小学生のころに父親に、「大気圏突入のとき進入角度が浅いとどうして大気にはじかれるの？」と質問したことがあります。
返ってきた答えは、水と空気みたいに、大気と真空が境界になっているから、とかそんな感じでした。
感覚的に納得いかなかったものの、「再突入」というワードから、はじかれるものなのだ、とそのまま受けいれることにしました。

先日、このゲームをやっていて、月から地球に帰還しようとして、大気圏への侵入軌道をどうすればいいのか疑問に思って調べたところ、この小さいときの出来事を思い出し、その疑問が解けました。

このゲームは悩み考えるゲームです。
上昇中にロケットの制御がきかなくなるどうしよう？
再突入のときに、ロケットの部位が爆発する、どうしよう？
燃料が足りなくなる、どうしよう？
最初の軌道投入を効率化したい、どうしよう？
無人探査機の電波が届かなって制御不能になる、電池が切れる、どうしよう？
機体が重くて細長いから、月面着陸でエンジンぶつけて爆発する、どうしよう？
一回一回別の目的で同じ惑星に宇宙船飛ばすの面倒くさい、どうしよう？

大抵の問題はロケットの設計なのですが、軌道制御や宇宙船の操作、乗組員で解決することもあったり、問題自体が次の研究開発の目標に化けてしまう（ソーラーパネルとか着陸脚や推力偏向ノズルエンジン）こともあります。

ホーマン軌道やスイングバイなど超常識的なことを知らずになにやってだ自分と落ち込んだり、
少しエンジンを蒸かすだけで目標の衛星軌道上から外れてしまうことがあって、実際の宇宙船ってかなり緻密なんだなと関心を持ち、アメリカやソ連の宇宙計画や理論を調べたりすることもあります。


このシミュレーションゲームは、試行錯誤を好み、単純なことに疑問を持ち、調べたり検証したりする、知識のない無知な人間にとっては、極上の楽しみを与えてくれるでしょう。