皆様、「ACTION GAME MAKER」プロデューサーの森野です。
プロデューサーレターも第6回となり、ここまで皆様から多くのコメントをいただきました。皆様ありがとうございます。一通り目を通させていただいたのですが、「そろそろ、発売に向けて素材を準備したい」、というお声をいくつかいただきましたので、今回は「素材規格」について説明をさせていただきます。
画像、音源、動画等それぞれにつきまして、今作で取り扱える形式と、デフォルトで同梱させていただく素材(以下同梱素材)の形式に双方について説明をさせていただきます。それでは、各項目に分けて説明をさせていただきます。

極小解像度、4K等、自由に設定が可能ですが、同梱素材はカメラ機能で2倍に拡大した上でフルHD（1920x1080）サイズで利用することを想定して作成しております。

BPM/PNG/JPEG/SVG/WebP等様々な形式が利用可能です。
「ACTION GAME MAKER」の同梱素材は、立ち絵等一部の大型画像を除き、改変をしやすくするためPNG形式を利用しています。
画像を自作される場合は、透過情報を保持しつつ容量を圧縮できるSVGやWebP形式の利用をおすすめします。

Godotでは、オブジェクトは１つのシーンとして取り扱われます。シーンは.tscnという形式で個別に保存されますので、オブジェクト１つ１つをエクスポート/インポートすることが可能です。シーンには、アニメーション、スクリプト、及び設定された各ノードのデータが一通り含まれます(※将来的に変更される可能性があります)。しかし、画像やサウンド等のリソースは含まれず、相対パスで指定されますので、エクスポート/インポートする際にはリソースも同梱する必要があります。

「ACTION GAME MAKER」用ヴィジュアルスクリプトに加え、GDScriptが利用できます。ヴィジュアルスクリプトとGDScriptを併用することも可能です。C#は利用できません。

Godot標準形式で制作されたプラグインが利用可能です。
ACTION GAME MAKERで追加された機能はクローズドソースのためプラグインで書き換えることはできません。
しかし、大部分のオープンソースであるGodotを利用しているコードはプラグインで変更が可能です。
また、Godot4.3バージョン用に制作されたプラグインで、ACTION GAME MAKER用機能と競合しないものであれば既存のGodot用プラグインも利用可能です。
https://docs.godotengine.org/ja/4.x/tutorials/plugins/editor/installing_plugins.html

同梱素材はTileMapLayerノードで利用することを想定した、24x24サイズのドット絵で制作しています。
https://docs.godotengine.org/ja/4.x/tutorials/2d/using_tilemaps.html

TileMapLayerで利用できるサイズに制限はありませんので、8x8や48x48はもちろん、16x64等の正方形ではないタイルも利用できます。
タイルマップレイヤーを分ければ、1シーンで複数の解像度のタイルを利用することできます。24x24ドットのタイルと48x48ドットの画像を併用することも可能です。なお、Godot標準の以下の形のタイルマップも利用することが可能です。
Isometric(クオータービュー）
Half-Offset Square(半マスずらし)
Hexagon(六角形)
ACTION GAME MAKERでは、Godotの地形（Terrain)により、オートタイル機能を利用することができます。
地形では通常、タイルの接続関係（Peering Bits）と各タイルの物理コリジョン判定を手動で設定する必要がありますが、ACTION GAME MAKERでは以下のテンプレート画像に沿った形でタイル画像を作成いただくことで、自動で設定する機能を実装しております。
赤いラインは他のタイルとの接続関係(Peering Bits)を示します。Godotの地形では、これに応じて自動でタイルが配置されます。赤いラインが端まで達している部分は、他のタイルと接続される部分となりますので、どのタイルとつながっても違和感がないように制作頂く必要があります。
なお、上記の画像は制作用の参考画像ですので、赤いラインのタイルへの描画は不要です。実際に制作いただく画像は以下のような図となります。本画像は1タイル24x24pixelサイズですが、それ以外の解像度にも対応を予定しています。
同梱のキャラクターやエネミーのデータは2Dボーンアニメーションで制作されております。
https://docs.godotengine.org/ja/4.x/tutorials/animation/2d_skeletons.html
ポリゴンデータ、スケルトンデータおよび30種類以上アニメーションデータが一体で同梱されているため、テクスチャを張り替えるだけで自作のキャラクターを動かすことができます。
240x144サイズのPNG形式の画像です。キャラクターの全身でおおよそ24x32程の小さなドット絵です。
以下の図を参考に、変更したい部分をイラストソフトウェアで描き変えることでオリジナルのキャラクタースキンを作成することができます。
　同梱のアニメーションデータは改変自由ですので、改変や自作の動きを追加することが可能です。男性用のアニメーションはいろいろな武器を持ち替えて戦うメトロイドヴァニア、女性用のアニメーションはアクション重視の軽快な動きを想定して作成されています。
　アニメーションデータは個別に.tresの形式で保存できるため、同じスケルトンデータを利用したアニメーションであれば、エクスポート/インポートも可能です。男性と女性ではスケルトンのデータが異なるため、男性キャラクター用のアニメーションをそのまま女性キャラクターに適用するといったことはできません。
　なお、スプライト画像を使ってアニメーションを制作することも可能です。AGMakerのヴィジュアルスクリプトで利用する場合はGodotの[Animation Player]機能で作成する必要があります。[AnimatedSprite2D]ノードは利用できませんのでご注意ください。
https://docs.godotengine.org/ja/4.x/tutorials/2d/2d_sprite_animation.html#sprite-sheet-with-animationplayer

同梱のバストアップ素材は1080x1080、全身素材は1272x2000で制作しています。
通常表情＋喜び、怒り、悲しみ、驚き、恐怖差分の合計5パターンが収録されています。
画像サイズが大きいため、立ち絵のみWebP形式を使用しています。

多重スクロールを実現する[Parallax2D]用の画像を同梱しております。
https://docs.godotengine.org/ja/4.x/tutorials/2d/2d_parallax.html
空が見える屋外用の背景セット、空が見えない洞窟等の屋内用の背景セットの2種類があります。
遠景: 最も奥の背景レイヤーで空などを表します。屋外用は720x1152サイズ、屋内用は720x576サイズになります。
中景: 中部の背景レイヤーで、山などを表します。屋内用、屋外用ともに720x576サイズです。
近景: 一番手前の背景レイヤーで、地面などを表します。屋外用は720x1152サイズ、屋内用は720x1728サイズになります。
同梱素材はOgg形式(Ogg Vorbis)を利用しています。WAV,Ogg,MP3の3形式が利用可能ですが、少なくともBGMについては容量が小さく、ループ再生が可能なOgg形式をおすすめします。なお、OGGのメタデータ(LOOPSTART,LOOPLENGTH)によるループ指定には対応しておりませんが、手動でオフセットを指定することで区間ループ再生は可能となっております。
https://docs.godotengine.org/ja/4.x/tutorials/assets_pipeline/importing_audio_samples.html#supported-audio-formats

Ogv形式(Ogg Theora)形式のみ利用可能です。一般的な形式であるmp4には、利用されているH.264 や H.265コーデックに特許の制約があり、オープンソースエンジンであるGodotでは利用できないためです。
https://docs.godotengine.org/ja/4.x/tutorials/animation/playing_videos.html

「素材規格」についての説明は以上になります。簡単にまとめさせていただくと、Godot自体は非常に多様な形式に対応していますが動画ファイルのデータのみ注意が必要です。「ACTION GAME MAKER」の同梱素材は、ピクセルアートのサイドビューゲームの制作に適した素材を同梱しておりますので、同梱素材と自作素材を組み合わせての利用をご検討の方は今回の情報を考慮の上ご制作ください。
さて、今回のプロデューサーレターは以上となります。まだ発売日がいつか、ということは言えないのですが、ホリデーシーズンを利用して準備などを進めていただければと思います。次回のレターは来年1月を予定しています。それでは皆様、良いお年を！