まほうの首輪1
よく晴れた日のことでした。
子ジカのコーンが、遠くのえあそびに行きました。 コーンは、高い山の上からあたりお見おろしまし
むこうに うつくしい花がいちめんにさいているところが見えました
「きれいだなあ。なんの花だろう。」
コーンは、花のほうえ かけおりていきました。
そのとちゆうで、コーンは、だれかに よびとめられました。
見ると、大きな木の根もとに、首輪おかけた、白いシカが ねていました。
白いシカは、コーンに、「わたしは水がほしいけれど、年おとつてしまつて、とても、谷川まで行けない。 かれ草に水おふくませて 持つてきてくれないか。」と、苦しそうな声でたのみました。
コーンは、気持ちよくしょうちしました。
そして、すぐに、けわしいがけを足をすべらないように気をつけながら、谷川えおりていきました。
コーンが、やつと水を持つてくると、白いシカ は、おいしそうにその水をすいました。
それから、「ありがとう もう一度、 持つてきてもらいたい。」と言いました。
コーンは、また、水を取りに行きました。
そして、帰つてくると、また、おなじことをたのまれました。
コーンは、白いシカに、三度、水を持つてきてあげました。
白いシカ は、三度めの水をすつてから、「おまえは しんせつだ。おれいに、まほうをさずけてあげよ。」と言いました
コーンは、「えつ、まほうですつ て。」と、目をまるくしました。
「そうだ。見ていてごらん。…….牛になれ。」
白いシカ は、そう言つてから、三度まばたきをしました。
すると、そのシカ は、ぱつと、大きな牛になりました。
コーンは、口もきけないほどびつくりしていて見ていると、今度は、その牛が、「シカになれ。」と言つて、三度まばたきをしました。
すると、牛は、もとの白いシカになりました。
白いシカが、コーンに言いました。
「わたしが首に はめているのは、まほうの首輪だ。これを持つていると、どんな 動物にでもかわることができるのだ。かわりたい動物の名を言つて、まばたきを三度すればよいのだ。」
白いシカは、そうおしえてから、首輪を首から はずして、コーンにくれました。
コーンは、首輪を自分の首に はめると、ていねいに おれいを言つて、白いシカとわかりました。