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RAINWORLDはかなりユニークなゲームで、既存のジャンルで例えるのは難しいです。
ガワだけ見るとメトロイドヴァニアのようですが、本質は「TUNIC」や「OuterWilds」「ANIMAL WELL」のような、知識と経験によってじわじわ行動範囲を広げるゲームだと思います。今言ったゲームにはまった人は、おそらくRAINWORLDも好きかもしれません。ただ、こちらはアクションの練度が求められたりデスペナがあったりする分、よりコアなゲーマー向けと言えます。

開発者はRAINWORLDを、「地下鉄のネズミシミュレーター」と語りました。ネズミは身近なエサの捕り方や天敵から逃げる術など、基本的なことは知っていますが、頭上で動く鉄の塊が何なのか、世界がどこまで続いているのか、そういったことについては何も知りません。
このゲームでは家族と離れたナメクジネコとして、あなたは問いも分からない答えを探す旅をすることになります。

・食料を集めておなかを満たそう
・致死的な雨が降ってくる前にマップのあちこちにあるシェルターで冬眠しよう
・冬眠から目覚めたら、また繰り返しシェルターを渡り歩きます。
チュートリアルで教えてくれるのは、それだけ。進もうとするといろんな理由で死にまくりますが、それで正常です。合ってます。このゲーム、「死は投資」なんて言われたりしていて、生き残るためにあらゆるアプローチを実践、実験する必要があります。ゲームは進まなくてもプレイヤー自身の経験値は確実に積みあがっていき、そうして攻略法を発見し難所を乗り越えた時の達成感は何物にも代えられません。「ソウルライク」のタグが付けられているのも、RAINWORLDのそういった側面のためでしょう。

正直初めはこのゲーム嫌いでしたが、半年ほど眠らせた後はじめから再開してクリア、その後評価は１８０度変わり、結果的には一つの体験として心に残る大好きなゲームとなりました。ただ、合わない人はとことん合わないと思うので注意です。


~~~ここから先、悪いところと好きなところ（読まなくて問題ナシ）~~~


・日本語訳が少し粗い
シンプルな誤訳や、本編とDLCで口調がまちまち、カタカナ表記でいいところも無理に訳されていたりする箇所が目立ち、少し読みずらいです。私のクリア時は日本語訳なかったので、あるだけありがたいと思うのですが、もうちょっとどうにかならんかったか…

・さすがに説明不足過ぎる箇所
「説明不足」、と言われがちなゲームですが、確かに少々やりすぎなところもあります。特に以下の基本的な操作

＜食べるボタン長押しで、アイテムを一つお腹にしまう、取り出す＞
＜つかむボタンをダブルタップして左右の手に持っているアイテムの入れ替え＞
＜下を押しながらつかむボタンを押すと、アイテムを投げずに地面に置く＞

一応ポーズ画面に書いてあったりするのですが、気づかない人はずっと気づかないので、この３つはチュートリアルにしっかり組み込むべきだったと思います。

ただ、こちらはRAINWORLD RIMIXという公式大型パッチを適用することで緩和可能です。
メニューからONにすると、死亡画面で様々なTIPSが表示されるようになります。ほかにもいろいろ遊びやすくなる便利機能が追加されるので、初めてプレイする人には特におすすめです。

また、英wikiもネタバレに極力配慮したつくりになっていますので、どうしても詰んだと思ったら、頼っていいと思います。

・ストーリーと世界観
ゲーム側で説明してくれることは実は多くありません。初見では気づかないまま何となくクリアすると思います。が、ちゃんと用意されています。 マップ中に散らばっている記録媒体をある方法で読み取ることで、世界の成り立ちやナメクジネコという存在について、断片的ですが知ることができます。と言っても５割くらいですが。（残り４割はDLC、１割は想像の余地）。これが本当に魅力的で、読み物としても普通に面白いです。RAINWORLDが好きな理由の大部分を占めています。多くは語れませんがSFが大好きな私に深～く刺さってしまいました。DLCと合わせると、もはや神話です。
めんどくさい人は英wiki見るでも全然大丈夫です。

・没入感、発見の楽しさ
説明不足と書きましたが、それはこのゲームの発見の楽しさ、独特の没入感を生んでいる魅力でもあります。何の説明もなくいきなり放り出されるからこその体験は、「ICO」から続く３部作や、ほかのレビューにもるように「ゆめにっき」などをプレイした時の感情を思い起こさせてくれました。

・活発なコミュニティ
公式DISCORDでは毎日ファンアートが投稿されたり、RTAイベントやMOD制作なども盛んにおこなわれており、２０２５年になった今でも非常に賑わっています。本編以外にそういった広がりがあるのも、オタクとしては非常に嬉しいです。

他にも、
・実はすごい敵AIとプロシージャルアニメーション
・ドット絵（風シェーダー）で表現された美しい風景
・野生のグルーヴを感じる電子音楽
などたくさんあるのですが、この辺りにしておきます。

ここまで長々とレビューを読んでくださり、ありがとうございました。
RAINWORLDはいいぞ