き入れぬなど、
どうかしている……
「……まったく困ったものね」
ふとそんな言葉が耳に届き、顔を上げる。
「課された役目も満足に果たさず、
主に向かって吠えるだなんて」
「ええ。やはり器が小さいのでは？
不満が溜まっているのかもしれません」
さっと顔に朱が走る。
「……おい、貴様ら、今何と言った？！
「あら、鍾会殿。何か用?」
「とほけるな! 私の悪口を言ったろう！」
一瞬の問。そして盛大な笑い声。
「ふふ 通会殿は本当に……ふ……
強朝な粉持をお持ちですわ」
「この子のことよ、鍾会殿」
ワン！
「なっ……！」
つぶらな瞳の子犬、その傍らで……
されいに舐めとられた小さな器が、
朝の陽ざしに光っていた。

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